ナンパ行為が条例違反に
いわゆるナンパ行為が兵庫県の定める迷惑行為防止条例に違反する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
兵庫県姫路市在住のAは、姫路市内の会社に勤める会社員です。
Aは姫路市内を走行している鉄道に乗っていたところ、好みのタイプのVが同じ車両に乗車していることに気付きました。
そこでAはVの下車駅と同じ姫路市内の駅で下車し、駅を出てしばらく後を付けた後「お茶をしませんか。」「ご馳走しますよ。」などと10分に亘りVにつきまとい、繰り返し声掛けを行いました。
その間Vは「興味ありません。」「止めてください。」「ついてこないでください。」と回答しましたが、Aは執拗に上記行動を執りました。
そこでVは姫路市を管轄する姫路警察署に電話をして、Aは臨場した警察官からナンパ行為による迷惑防止条例違反であるとして任意で取調べを受けることになりました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【ナンパが迷惑防止条例違反に?】
しばし御高齢の方などからは「私たちの頃は当然に行われていた。」というお話を伺いますが、路上などで(性別を問わず)見知らぬ人に対して執拗に声掛けを行うナンパと呼ばれる行為は、今日においては迷惑防止条例に違反する行為と言えるかもしれません。
ケースの場合は兵庫県姫路市でのナンパ行為ですので、兵庫県の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下、兵庫県迷惑防止条例)が問題となります。
条文は下記のとおりですが、その要件として、(特定の相手に対して)「正当な理由がない」ことと、「執ように又は反復して」行うことと定められています。
Aの行為についてVの立場から見てみると、路上で、拒否しているにもかかわらず10分にも亘ってつきまとわれたうえ、そのままついてこられることで自宅等を知られるなどの懸念もあることでしょう。
このような行為を、兵庫県迷惑防止条例は禁止しています。
罰条は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。(同条例15条1項)
兵庫県迷惑防止条例10条の2第1項 何人も、正当な理由がないのに、特定の者に対し、執ように又は反復して行う次に掲げる行為…をしてはならない。
(1) つきまとい、待ち伏せし、進路に立ち塞がり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所…の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること(身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。次号から第4号までにおいて同じ。)。
(2) その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(3) 面会その他の義務のないことを行うことを要求すること。
(4) 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
(5) 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールその他の電気通信…第2条第1号に規定する電気通信であって、特定の者に対して通信文その他の情報をその使用する通信端末機器…の映像面に表示されるようにすることにより伝達するための方法をいう。)の送信をすること。
(6) 汚物、動物の死体その他の著しく不快若しくは嫌悪の情を催させるような物又は当該情を催させるようなものを視覚若しくは聴覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録…その他の記録を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
(7) その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(8) その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物若しくはその性的羞恥心を害するものを視覚若しくは聴覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
当事務所には、重大な刑事事件はもとよりのこと、ナンパ行為などのような比較的軽微と言える刑事事件についても取り扱いしています。
兵庫県姫路市にて、いわゆるナンパ行為の結果兵庫県迷惑防止条例に違反して取調べを受けたという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。