大阪府高石市の本番行為で罰金を迫られたら

大阪府高石市の本番行為で罰金を迫られたら

大阪府高石市に住むAさんは、地元にある風俗店を普段から利用しています。
Aさんが利用する風俗店は、本番行為が禁止されている店舗で、そのことが書かれたプレートが店の待合室にも掲げられており、プレイの前にも同様の説明を受けました。
しかし、実際に女の子を見たAさんは、その容姿が好みであったこともあって、本番行為をしたいと思いました。
プレイ中、Aさんは何度か女の子に対して、「本番できるん?」と尋ねましたが、女の子からは何の返答もありませんでした。
Aさんは、「返事がないから、嫌がっていないのだろう。嫌ならきっと嫌だというだろう。」と考え、プレイ中、女の子の同意を得ず、本番行為を行いました。
その最中も女の子は何も言わなかったのですが、Aさんが店を出る時に、店舗の従業員から、「女の子に何をしてくれるんだ」と声をかけられ、身分証の提示を求められたり、罰金として100万円を支払うように言われてしまいました。
(フィクションです)

・「罰金」の支払いについて

Aさんは、店から禁止されている本番行為を行っています。
そして、Aさんはお店と風俗サービスを受ける契約を結んでいると言え、その中に本番行為をしないという約束も含まれていると考えられますから、Aさんの行為が、約束違反であり、「債務不履行」であるということは可能です。
債務不履行が発生した場合には、法律上損害賠償請求をすることができます(民法415条)。
そのため、お店が本番行為を行った客に対して、「罰金の支払い」を求めてくるのは、この趣旨であると考えられなくもありません。
しかし、「罰金」というのは、本来は、刑事罰の一種です(刑法9条)。
ですので、本来罰金を科すことができるのは、裁判所に限られます。
また、債務不履行であったとしても、支払金額が適切な金額でなく、不当に高額である場合には、公序良俗(民法90条)に違反すると考えられますので、そのような金額の支払い義務はなくなると考える余地もあります。
そのため、風俗店で店員に迫られた際に、その場ですぐに支払ってしまうことや、罰金の支払いを承諾するような書面に署名をしてしまうことは適切ではないと考えられます。

・Aさんに成立する可能性のある罪

先ほどまでの債務不履行というのは、あくまでも民事上の話となります。
それでは、Aさんにはどのような犯罪が成立するのでしょうか。

刑法では、被害者の反抗を著しく困難にするような暴行・脅迫を手段として性交やわいせつ行為をした場合には、強制性交等罪強制わいせつ罪が成立すると定められています。
また、被害者が抵抗できない状態(お酒に酔った状況や睡眠薬で眠らされている状態を指し、条文では抗拒不能となっています)を利用して、そのような状況で性交やわいせつ行為をした場合には、準強制性交等罪・凖強制わいせつ罪が成立することになっています。

しかし、今回のAさんの例で考えると、女の子に対して暴行を加えた様子はありません。
また、女の子に脅迫するような文言を告げたことや、女の子が抵抗できない状況であったともいえない可能性が高いと思われます。
そのため、Aさんには犯罪が成立しない可能性も十分にあります。
ただし、Aさんは「返事がないから、嫌がっていないのだろう。」と考えていますが、本件に限らず、嫌がっていても返事ができなかったという被害者の主張が多くみられるところです。
実際、拒否する言動がないことを理由として、拒否していないとは考えられないと判断している裁判例も存在していますから、Aさんのような安易な考えは危険であるといえます。

もし、あなたが風俗トラブルで店から罰金を支払うよう要求されている、警察に被害届を出すなどと刑事事件化の可能性をちらつかせられてお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。
無料相談のご予約は、フリーダイアル0120-631-881まで。
大阪府高石警察署までの初回接見費用:3万8,200円)

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー