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【報道解説】風俗店で性的暴行して強制性交罪で逮捕

2022-11-20

【報道解説】風俗店で性的暴行して強制性交罪で逮捕

20歳の警察官が風俗店で指名した女性に性的暴行をして強制性交罪逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店で指名した女性に性的暴行を加えたとして、大阪府警は3日、交野署地域課の巡査、A容疑者(20)=大阪府寝屋川市幸町=を強制性交容疑で逮捕し、発表した。
性交はできなかった』と容疑を否認しているという。
監察室によると、逮捕容疑は2日午後7時15分ごろ、大阪市都島区のホテルで20代女性が拒否したにもかかわらず、押し倒して性交したというもの。
A容疑者は別の警察官2人と区内の風俗店に行き、指名した女性と近くのホテルを利用していた。」

(令和4年11月3日に朝日新聞DEGITALで配信された報道より匿名にして一部抜粋して引用)

【風俗トラブルが刑事事件へと発展することがある】

今回取り上げた報道では、風俗店で指名した女性に性的暴行を加えた疑いで男性が逮捕されたという事件です。
逮捕された男性は、暴行又は脅迫を用いて性交を行った場合に成立する強制性交罪の疑いで逮捕されていますので、風俗店で指名した女性に無理やり本番行為を行った疑いがある可能性が考えられます。

風俗嬢が拒否しているにもかかわらず本番行為を強要したという風俗トラブルの多くは、警察が介入する前に解決することが多いです。
これは、被害にあった風俗嬢が警察に被害を申告する前に、当事者間で示談して事件を警察に届けない約束を取り付けているといった形で解決することが多いためであると考えられます。

無理やり本番行為をしたという風俗トラブルについては、トラブルについて知っている人が当事者しかいない場合が非常に多いでしょうから、トラブルの当事者が警察に申告しなければ警察は風俗トラブルを知るすべがないため、捜査に乗り出すきっかけがそもそもないといえます。

ただ、だからといって、風俗嬢に無理やり本番行為をしたという行為が犯罪にならないということではありません。
被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行または脅迫を加えた上で性交をした場合、刑法177条が規定する強制性交罪が成立することになりますので、被害にあった風俗嬢の方が、警察に被害を申告すれば、警察が捜査を開始して、刑事事件へと発展する可能性が十分考えられます。

【実際に性交していなくても罪に問われる】

逮捕された男性は「性交はできなかった」と供述しているようです。
仮に性交をしていなくても刑法180条は、強制性交罪未遂を処罰の対象としていますので、性交をするために暴行又は脅迫を加えた時点で、強制性交罪未遂として処罰されることになるでしょう。

強制性交罪未遂については、「その刑を減軽することができる」(刑法43条)と規定されていますが、強制性交罪未遂の法定刑は強制性交罪の既遂の場合と同じで、5年以上の有期懲役(刑法177条)となっています。
罰金刑が定められていないことから、強制性交罪未遂の法定刑は比較的重いものといえるでしょう。

【風俗トラブルが刑事事件に発展することを回避したい方は】

現在抱えている風俗トラブル刑事事件へと発展する前に穏便に解決したいとお考えの方は、弁護士に依頼されることをお勧めします。
刑事事件へと発展する前に風俗トラブルを解決するには、早期に被害にあった風俗嬢の方と示談をすることが非常に重要になります。

もちろん、弁護士を付けずに当事者同士で示談することも不可能ではないのですが、示談の条件や示談の方法によっては、後から締結した示談を蒸し返されるという危険性もあり得ますので、風俗トラブルをしっかりと解決するためには示談交渉の経験が豊富である弁護士示談交渉を依頼されるのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
風俗トラブル刑事事件へ発展することを回避したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】自宅に風俗嬢を呼び強制性交等罪の風俗トラブル

2022-11-09

【事例解説】自宅に風俗嬢を呼び強制性交等罪の風俗トラブル

自宅に風俗嬢を呼んでトラブルになったケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、自宅マンションにデリヘル嬢のVさんを呼びました。
寝室でⅤさんから性的サービスを受けている最中、AさんはVさんの性器に自身の性器を挿入したくなり、Vさんに『挿れてもよいか』尋ねましたが、Vさんには断られました。
それでも、Aさんは諦めきれずに、Vさんからのサービスを受けている最中に、隙を見て自身の性器をVさんの性器に挿入しました。
Aさんが挿入した瞬間、Vさんはサービスを中断して、『今、挿れたでしょ』とAさんに対して性器を挿入されたと主張し、お店のスタッフをその場に呼びました。
Vさんや店のスタッフから、自宅の玄関先で追及を受けていたところ、騒ぎを不審に思ったマンション近隣住民の通報により警察官が駆け付けて、とりあえずAさんらは警察署で話を聞かれることになりました。」
(この事例はフィクションです)

【強制性交等とは?】

刑法177条では、13歳以上の者に対して暴行又は脅迫を用いて「性交等」を行った場合には強制性交等罪が成立するとしています。
性交等」とありますので、男性器を女性器に挿入する性交に加えて、肛門に性器を挿入する肛門性交や、口の中に性器を挿入する口腔性交(オーラルセックス)を暴行又は脅迫を用いて行った場合も、強制性交等罪が成立することになります。

強制性交等罪が成立するためには、性交等を行った事実に加えて、性交等を行うための手段として、暴行又は脅迫を用いる必要があります。
ここでの暴行又は脅迫の程度は、被害者の反抗を著しく困難にする程度であると考えられていますが、単に暴行又は脅迫それ自体がどのような態様・程度のものであったかということだけではなく、被害者の年齢や性別、暴行又は脅迫が加えられた場所や時間などの様々な事情を考慮したうえで、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫があったかが判断されることになります。

そのため、例えば、被害者が動かないように被害者の手を握ってから性器に挿入したという、それ自体は被害者の反抗を著しく困難にする程度のものではない暴行又は脅迫を用いて性交をした場合でも、性交をした場所が自宅の寝室という逃げ場のない空間で、他に助けを求める人がいない状況であったなどの被害者が置かれた具体的な状況を考慮した結果、手を握るという暴行を加えた上の性交をした場合、そのような性交強制性交等罪になる可能性があります。

仮に、強制性交等罪として立件された後、起訴されて有罪となった場合は、5年以上の有期懲役が科される可能性があります(刑法177条)。
強制性交等罪は、法定刑に罰金刑が定められておらず、一番軽くても5年の懲役刑となっていますので、比較的、刑が重い犯罪であるといえます。

【風俗トラブルを穏便に解決したい方は】

風俗トラブルは、被害者の方が風俗で勤務しているという事情も相まってか、被害者の方が事件を警察に届け出ることが少なく、結果として警察が介入せずに当事者間で事件が解決する場合が多いです。
ただ、事例のように一度警察が介入して強制性交等事件として捜査が開始されると、強制性交等罪は刑が重い犯罪ですので、場合によっては、警察に逮捕されて実名で報道されるという可能性も考えられます。

こうした警察による逮捕や、それに伴う実名報道を回避したいとお考えの方は、弁護士に一度ご相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、今後逮捕されるのかといった事件の見通しや、今後の対応などについてアドバイスを貰うことができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風俗トラブルで穏便にトラブルを解決したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【報道解説】性風俗店営業の風営法違反で逮捕

2022-10-29

【報道解説】性風俗店営業の風営法違反事件で逮捕

性風俗店禁止地域営業による風俗営業法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道事例】

営業禁止地域性風俗店を営んだとして、埼玉県警繁華街・歓楽街総合対策推進本部と埼玉県大宮警察署は、令和4年10月12日に、風営法違反禁止地域営業)の疑いで、中国籍で風俗店経営者(41歳女性)と、風俗店従業員(36歳女性)を再逮捕した。
再逮捕容疑は、共謀の上で、店舗型性風俗店の営業が禁止されている、さいたま市大宮区の雑居ビル一室で男性客に対し、6月3日と7月23日に性的マッサージを行った疑い。
県警は今年3月頃に、大宮駅東口の歓楽街で客引きしている経営者らを目撃し、事案を認知し、10月3日に、禁止されている不当な客引きをしたとして、埼玉県迷惑防止条例違反容疑逮捕していた。
(令和4年10月13日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【性風俗店の禁止地域営業による風営法違反とは】

性風俗店が規制を受ける際に、「性風俗店の営業が禁止されている地域での営業」を行ったとして、捜査機関の取締りの対象となるケースが多く見られます。
風俗営業法では、性風俗店は「官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設の周囲200メートルの区域内」での営業が禁止されており、また、都道府県の制定する条例により、性風俗店営業禁止地域を定めることができるとされています。

風俗営業法 28条
1項「店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(略)、学校(略)、図書館(略)若しくは児童福祉施設(略)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。」
2項「前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。」

性風俗店の禁止地域営業をした場合の、風俗営業法違反の刑事処罰の法定刑は、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」とされています。

【客引きによる埼玉県迷惑防止条例違反とは】

各都道府県の制定する迷惑防止条例では、客の性的好奇心をそそるような不当な客引きを禁止しています。
不当な客引きによる埼玉県迷惑防止条例違反の刑事処罰の法定刑は、「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされています。

埼玉県迷惑行為防止条例 7条
1項「何人も、公共の場所において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。」
1号「次に掲げる行為について、客引き(略)をすること。」
イ「人の性的好奇心をそそる見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供」
ロ「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる行為又はこれを仮装したものの提供」
ハ「人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる営業に関する情報の提供」

まずは、風俗営業法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する「弁護士初回接見サービス」のご依頼も承っております。

さいたま市大宮区風俗営業法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】売春防止法違反で風俗店経営者ら逮捕

2022-09-26

【報道解説】売春防止法違反で風俗店経営者ら逮捕

売春防止法違反の疑いで派遣型風俗店経営者らが逮捕された場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「東京・台東区の派遣型風俗店で従業員の女性に売春をさせたとして、3店舗の経営者ら9人が逮捕されました。
合わせて17億円以上を売り上げていました。
派遣型風俗店経営者で韓国籍のA容疑者(58)と他2店舗の経営者、従業員の男女ら9人は台東区のホテルに従業員の女性を派遣し、売春をさせた疑いが持たれています。
警視庁によりますと、3店舗は無店舗型風俗店として届け出を出していましたが、従業員に売春行為をさせ、これまでに3店舗、合わせて17億円以上を売り上げていました。
A容疑者ら8人は容疑を認め、1人は容疑を一部否認しています。
手口が同じことから、3店舗は同一のグループとみられています。」

(9月14日にテレ朝NEWSで配信された報道より一部匿名にして引用)

【売春防止法の処罰対象】

売春防止法2条では、「売春」を「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義して、売春防止法3条において、「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない」と規定して売春行為を禁止しています。
もっとも、売春防止法においては、売春行為をした女性や売春行為の相手となった男性に対する罰則規定は定められておらず、売春を助長するような行為を処罰の対象としています。

売春防止法が、どのような売春助長行為に罰則を科しているのか一部取り上げてみますと、例えば、売春防止法5条1項1号では、公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘した場合は、6か月以下の懲役又は1万円以下の罰金を科すとしています。

また、売春防止法6条1項では、売春を斡旋(あっせん)するした者に2年以下の懲役又は5万円以下の罰金を科すと定めています。
さらに、売春防止法11条1項では、売春に使われることを知って売春を行う場所を提供した者には3年以下の懲役又は10万円以下の罰金を科すと定めていますし、同条2項では、そのような場所の提供を業として行った者には7年以下の懲役及び30万円以下の罰金を科すと規定しています。

取り上げた報道では、逮捕された派遣型風俗店の経営者らがどのような行為をしたとして売春防止法に違反した疑いがあるかが必ずしも明らかではありませんが、売春の相手方となるように客を公衆の目でふれるような方法で勧誘したのであれば売春防止法5条1項1号に違反することになりますし、客がいるホテルに女性を派遣して売春させたということであれば、売春行為を斡旋したとして売春防止法6条1項に違反した可能性があります。

【売春防止法違反で刑事事件化したら】

今回取り上げた報道では、派遣型風俗店の経営者のみならず従業員も売春防止法違反の疑いで逮捕されています。

逮捕された従業員の方がどのような認識で日々の業務に当たっていたかは明らかではありませんが、一般論として、従業員は経営者の指示を受けて日々の業務をこなすことになるでしょうから、従業員としては、経営者から指示された業務が売春防止法に違反する行為であると知らずに日々の業務に当たっていたという可能性が想定されます。
そのような場合に、「売春防止法に違反するとは知らなかった」と警察に正直に話しても、信じてもらえずに「本当は知っていたんだろう」と警察に決めつけられて事実とは異なる供述調書が作成されるおそれがあります。

いったん正式に作成された調書については、その後に内容を訂正してもらうことは大変難しいですので、自分の言い分がきっちり反映された調書を作成してもらうためには、警察の取り調べ前に弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、取り調べにはどのようなことを話せば良いのか、自分の言い分と異なる調書が作成されないようにするためにはどうすれば良いのかといったことについて具体的なアドバイスを得ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族の中に、売春防止法違反の疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】医師がデリヘル従業員のマイナンバーカードを盗んで逮捕

2022-09-15

【報道解説】医師がデリヘル従業員のマイナンバーカードを盗んで逮捕

風俗店従業員の金品や所持品などを盗んで窃盗の疑いで逮捕された刑事事件を紹介し、その刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

性風俗店の従業員からマイナンバーカードなどを盗んだとして、兵庫県警姫路署は28日、窃盗の疑いで、姫路市の医師の男(52)を逮捕した。
逮捕容疑は27日午後9時40分ごろから11時ごろまでの間、同市内のホテルで、デリバリーヘルス(派遣型性風俗店)のアルバイト女性(29)から、マイナンバーカードと健康保険証を盗んだ疑い。
調べに対し『盗んでいません。触っていません』などと容疑を否認している。
同署によると、28日朝、女性の夫から『妻がマイナンバーカードを盗まれた』と110番があり発覚。
男を警察官が発見し調べたところ、男がカードを所持していたという。」

(令和4年8月28日に神戸新聞NEXTより配信された報道より引用)

【他人の身分証を盗むと窃盗罪に問われ得る】

刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」と規定しています。

ここでいう「財物」に当たるというためには、財布や金銭そのものといった財産的な価値を有する物でなければならないと考えられています。

そうすると、今回逮捕された医師が盗んだとされる免許証やマイナンバーカードは、それ自体に財産的な価値があるのかと疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、免許証やマイナンバーカードといった身分証の類はそれが盗まれてしまうと何らかの形で悪用されるおそれがありますので、そのような他人の手に渡った際に悪用の恐れのある物も消極的価値があるとして、「財物」に当たると考えられています。

実際に、東京地方裁判所昭和39年7月31日判決は、失効した免許証について「財物」に当たると判断しています。

【窃盗事件の場合はどのような目的で盗んだのかが重要に】

窃盗罪に問われるかどうかの判断に当たっては、犯人がどのような目的で被害品を盗んだのかということが非常に重要になります。
というのも、刑法235条には明記されていませんが、窃盗罪が成立するためには、犯人に不法領得の意思があることが必要になり、不法領得の意思が認められない場合には窃盗罪が成立しないことになるからです。

不法領得の意思とは、「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用・処分する意思」のことをいいますが、このうち、前半の「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物」として振る舞う意思のことを権利者排除意思、後半の「経済的用法に従い利用・処分する意思」のことを利用処分意思といい、この2つの意思が認められると不法領得の意思があると判断されることになります。

権利者排除意思は、他人の自転車をほんのわずか使用したような軽微な一時使用を窃盗罪として処罰しないようにする機能があり、利用処分意思は、窃盗罪器物損壊罪などの毀棄隠匿罪とを区別するための指標になり、裁判実務上、利用処分意思については広く解釈されていて、盗んだ財物から何らかの効用を享受する意思があればよいと考えられています。

今回のようなケースでは利用処分意思が問題になる可能性が考えられます。

そうすると、どのような目的で盗んだ場合に利用処分意思が認められるかということですが、例えば、運転免許証やマイナンバーカードを悪用して偽造するといった目的の場合や、運転免許証やマイナンバーカードからその人の氏名や住所を知るために盗んだという場合は利用処分意思が認められる結果、不法領得の意思が認められることになるでしょう。

そして、このようにして窃盗罪が成立した場合、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なお、運転免許証やマイナンバーカードを純粋に嫌がらせ目的で持ち去ったという場合には、利用処分意思が認められない結果、不法領得の意思がないと判断されて、窃盗罪ではなく器物損壊罪(刑法261条)が成立する可能性があります。
器物損壊罪は親告罪で、その法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。

【窃盗事件で捜査を受けてお困りの方は】

刑事裁判においては、窃盗事件が起きた日時・場所に近いところで被害品を所持していた人は窃盗犯人であると推定されるという考え方があります。
報道では、被害女性の夫が警察に通報したのが28日の朝で、被害女性が逮捕された医師とホテルでサービスを提供していた時間が27日の午後9時40分ごろから11時頃まであるということが読み取れますが、このような状況で逮捕された医師が被害女性のマイナンバーカード等を所持していたとのことですので、逮捕された医師が窃盗犯人であると一定程度推定されてしまうことになるしょう。

もっとも、被害女性のマイナンバーカード等が何らかの理由で偶然、逮捕された医師のカバンや着衣のポケットに紛れ込んでしまったなどの可能性もありますので、この推定は絶対のものではありません。
実際に、逮捕された医師は容疑を否認しているようですので、やってもいない罪を着せられることを避けるためには弁護士に相談されることをお勧めします。

警察に逮捕された後の取り調べでは、最初から犯人であると決めつけられたり、やってもいないこうをやったかのような誘導をなされる場合があり、こうした困難に耐え切れずにやってもいない罪を自白してしまうおそれがあります。
このような取り調べ対応については、いち早く弁護士からアドバイスを受けることが重要になると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
利用したデリバリーヘルスの従業員から窃盗の疑いをかけられ警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】公然わいせつで風俗店経営者が逮捕

2022-08-02

【報道解説】公然わいせつで風俗店経営者が逮捕

性的行為を他人が見られる状況で公然と行った風俗店に対する刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「東京・蒲田にある風俗店が警視庁に摘発され、経営者の男ら4人が公然わいせつの疑いで逮捕されました。
警視庁によりますと、大田区蒲田の風俗店Xの経営者、A容疑者ら2人は17日、他の客が見られる状態で50代の女性従業員と男性客にわいせつな行為をさせた疑いがもたれています。
女性従業員と男性客も逮捕されましたが、その後、釈放されています。
店は、性的サービスをしたとして去年4月に営業停止処分を受けていましたが、その後も営業を続け、この2年間で約2000万円を売り上げたとみられています。
調べに対し、2人は容疑を認めているということです。」

(令和4年7月19日に日テレNEWSで配信された報道より一部匿名表記にして引用)

【公然わいせつ罪とは】

不特定または多数の人が認識することができるような状態で、性行為や性交に類似した行為といったわいせつな行為を行ってしまうと、刑法176条の公然わいせつ罪が成立する可能性があります。
この不特定または多数の人が認識することができるような状態というのは、路上や公共の場所以外にも、室内であっても、これに当たる場合があります。
今回、女性従業員と男性客のわいせつな行為は、風俗店の店内という室内で行われたとのことですが、風俗店を利用する別の客などが、このわいせつな行為を認識できるような状況であれば、不特定または多数の人が認識できるような状態であるといえるでしょう。

公然わいせつ罪の法定刑は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金、又は拘留若しくは科料となっています。

【実際にわいせつな行為をしていなくても罪に問われる場合がある】

今回、風俗店の経営者であるAさんも公然わいせつの疑いで逮捕されています。
Aさんが実際に公然わいせつに当たる行為をしたかについては報道では明らかではありませんが、風俗店の経営者として、他の客から見えるような場所でわいせつな行為ができるような風俗店をつくり、女性従業員を雇ってそのような行為をさせていたということであれば、公然わいせつ罪共同正犯(刑法60条、176条)として公然わいせつ罪をした人と一緒に罪に問われることになるでしょう。

なお、このような風俗店の経営者ではなく、単なるスタッフとして働いていた場合であっても、公然わいせつを行いやすくするような仕事をしていた場合には、公然わいせつ罪の幇助犯(刑法62条1項、176条)に問われる可能性があります。

【他の客のわいせつな行為がみえる風俗店を利用してしまった場合は】

他の客と風俗店の従業員とのわいせつな行為がみえるような風俗店を利用して、従業員とわいせつな行為をしてしまったという場合は、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。
今回取り上げた報道でも、実際にわいせつな行為をしていた男性客も、公然わいせつ罪の疑いで逮捕されています。
なお、報道では、男性客は逮捕後にすぐ釈放されたということですが、釈放されたからといって無罪放免という訳ではありませんので、今後は、在宅での捜査が続くことが予想されます。
そのため、他の客と風俗店の従業員とのわいせつな行為がみえるような風俗店を利用してしまい、警察の捜査の対象になるかもしれないとご不安な方は、一度弁護士に相談して、今後の対応などについて、弁護士から専門的なアドバイスを貰うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
風俗店経営者公然わいせつの疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】執拗に風俗店の客引きをして風営法違反等の疑いで逮捕

2022-07-11

【報道解説】執拗に風俗店の客引きをして風営法違反等の疑いで逮捕

執拗に風俗店の客引きをしたことにより、風営法違反迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店などへの客引き行為を行ったとして、埼玉県警国際捜査課、組織犯罪対策課、保安課、大宮署は13日、風営法違反埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで、中国籍の女5人を逮捕した。
逮捕容疑は、いずれもさいたま市大宮区内の路上で警戒中の捜査員に対して、風俗店に勧誘する目的で客引き行為をしたり、腕をつかむなどの執拗(しつよう)な方法で客引きをした疑い。
国際捜査課によると、逮捕されたのは、いずれも同市大宮区仲町1丁目のX1とX2の従業員ら。
両店舗を含むJR大宮駅周辺の歓楽街の複数店舗で料金トラブルの相談や110番があり、その捜査過程で今回の逮捕につながったという。

(令和4年6月14日に埼玉新聞より配信された報道より一部匿名表記にして引用)

【風適法違反になる客引き行為とは?】

報道に記載されている「風営法」とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と言います。

風営法22条1項1号では風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをしてはならないとしており、同項2号では、風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをするめ、道路などの公共の場所で、人の身辺に立ちふさがったり、つきまとうことをしてはならないと規定しています。

この、客引き行為や、客引きのために道路などで人の身辺に立ちふさがったり、つきまとう行為が禁止される「風俗営業」とは、風営法2条1項各号に掲げる業種のうち、いずれかに該当する業種のことを言います。

①キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(風営法2条1項1号)
②喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)(同項2号)
③喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの(同項3号)
④まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業(同項4号)
⑤スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)(同項5号)

報道では、どのような業種に関する客引き行為が行われたのかが定かではありませんが、
上記いずれかの業種に関する客引き行為が行われた疑いで逮捕されたのだと考えられます。

そして、風営法22条1項1号、同項2号に違反すると、6ヶ月以下の懲役刑か、100万円以下の罰金刑、又はこの懲役刑と罰金刑が併科されることになります(風営法52条1号)。

【迷惑行為防止条例違反になる客引き行為とは】

埼玉県迷惑行為防止条例7条1項1号では、公共の場所における客引き行為を禁止しています。

客引き行為が禁止されるものとしては、
①人の性的好奇心をそそる見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供(同条例7条1項1号イ)
②歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる行為又はこれを仮装したものの提供(同号ロ)
③人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる営業に関する情報の提供(同号ハ)
④売春類似行為(同条例7条1項3号)
といったものがあります。

このような規制に加えて、埼玉県迷惑行為防止条例では、客引きの業種を問わずに、「人の身体、衣服若しくは所持品をとらえ、立ちふさがり、つきまとう等執ような方法」で行う客引きについても禁止しています(同条例7条1項6号)。

報道では、腕をつかむなどの執ような方法で客引きをした疑いがあるとのことですので、この埼玉県迷惑行為防止条例7条1項6号に当たるとして逮捕された可能性があります。

なお、こうした埼玉県迷惑行為防止条例7条1項の規定に違反して客引きをした場合の法定刑は、50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています(同条例13条2項3号)。

【客引きをした疑いで逮捕された方が身近にいる方は】

身近な方が、客引きをしたことにより警察に逮捕されてしまい、どうすればよいのか分からず不安に思っていらっしゃる方は、弁護士に初回接見に向かってもらうように依頼されることをお勧めします。
この初回接見によって、弁護士逮捕されたご本人から直接事件についてお話を伺うことで、事件の見通しや今後どのような流れで捜査が進んでいくのかということについて知ることができるでしょう。
また、今回取り上げた報道のように逮捕された方が外国籍の方であって、仮に日本語に不慣れな方であるという場合には、必要に応じて初回接見の段階から通訳人を付けて接見を行うことも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
身近に風俗店客引きをした疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】風俗嬢を盗撮して懲戒処分

2022-06-30

【報道解説】風俗嬢を盗撮して懲戒処分

風俗店で働く女性とのわいせつな行為盗撮したことにより、職場より停職3か月の懲戒処分を受けた刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)は25日、女性とのわいせつな行為盗撮したとして、同基地第3補給処の40代の1等空曹男性を同日付で停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。
同基地によると、男性1曹は昨年8月11日正午ごろ、東京都豊島区の宿泊施設で、自分の携帯電話のカメラをベッドの棚付近に置き、風俗店員女性とのわいせつな行為盗撮したという。
同日、警視庁池袋署から男性1曹の上司に身元確認の連絡があり、同基地で調査したところ、盗撮を認めたという。
男性1曹は『自分で観賞する目的だった』と話しているという。
(令和4年5月26日に埼玉新聞より配信された報道より引用)

【宿泊施設での盗撮行為はやってはいけないのか?】

盗撮行為は、各自治体が定める条例(「迷惑行為防止条例」という名前である事が多いです)によって禁止されています。
各自治体が定める迷惑行為防止条例が、どのような場所における盗撮行為を禁止しているかによって、盗撮行為が処罰の対象になるのかどうかが異なってきます。

東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロでは、「不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所」における、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体」の盗撮行為を禁止しています。
報道では、宿泊施設における盗撮行為が問題となっていますが、宿泊施設は不特定又は多数の者が利用又は出入りする場所に当たると考えられます。
そして、そのような宿泊施設において、風俗店員女性とのわいせつな行為の様子を盗撮することは、通常衣服で隠されている人の身体を盗撮することになります。
従って、東京都豊島区にある宿泊施設において風俗店の女性とのわいせつな行為の様子を盗撮する行為は、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反する行為になり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(同条例8条2項1号)。

【風俗トラブルの早期解決を目指すためには】

報道でとり上げられている特別職の国家公務員である自衛隊員や、一般職の国家公務員、地方公務員の職にある方が、盗撮事件を起こし、それが勤務先に発覚した場合、懲戒処分の対象になる可能性が高いです。
そのため、風俗店で働く女性を盗撮してしまい、女性や店とトラブルになってしまった方で、刑事処分に加えて懲戒処分についても回避したいとお考えの方は、いち早く弁護士に相談して、盗撮での風俗トラブルについて刑事事件化を阻止することが重要になります。
警察に盗撮について通報されたり、被害届を出されたりする前に、弁護士を通して、被害者の方と示談を締結することが出来れば、警察や職場に知られることなく、盗撮での風俗トラブルを解決する可能性が高まることになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務には、盗撮での風俗トラブルについて、刑事事件となる前に被害者の方と示談を締結したことで、風俗トラブル刑事事件になることを回避した経験のある弁護士が在籍しております。
盗撮での風俗トラブルでお困りの方、職場に風俗トラブルが発覚するのを避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務まで一度ご相談ください。

【報道解説】職業安定法違反の疑いで逮捕されたケース

2022-06-19

【報道解説】風俗店の紹介で職業安定法違反で逮捕

女性に対して風俗店で働くことを紹介したとして、職業安定法違反の疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店で働くようSNS上でスカウトしたとして、警視庁は、不動産仲介会社役員の男(37)を職業安定法違反有害業務の紹介)の疑いで逮捕し、17日発表した。
25個のツイッターアカウントを使いこなし、昨年だけで50人の女性を風俗店につないでいたという。
容疑を認め、『ツイッターなら警察に捕まらないと思った』と供述しているという。
生活安全特別捜査隊によると、男は2020年10月、ツイッターで勧誘した20代女性に東京都台東区の吉原地区にあるソープランドを紹介して働かせた疑いがある。
男はツイッターで、『今よりもっと稼ぎたい』『スカウトに話を聞いて欲しい』『お金持ちのパパと知り合いたい』などの項目を挙げ、『当てはまった方はご連絡ください』と呼びかけて女性を募っていた。
男は約15年前からスカウト業をしており、以前は新宿・歌舞伎町などの路上でスカウト行為をしていたが、警察に摘発されるリスクが高いと考え、約5年前からツイッターを使うようになったという。
紹介した女性の売り上げに応じて風俗店から報酬を受け取り、正業の不動産仲介会社の収入とは別に月60万円程度を得ていたとみられるという。
同隊幹部は『近年、路上スカウトの摘発逃れの目的で、ネット上での勧誘が目に付く。積極的に取り締まっていく』と話している。」
(5月17日朝日新聞DIGITALで配信された報道より引用)

【職業安定法違反とは】

報道では、SNSで勧誘した女性に風俗店(ソープランド)を紹介したことにより、職業安定法違反の疑いで逮捕されたとあります。
ここで適用されている職業安定法とは、職業の紹介、労働者の募集、労働者の供給に関するルールを定めている法律です。

この職業安定法の中には、違反すると刑事罰が科されることになる規定があります。
そのひとつが、今回、報道において男性が逮捕される理由となった有害業務の紹介を禁止する職業安定法63条2号です。

職業安定法63条2号では、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行った者又はこれらに従事した者に、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金を科すとしています。

少し複雑ですので整理しますと、職業安定法63条2号の処罰の対象になるのは、
①ー1公衆衛生上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行った者かこれに従事した者
①ー2公衆衛生上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行った者かこれに従事した者
①ー3公衆衛生上有害な業務に就かせる目的で労働者の供給を行った者かこれに従事した者
②ー1公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行った者かこれに従事した者
②ー2公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行った者かこれに従事した者
②ー3公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の供給を行った者かこれに従事した者
となります。

性風俗店などの性的なサービスを提供する職業を紹介した場合には、上記②ー1の「公衆道徳上有害な業務」に就かせる目的で「職業紹介」を行った者として、職業安定法63条2号違反となる可能性が高いです。
ここで、「公衆道徳上有害な業務」とは、「社会共同生活において守らなければならない道徳に著しく反し、社会の善良な風俗を害するおそれのある業務」のことを意味します。

「公衆道徳上有害な業務」に当たるかの判断については具体的な事案に応じて判断されることになりますが、金銭を受け取って性行為を提供する売春行為は「公衆道徳上有害な業務」にあたる典型的なものと考えられています。
そのため、金銭を支払って、いわゆる本番行為の提供を行うソープランドでの業務は売春行為に準じるものとして「公衆道徳上有害な業務」に当たることになるでしょう。

職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることを言います(職業安定法4条1項)。

今回逮捕された男性が具体的にどのような紹介を行ったかについては報道から明らかではありませんが、男性は、ソープランドから求人の申し込みを受けるとともに、SNS上で応募してきた女性から求職の申し込みを受け、この両者の間を取りもつことで、ソープランドと女性との間に雇用関係を成立を円滑にさせたことを理由に、「職業紹介」を行った者と判断されたのでしょう。

【ご家族の中に職業安定法違反の疑いで逮捕された方がいる場合は】

ご家族の中で有害な業務を紹介したことを理由に職業安定法違反の疑いで逮捕された方がいる場合は、いちはやく弁護士に相談して、弁護士に初回接見に向かってもらうことをお勧めします。
初回接見とは、弁護士逮捕されている方が留置されている警察署などを訪れて、逮捕されている方と面会する、その1回目の面会のことをいいます。

原則として逮捕後72時間は、ご家族の方であっても面会することはできませんが、弁護士であれば、逮捕後72時間以内であっても、逮捕された方と立会人なしに自由に面会することができます。
この初回接見により、事件の見通しや手続きの流れについて知ることができるというメリットや、今後の取調べに対するアドバイスを受けることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、職業安定法違反に関する刑事弁護活動の経験がある弁護士が在籍しております。
ご家族の中で、有害な業務を紹介した職業安定法違反の疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談下さい。

【報道解説】児童福祉法違反で逮捕

2022-06-08

【報道解説】児童福祉法違反で逮捕

女子中学生を風俗店で働かせたことにより児童福祉法違反逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「採用面接の際に年齢確認をせずに女子中学生を風俗店で働かせたとして、東京都内を中心に営業する無店舗型デリヘル店「ラストJK」の経営者の男(44)と従業員の男(29)を、児童福祉法違反淫行させる行為など)の疑いで逮捕し、31日発表した。
2人とも『自分が面接をしたかは覚えていない』と話しているという。
2人は昨年12月17日、当時中学3年生の女子生徒(15)=東京都=が18歳未満なのに年齢を確認せずにホテルに派遣し、40代の会社員男性とわいせつな行為をさせた疑いがある。
女子生徒は8カ月前の採用面接時に19歳と自称していたが、男らはそれを厳格に確認せず、週3回のペースで働かせ続けていたという。
(5月31日に朝日新聞DIGITALより配信されたニュースより引用)

【淫行させる行為とは】

報道で取り上げられている「淫行させる行為」とは、児童福祉法34条1項6号に規定されている行為です。
児童福祉法34条1項6号では、18歳に満たない児童淫行をさせる行為を禁止しています。
淫行をさせる行為」のうち、「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為のことを意味します。
児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為については、「淫行」に含まれます。
そして、「淫行をさせる行為」のうち、「させる行為」とは、直接・間接的に児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童淫行を行うことを助長し促進する行為を意味します。

デリヘルで女性を性的なサービスを提供させる目的で働かせるにあたっては、業務委託契約等の契約を結んでいることが多いです。
そして、そのような契約に基づいて児童にデリヘルで働かせるという行為は、児童を性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準じるような性交類似行為児童が行うことを促進、助長させる行為に当たると考えられますから、「淫行をさせる行為」に当たることになるでしょう。

【児童に淫行をさせる行為させるとどのような刑罰が科されるのか】

児童福祉法34条1項6号に違反して、児童淫行をさせる行為をしてしまうと、児童福祉法60条1項によって、10年以下の懲役刑、若しくは300万円以下の罰金刑、又はこの懲役刑と罰金刑が併わせて科されることになります。

【18歳未満であることを知らなかった場合はどうなるのか】

児童福祉法60条4項では、児童を使用する者は、児童の年齢を知らないという理由では、同法60条1項の処罰を免れることができないとしています。
ただし、児童の年齢を知らないことについて過失がない場合は、処罰を免れることができます。

デリヘルでこれから人を働かせようとする場合は、当然年齢確認を行うことが求められます。
そのため、年齢確認を行わなかった場合や、年齢確認をいいかげんに行った場合によって、18歳未満であると知らなかった場合は、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がないとはいえないと判断されることになるでしょうから、この場合、仮にデリヘルで働かせた人が18歳未満であることについて知らなかったとしても、児童福祉法60条1項による処罰の対象になる可能性が高いと言えます。

【児童福祉法違反の疑いで逮捕されたら】

児童福祉法34条1項6号違反に科される刑罰は、児童福祉法の中で最も重いものとなっています。
そのため、「児童に淫行をさせる行為」をしたとして、警察に逮捕された場合、いち早く弁護士に依頼して初回接見にいってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって、取調べのアドバイスを受けることができますし、また、事件の見通しや今後の手続きの流れを知ることもできるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族の中で、児童福祉法違反の疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務まで一度ご相談下さい。

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