東京都昭島市のピンクチラシ配布事件

東京都昭島市のピンクチラシ配布事件

東京都昭島市で個室ビデオ店を営んでいるAさんは定期的に自身の店舗の広告チラシ(いわゆるピンクチラシピンクビラ)を近所の集合住宅およびマンションの郵便受けに投函した。
住人が苦情を申し入れたことで,警視庁昭島警察署はAさんをいわゆるピンクチラシを配布した容疑で逮捕した。
(フィクションです)

今回のAさんは,いわゆるピンクチラシピンクビラと呼ばれるチラシを配布したことで逮捕されてしまったようです。
では,Aさんの行為は具体的にどういった犯罪になりうるのでしょうか。

~個室ビデオ店~

個室ビデオ店とは客がアダルトビデオを借り個室で観賞するためのお店をいいます。
ビデオボックス,ビデオ試写室ともいわれ,事件や火災などが発生した際の報道等では「DVD鑑賞店」や「DVD試写室」等と表現される場合もあります。
個室ビデオ店の営業は,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)2条6項5号の店舗型性風俗特殊営業にあたります。
店舗型性風俗特殊営業は風営法28条5項2号によって人の住居にビラ等を配ることが禁止されています。
違反した場合100万円以下の罰金刑が定められています(風営法53条2項)。

~ピンクチラシ~

ピンクチラシとは一般に,風俗店やアダルトビデオの通信販売などの性風俗産業に関するチラシのことをいいます。
Aの配布したチラシは個室ビデオ店のチラシですのでいわゆるピンクチラシにあたります。
しかし風営法にはピンクチラシの定義はなく,また,禁止しているのはピンクチラシの配布ではなくビラ配り全般を禁止しています。

一方,各都道府県の迷惑行為防止条例には「性的好奇心をそそる衣服を脱いだ人の姿態の写真や人の性的好奇心に応じて人に接する役務の提供を表す文言がある絵や電話番号その他の連絡先を掲載したビラ、パンフレットその他の物品」などと定義して配布などを規制している場合もあります。
迷惑行為防止条例の場合各都道府県によって罰則が異なりますが,風営法と同等か拘留が規定されているものが多いようです。

しかし,風営法と異なり,迷惑行為防止条例の場合には常習の場合に刑罰が加重される規定が設けられていることが多いようです。
たとえば,東京都迷惑行為防止条例の場合に,常習であれば6ヵ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金と規定されています
Aさんは定期的にチラシを配布していますので常習的とみなされ,常習犯規定が適用される可能性が高くなります。

また,ピンクチラシを配布するために,集合住宅やマンションに侵入する行為は建造物(住居)侵入罪(刑法130条)に問われる可能性もあります。
建造物侵入罪の場合は3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

~実刑回避~

風営法は刑事罰が規定されていますが行政法規としての性格が強い法律です。
そのため,違反の内容によっては即座に刑事罰をかけようとするのではなく行政指導という形で営業者に是正求める場合もあります。
しかし,行政指導や勧告を無視し,違反行為を続けた場合には摘発し,事件化されることになります。
その為,行為態様が悪質であると判断され,起訴されてしまう可能性は高くなってしまいます。

今回のAさんは住居に広告チラシを配布していますので風営法53条2項および迷惑行為防止条例違反となります。
定期的な配布行為が常習的であると判断されれば迷惑行為防止条例の規定により懲役刑となる可能性もあります。
建造物侵入罪に問われてしまった場合,3年以下の懲役となってしまいます。

風営法の罰則規定は規制の実現を担保するための規定だと考えられます。
その為,今回のケースでいえば,起訴されてしまっても今後チラシ配布をしないなどの具体的な内容を織り込んだ反省文などを検察官に提出することによって罰金刑で済む可能性もあります。
風営法違反においては摘発後,どのような行動をとるかが最終的な処分に大きく影響するケースも少なくありません。
実刑判決を回避し罰金刑で済ませるためには経験豊富な弁護士に相談するのがベストな選択です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は風俗,交通,少年事件といった刑事事件専門の法律事務所です。
風俗トラブルの事件経験豊富な弁護士も多数在籍しております。
風営法違反となってしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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