禁止区域での無許可営業で逮捕

禁止区域での無許可営業で逮捕

京都市左京区のある場所で、店舗型の性風俗店を経営したいと考えていたAさん。
しかし、その場所は風営法上、店舗型の性風俗店の営業ができない地域にありました。
その場所で営業すれば絶対儲かると思っていたAさんは諦めきれず、風営法で必要とされる風俗営業許可を取らずに営業することにしました。
堂々と営業していてはバレてしまうため、客引きの従業員が通行人に声をかけ、雑居ビル内のわかりにくいルートを通って店舗に案内するというスタイルを取っていました。
Aさんの目論見通り、お店は儲かっていましたが、お店を利用した客から料金トラブルの相談が京都府川端警察署に寄せられたことをきっかけとして、無許可営業禁止区域での営業が発覚。
Aさんは京都府川端警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実を基にしたフィクションです)

~性風俗店の経営には営業許可が必要~

風俗店の経営には、公安委員会の許可を得なければなりません。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第3条
風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

しかし、健全な周辺環境の維持等の観点から、そもそも店舗型の性風俗店を営業できない区域が定められています。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第28条1項
店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和26年法律第181号)第2条第4項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第7条第1項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲200メートルの区域内においては、これを営んではならない。

したがって、この区域で店舗型の性風俗店を経営しようと申請しても、許可が下りません。
そこで、性風俗店の無許可営業をしてしまう例があるようですが、そのようなことをすれば風営法違反として処罰の対象となってしまいます。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第49条
次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第1号 第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者
第5号 第28条第1項(第31条の3第2項の規定により適用する場合及び第31条の13第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

無許可営業(49条1号)も、禁止区域での営業(同条5号)も、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらの両方を科されることとなっています。

実際はどちらかの容疑でのみ逮捕・起訴されるか、両方で逮捕・起訴されたとしても、1つの営業行為で2つの罪を犯した場合なので、観念的競合(刑法54条)として処理されるでしょう。

刑法
第54条
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

無許可営業禁止区域での営業は同じ刑罰が定められているので、結局、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの両方が科されることになるでしょう(2つの罪だからといって倍になるわけではありません)。

~性風俗店の禁止区域営業・無許可営業事件は弁護士へ~

性風俗店の禁止区域営業無許可営業事件で逮捕されてしまった場合、弁護士としては勾留を防いで早期に釈放されるよう、あるいは懲役の実刑判決を避け、罰金や執行猶予などの結果に終わるよう弁護活動をしていくことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
風俗店の無許可営業禁止区域営業などで逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

 

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