女子高生にマッサージさせ逮捕
マッサージ店で女子高生を働かせて逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
兵庫県神戸市に住むAさん。
アパートの一室でマッサージ店を経営していました。
キャストとして女子高生を雇い、鼠径部などをマッサージさせていました。
利用客から最寄りの神戸西警察署に対し、女子高生が働いているとの情報提供があり、警察は家宅捜索を実施。
女子高生が働いていることが確認できたことから、Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~いろんな法律に違反する可能性~
女子高生などの未成年を、風俗店やキャバクラなどで働かせると、いろいろな犯罪が成立する可能性があります。
今回の事例と似た事件が実際に最近ありましたが、その事件では、経営者は労働基準法違反で逮捕されました。
条文を見てみましょう。
労働基準法
第62条1項
使用者は、満十八才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
この条文は、風俗店だけでなく、工場などでの危険な業務についても禁止しています。
この条文の、「その他厚生労働省令で定める危険な業務」の中に、「酒席に侍する業務」や「特殊の遊興的接客業における業務」が含まれています(年少者労働基準規則8条44号・45号)。
具体的なサービス内容にもよりますが、今回のようなマッサージ店も含まれる可能性が高いでしょう。
違反した場合の罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています(労働基準法119条1号)。
他にも、風営法などに違反する可能性もあります。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第28条12項
店舗型性風俗特殊営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
3号 営業所で十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。
罰則は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(50条1項5号)となっています。
こちらの方が労働基準法違反の場合よりも罰則が重く、こちらで検挙される例も多くあります。
たとえば、リンパマッサージの店という形で営業していれば、性風俗店と言うことができず、風営法での検挙が難しいといった場合もあるでしょう。
ただ、いずれにしろ何らかの犯罪になる可能性が高いですので、18歳未満の者を、性風俗店やキャバクラ、マッサージ店にかこつけた店などで働かせるのはやめましょう。
~捜査を受けたら~
18歳未満を働かせてしまったり、無許可営業など何らかの法律違反をして警察の捜査を受けた場合は、弁護士にご相談ください。
どのような犯罪が成立してしまうのか、今後逮捕されそうか、すでに逮捕された場合にはいつ釈放されそうか、どれくらいの刑罰を受けそうかなど、具体的な事情に基づいて、見通しをご説明いたします。
また、警察の捜査を受けている段階ではないが、何らかの法律違反をしている状態で営業している場合にも、このまま営業を続けたらどうなるのかといった心配があるでしょう。
改善すべき点などをご説明いたしますので、一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。