【報道解説】兵庫県伊丹市でデリヘル店員に不同意性交事件で逮捕
デリヘル店員に対する不同意性交事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
いわゆる「デリヘル」で自宅に呼んだ風俗店店員の女性に、同意を得ることなく性交した疑いで、兵庫県伊丹市在住の男性(48歳、美容師)が、兵庫県伊丹警察署で逮捕された。
被害者女性から相談をうけた店が、男性に事情を聞くため、家に向かうと電話したところ、男性が自ら警察に通報し、いわゆる本番行為を認めたため、警察が逮捕した。
警察によると、男性は2万6400円を支払い、120分のコースで性的なサービスを受けていたが、店で本番行為は禁止されていた。
取調べに対し、男性は性行為は認めているものの、「嫌がるそぶりがなかったので、同意していると思った」などと容疑を一部否認している。
(令和5年9月29日に配信された「関西テレビNEWS」より抜粋)
【不同意性交等罪の刑事処罰とは】
わいせつ行為や性行為の相手方の同意無しに、これを行った場合には、刑法の「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」が成立して、刑事処罰を受けます。
令和5年7月の刑法改正の施行により、従来の「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」が、新しく「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」へと変わりました。
不同意わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の拘禁刑」とされており、不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」とされています。
・刑法 177条1項(不同意性交等)
「前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(略)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(略)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。」
【不起訴処分に向けての示談弁護活動】
刑事犯罪を起こして、逮捕、勾留あるいは書類送検された場合、警察取調べの終了後に、検察官により起訴・不起訴の判断がなされて、次のいずれかの処分がとられることになります。
・起訴
・訴訟条件を欠くことによる不起訴 (被疑者の死亡など)
・責任能力を欠くことによる不起訴 (少年犯罪、精神疾患など)
・犯罪の嫌疑が無く不起訴
・犯罪の証拠が不十分で不起訴
・被疑者の情状考慮により不起訴(起訴猶予)
刑事訴訟法248条には、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」との規定があります。
実務上、この公訴提起するかどうかの判断は、検察官が担っています。
犯罪の嫌疑が十分にあって、立証に必要な証拠もそろっており、起訴が可能な場合でも、検察官が訴追の必要がないと判断すれば、「起訴猶予」として不起訴となります。
不同意性交等事件のような、被害者の存在する刑事事件においては、被害者側の処罰感情の有無が、刑事処罰の量刑や起訴・不起訴の判断に、大きく影響するものと考えられます。
弁護士を通じて、被害者側との示談交渉を行い、被害者側が加害者を許す意思を含むような示談が成立した場合には、刑罰軽減や不起訴処分の獲得に向けて、有利に働くことが期待されます。
まずは、不同意性交事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
兵庫県伊丹市の不同意性交事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。