【報道解説】執拗に風俗店の客引きをして風営法違反等の疑いで逮捕

【報道解説】執拗に風俗店の客引きをして風営法違反等の疑いで逮捕

執拗に風俗店の客引きをしたことにより、風営法違反迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店などへの客引き行為を行ったとして、埼玉県警国際捜査課、組織犯罪対策課、保安課、大宮署は13日、風営法違反埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで、中国籍の女5人を逮捕した。
逮捕容疑は、いずれもさいたま市大宮区内の路上で警戒中の捜査員に対して、風俗店に勧誘する目的で客引き行為をしたり、腕をつかむなどの執拗(しつよう)な方法で客引きをした疑い。
国際捜査課によると、逮捕されたのは、いずれも同市大宮区仲町1丁目のX1とX2の従業員ら。
両店舗を含むJR大宮駅周辺の歓楽街の複数店舗で料金トラブルの相談や110番があり、その捜査過程で今回の逮捕につながったという。

(令和4年6月14日に埼玉新聞より配信された報道より一部匿名表記にして引用)

【風適法違反になる客引き行為とは?】

報道に記載されている「風営法」とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と言います。

風営法22条1項1号では風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをしてはならないとしており、同項2号では、風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをするめ、道路などの公共の場所で、人の身辺に立ちふさがったり、つきまとうことをしてはならないと規定しています。

この、客引き行為や、客引きのために道路などで人の身辺に立ちふさがったり、つきまとう行為が禁止される「風俗営業」とは、風営法2条1項各号に掲げる業種のうち、いずれかに該当する業種のことを言います。

①キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(風営法2条1項1号)
②喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)(同項2号)
③喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの(同項3号)
④まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業(同項4号)
⑤スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)(同項5号)

報道では、どのような業種に関する客引き行為が行われたのかが定かではありませんが、
上記いずれかの業種に関する客引き行為が行われた疑いで逮捕されたのだと考えられます。

そして、風営法22条1項1号、同項2号に違反すると、6ヶ月以下の懲役刑か、100万円以下の罰金刑、又はこの懲役刑と罰金刑が併科されることになります(風営法52条1号)。

【迷惑行為防止条例違反になる客引き行為とは】

埼玉県迷惑行為防止条例7条1項1号では、公共の場所における客引き行為を禁止しています。

客引き行為が禁止されるものとしては、
①人の性的好奇心をそそる見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供(同条例7条1項1号イ)
②歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる行為又はこれを仮装したものの提供(同号ロ)
③人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる営業に関する情報の提供(同号ハ)
④売春類似行為(同条例7条1項3号)
といったものがあります。

このような規制に加えて、埼玉県迷惑行為防止条例では、客引きの業種を問わずに、「人の身体、衣服若しくは所持品をとらえ、立ちふさがり、つきまとう等執ような方法」で行う客引きについても禁止しています(同条例7条1項6号)。

報道では、腕をつかむなどの執ような方法で客引きをした疑いがあるとのことですので、この埼玉県迷惑行為防止条例7条1項6号に当たるとして逮捕された可能性があります。

なお、こうした埼玉県迷惑行為防止条例7条1項の規定に違反して客引きをした場合の法定刑は、50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています(同条例13条2項3号)。

【客引きをした疑いで逮捕された方が身近にいる方は】

身近な方が、客引きをしたことにより警察に逮捕されてしまい、どうすればよいのか分からず不安に思っていらっしゃる方は、弁護士に初回接見に向かってもらうように依頼されることをお勧めします。
この初回接見によって、弁護士逮捕されたご本人から直接事件についてお話を伺うことで、事件の見通しや今後どのような流れで捜査が進んでいくのかということについて知ることができるでしょう。
また、今回取り上げた報道のように逮捕された方が外国籍の方であって、仮に日本語に不慣れな方であるという場合には、必要に応じて初回接見の段階から通訳人を付けて接見を行うことも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
身近に風俗店客引きをした疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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