ガールズバーでの風営法違反事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、神奈川県横浜市でガールズバーを経営しています。
ある日、18歳未満の少女を働かせていたとして、神奈川県伊勢佐木警察署に、風営法違反容疑などで逮捕されました。
Aさんが経営するガールズバーで、深夜に当時16~17歳の少女たちに男性客の接待をさせるなどしていたということです。
Aさんは、「18歳未満だと知らなかった。」と話しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、慌てて刑事事件に詳しい弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
風営法について
事例のように、ガールズバーで深夜に18歳未満の者に客の接待をさせた場合、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」といいます。)違反に問われる可能性があります。
風営法は、風俗営業に関する規制を設けています。
ここでいう「風俗営業」は、風営法第2条1項で規定されており、次のいずれかに該当するものです。
①キヤバレー、待合、料理店、カフェその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
②喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
③喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
④まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
⑤スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
キャバクラやホストクラブは、客を接待して飲食させる営業(上の①)となります。
実は、パチンコ店やゲームセンターも「風俗営業」に当たるのです。
さて、事例のようにガールズバーの場合、その多くが「深夜酒類提供飲食店」として風営法上の届出を出しています。
(1)ガールズバーでの接待行為について
風俗営業としてのキャバクラと深夜酒類提供飲食店としてのガールズバーの違いは何でしょうか。
キャバクラやホストクラブのようなお店のほとんどは、風俗営業許可第1号を取得しています。
この許可を得ている場合には、接待行為を行うことができます。
「接待」というのは、歓楽的雰囲気をか持ち出す方法により客をもてなす行為のことです。
例えば、従業員が客と一緒にお酒を飲んだり、客の隣について会話をします。
しかし、営業時間が原則午前0時まで等の制限もあります。
一方、深夜酒類提供飲食店は、24時間お酒を提供することができます。
しかし、この種の店が接待行為を行うことは認められません。
そのため、風俗営業の許可を得ず、深夜酒類提供飲食店として営んでいるガールズバーで接待行為を行っていた場合には、風営法違反(無許可営業)となるおそれがあります。
(2)ガールズバーでの18歳未満の者の深夜勤務について
風営法第22条1項3号は、「風俗営業」を営む者に対して、営業所において18歳未満の者に客の接待をさせる行為を禁止しています。
また、4号では、営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させることも禁止されています。
ですので、18歳未満の者をキャバクラで働かせる行為は、風営法違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はその併科が科される可能性があります。(風営法第50条1項4号)
ガールズバーのような深夜酒類提供飲食店について上の規定が準用されます。(風営法第32条)
午後10時から翌日の午前6時までの深夜帯に、18歳未満の者を客に接する業務に就かせた場合は風営法違反となります。
Aさんは、問題の従業員が18歳未満だとの認識がなかったと供述していますが、営業者において18歳に満たないことを知らなかったというのみでは処罰を免れることはできません。
営業者がその年齢を知らなかったことに過失がないときは、処罰を免れるとされます。
これは、本人のみならず、紹介者、保護者とも会い、戸籍謄本などの公的資料などの証明力の高い資料や、運転免許証、身分証明書などの資料を確認した上で、18歳未満の者ではないと認識したという事情がある場合を指します。
単に「知らなかった」という主張だけでは通用しません。
逮捕から勾留までの期間は、原則として、被疑者の家族であっても被疑者と面会することはできません。
警察から事件について詳しく教えてもらうこともできず、逮捕された家族の様子も分からず、家族は不安な気持ちに苛まれることは想像に難くありません。
そのような時でも、弁護士であれば、いつでも逮捕された被疑者と面会(接見)することができます。
ですので、ご家族が逮捕されてお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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