個室マッサージ店で強制わいせつ事件になったら

個室マッサージ店で強制わいせつ事件になったら

Aさんは,大阪市旭区にある個室マッサージ店において,従業員であるVさんに追加料金を払うから胸などを触らせてほしいと頼んだ。
Vさんは店の規約でそのような行為が禁止されていることを理由にAさんの頼みを断った。
しかしAさんは「追加料金を払うのだからいいだろう」とVさんの胸などを触り,Vさんにお店の料金とは別に1万円を手渡した。
後日Vさんから大阪府旭警察署に被害届が出され,Aさんは大阪府旭警察署強制わいせつ事件の被疑者として事情を聞かれることになった。
Aさんは特に違法な行為ではないと考えており,取調べに先立って弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~身体を触る行為で成立しうる犯罪~

他人の身体に触れる行為はどのような犯罪を構成するのでしょうか。
電車内などで他人の身体に触れた場合は各都道府県迷惑行為防止条例違反,いわゆる「痴漢」となることが多いです。
ただし,条例違反の痴漢は「公共の場所・乗物で」というのが要件となっていますが,個室マッサージ店の室内などは公共の場所とはいえないでしょう。
そのため,Aさんの行為は一般にいう条例違反の痴漢とはならないといえます。

一方で,Aさんは事件の内容としては,半ば無理矢理Vさんの胸などを触ったと考えられます。
確かに,お店によっては従業員の身体に触れることを暗黙の了解としている場合もあるかもしれませんが,そういった行為は従業員の同意があることが前提といえ,従業員の同意がない場合には強制わいせつ罪が成立する可能性が考えられます。
今回のケースでは,VさんはAさんから胸などを触られることについて同意があったとはいえず,Aさんには強制わいせつ罪(刑法176条)が成立することが考えられます。

刑法176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

暴行とは殴る・蹴るといった行為だけでなく,押さえつける行為など有形力の行使全般をいい,脅迫とは害悪の告知をいいます。
わいせつな行為を強要する手段としての暴行・脅迫は相手方の反抗を抑圧する程度のものである必要はありませんが,反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要です。
一般に,わいせつな行為をされる場合,激しい抵抗があるのが普通ですので,わいせつな行為が行われた際には,反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫があったと考えられます。
また,強制わいせつ罪の「暴行」と「わいせつな行為」が同じ行為でも強制わいせつ罪は成立するとされており,例えば被害者に抱き着いたような場合には,抱き着くという行為が「暴行」であり「わいせつな行為」であるととらえられることがあります。

もっとも,犯罪事実を立証する責任は検察官が負い,立証できなかった場合,すなわち,犯罪事実の存在が積極的に証明できなかった場合には,無罪の判断が下されることになります(「疑わしきは被告人の利益に」という考えです)。
ただし,個室でマッサージするような店舗であれば監視カメラなどがある場合も多く,犯罪事実が容易に証明できてしまうことも考えられます。

~個室マッサージ店の強制わいせつ事件の弁護活動~

強制わいせつ罪で起訴され有罪となった場合,強制わいせつ罪に罰金刑はありませんので,少なくとも執行猶予付きの判決となります。
今回のようなケースではいきなり実刑判決となることはほとんどないと思われますが,執行猶予であっても大きな不利益となります。
例えば,執行猶予期間中に交通事故を起こしてしまった場合などに,法的に執行猶予が付けられず実刑判決を受けざるを得ないという場合も考えられます。

また,前科が付くことになってしまうので,会社での評価・昇進や資格取得に影響を与える可能性も高いでしょう。
そのため,可能であれば事件を不起訴処分とすることが大切であるといえます。

今回のようなケースでは,被害者の方と示談が成立すれば検察官は事件を起訴猶予の不起訴処分とする可能性も十分に存在すると思われます。
しかし,今回のようなお店でのトラブルの場合,ご自身で示談をしようとしても店舗が法外な示談金を要求してくる場合もあります。
そういった場合でも,弁護士が間に入ると,適正な示談金となるケースも少なくありません。
有効な示談を成立させるためにも弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
個室マッサージ店などでトラブルを起こしてしまい刑事事件となってしまった場合には0120-631-881までお問い合わせください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

 

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