【事例解説】マッサージ嬢との不同意性交等罪で逮捕

【事例解説】マッサージ嬢との不同意性交等罪で逮捕

マッサージの施術のために呼んだ女性と合意に基づかない性行為をして強制性交罪の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは仕事のストレスを解消する目的で、メンズマッサージのお店を利用して、出張先で滞在しているホテルの一室に施術者のⅤさんの派遣を依頼しました。
施術中の会話の中で、Vさんが過去に風俗嬢で勤務していることや、また風俗嬢として働こうかなと言っていることを聞いたAさんは、もしかしたら本番行為ができるかもしれないと思い、Vさんの体に触り始めました。
VさんはAさんの手を払いのけて拒否していましたが、AさんはVさんが本気で嫌がっていないと判断して、そのまま本番行為をしました。
後日、自宅に警察が来てAさんを不同意性交等罪の疑いで逮捕しました。
(この事例はフィクションです)

【不同意性交等罪とは】

令和5年7月13日をもって、「不同意性交等罪」が施行されました。

不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。
このたびの刑法改正により、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合し、新法における「不同意わいせつ罪」および「不同意性交等罪」を規定することになりました。

不同意性交等罪では、「次のような行為」により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交肛門性交口腔性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。

「次のような行為」を簡潔に列挙すると、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目となります。

不同意性交等罪の法定刑は、五年以上の有期拘禁刑となっています。

【相手の同意があると誤信~強制性交罪の可否~】

上記事例のように、本来禁止されているマッサージ嬢との本番行為性行為)は、上述の不同意性交等罪における「不同意を形成・表明するいとまがない」あるいは「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」要件に該当すると推察されます。

不同意性交等罪が成立するためには、被疑者に性交不同意であることの認識(故意)が必要です。
しかし、仮に本当に「同意のある性行為」の認識(故意)が無かった場合、不同意性交等罪の成立が否定されることになります。

そのため、不同意性交等罪の疑いを掛けられた被疑者の方は、「合意があった」や「合意があると信じるに足りる相当な理由があった」と主張して、不同意性交等罪の成立を否認することが予想されます。
ただ、「合意があると信じていた」と言ったからといって、そのまま「合意があると信じていた」という事実が認定される訳ではありません。
性交に至る経緯や、性交時の言動、性交後の行為など様々な事情を総合的に考慮して、本当に「合意があると信じていたのか」ということが判断されることになるでしょう。

【不同意性交等で逮捕されてお困りの方は】

警察からの連絡でご家族が逮捕されたことを知った場合、まずはいち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見によって、弁護士逮捕されたご本人の方と面会して事件について話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の手続きの流れなどを知ることができます。
また、逮捕されたご本人の方にとっても、初回接見に来た弁護士から取り調べに対するアドバイスを得ることができます。
不同意性交事件で被害者の方が同意していたと本当に信じていたという場合、どのような調書を作成されるのかということは重要になりますから、弁護士からの取り調べのアドバイスは特に有用なものになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族がマッサージ嬢に対する不同意性交等罪の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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