キャバクラ店でのお触りで取調べ
キャバクラでお触りをして警察を呼ばれた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
東京都新宿区内にあるキャバクラ店を利用したAさん。
泥酔してしまい、キャストの女性の胸やお尻を触りはじめました。
キャストや男性店員からやめるよう言われても、
「文句あるのか」
などと叫び、従おうとしないAさん。
手に負えなくなった店側は、警察に通報しました。
警視庁新宿警察署の警察官が店に到着し、Aさんを警察に連れて行きました。
警察から事情を聴かれている最中に、ようやく酔いが覚めてきたAさん。
今後どうなってしまうのでしょうか。
(事実をもとにしたフィクションです)
~強制わいせつ罪に問われうる~
キャバクラ店で女性の体を触ってしまったAさん。
お触りが許されている店を除き、無理やりこのような行為をしてしまうと、強制わいせつ罪に問われてしまう可能性があります。
刑法の条文を見てみましょう。
刑法176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
ちょっとお触りをしたつもりであっても、6か月以上10年以下の懲役という重い刑罰が定められた犯罪が成立してしまう可能性があるわけです。
なお、条文には「暴行又は脅迫を用いて」とありますが、殴る蹴るといったあからさまな暴行をしなくても、嫌がる女性の手を払いのけて触るといった程度の行為をしていれば、「暴行」があったものとして強制わいせつ罪が成立する可能性は十分あるでしょう。
~現行犯逮捕後の手続き~
警察署に連れていかれたAさん。
可能性としては、現行犯逮捕されているパターンと、任意の形で警察署に連れていかれたパターンが考えられます。
もし現行犯逮捕されていたのであれば、翌日あるいは翌々日くらいまで留置場に入れられ、警察官や検察官の取調べを受けた後、勾留請求というものを検察官が行い、裁判官が許可すれば、さらに10日間、身柄拘束が続くことになります。
この勾留期間はさらに最大10日間、延長される可能性もあります。
その後、事件の重さなどに応じて、勾留期間が満了した時点で釈放されるパターンとされないパターンがあります。
検察官が、今回は大目に見るという判断(不起訴処分)をして釈放された場合は、裁判を受けず、前科も付かずに手続きが終わります。
条文には重い刑罰が定められていますが、事件によってはこういう展開もありうるわけです。
一方、釈放されない場合や、釈放はされたけども刑事裁判は自宅から出向いて受けてもらうという判断(在宅起訴)がなされた場合には、裁判を受けることになります。
なお、酔ってしてしまった比較的軽い事件であり、本人も反省している、逃亡や証拠隠滅のおそれもないと判断されれば、検察官が勾留請求せず、あるいは裁判官が勾留を許可せずに釈放されることもよくあります。ただ、無罪放免というわけではなく、自宅から警察署や検察庁に出向いて追加の取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受けるという流れになります。
もちろん、追加の取調べの結果、不起訴処分となって、裁判を受けず前科も付かずに手続き終了となることもあります。
~任意取調べの場合の手続き~
一方、最初から警察官が軽い事件だと判断し、現行犯逮捕ではなく、あくまで任意で警察署に連れていかれた場合、本当に軽い事件だと判断され、注意だけされて終わるパターンも考えられます(微罪処分)
しかし、現行犯逮捕の場合の勾留されずに釈放されたパターンと同じく、自宅から取調べや裁判に出向いて、取調べや裁判を受けるパターンもありえます。
~軽い結果に向けて必要な対応~
不起訴処分などの軽い結果を目指すためには、犯行自体の軽さの他、事件後の真摯な対応も重要となってきます。
取調べにおいてしっかりと反省態度を示し、被害者の方に謝罪・賠償して示談を締結するといった対応が求められます。
しかし、具体的に取調べでは何と言ったらよいのか、被害者の方には何と言って示談をお願いしたらよいのか、示談金の額はどうしたらよいのか、示談書の内容はどうしたらよいのか、お店側から高額な金銭を要求されないかなど、不安な点が多いと思います。
事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。