京都のデリヘルで強制わいせつ
京都府京丹後市に住むAさんは自宅にデリヘルを呼び、性的なサービスを受けました。
その中で、Aさんはデリヘル嬢にサービス内容にはない行為を迫りました。
デリヘル嬢が強く抵抗したため、Aさんの思う通りにはなりませんでしたが、デリヘル嬢が店長にAさんの行動を報告し、店長はAさんに示談金を支払わないと京都府京丹後警察署に訴え出ると伝えました。
逮捕、起訴され、前科が付くことを恐れたAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
【強制性交等罪と強制わいせつ罪】
強制性交等罪は暴行または脅迫などの手段を用いて無理矢理性交などの行為をすることに対して適用される刑罰です。
法定刑は5年以上の有期懲役です。
強制性交等罪における性交等とは性交、肛門性交、口腔性交を意味します。
強制わいせつ罪は暴行または脅迫などの手段を用いて無理矢理わいせつな行為を行うことに対して適用される刑罰です。
法定刑は6月以上10年以下の懲役です。
いずれも暴行または脅迫を手段として用いることが共通しており、その結果、性交等がなされたのか、わいせつ行為がなされたのかで適用される刑罰が変わってくることになります。
また、両罪とも未遂罪が処罰されることになっています。
近年、強姦罪が強制性交等罪に改正され、適用範囲が肛門性交や口腔性交にも拡大されたことで風俗トラブルにおいても強制性交等罪が問題となることが十分考えられます。
強制性交等罪と強制わいせつ罪における暴行または脅迫は被害者の反抗を著しく困難にする程度のものとされています。
風俗サービスにおいては加害者と被害者しかその場にいないことがほとんどであり、客観的に状況を判断することも困難です。
特に暴行と脅迫の基準は被害者の主観が入る余地もあり、被疑者が嫌疑を晴らすことは簡単ではありません。
今回のようなケースの場合、①Aさんの行為の迫り方が暴行または脅迫に当たるか、②Aさんが迫った行為は性交等か強制わいせつ行為かが問題となります。
Aさんの行為の迫り方が力づくでするなど有形力を行使していたり、脅迫文言を出して脅していたりしてデリヘル嬢の抵抗を著しく困難にしていた場合、実行の着手が肯定され、Aさんに未遂罪が成立する可能性が出てきます。
そのうえで、Aさんが何をする意思で迫ったのかや、具体的にAさんが迫った行為によって、強制性交等罪の未遂罪なのか、強制わいせつ罪の未遂罪なのかが判断されることになります。
【強要罪】
強要罪は暴行または脅迫などの手段を用いて人に義務のないことを無理矢理行わせることに対して適用される刑罰です。
法定刑は3年以下の懲役です。
風俗トラブルにおいては強制した行為が性交等やわいせつ行為に当たらなくても強要罪が成立する余地は依然として残っています。
強要罪は強制性交等罪や強制わいせつ罪同様未遂であっても処罰される点に注意が必要です。
【前科をつけないようにするには】
前科とは過去に刑罰を言い渡された経歴のことを言います。
ここにおける刑罰は実際に刑務所に服役する実刑判決だけではありません。
起訴され公判で有罪判決を受けたうえで刑の執行を猶予されている執行猶予判決も刑罰を言い渡されており、前科が付くことになります。
また、略式手続きが行われた場合も略式命令で罰金刑が下されており、前科として記録されます。
公判手続きで無罪判決が出れば前科が付くことはありません。
しかし、日本の公判での有罪率は非常に高く、無罪判決を得ることは困難です。
そこで前科が付かないようにするためには不起訴処分を目指すことが有効です。
被害者と適切な示談をすることや反省を示すことで検察官に働きかけ、不起訴処分を得る確度を高めることができます。
京都府京丹後市の刑事事件でお悩みの方、風俗トラブルでお悩みの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回の相談を無料で行っております。