【報道解説】女子高校生をデリヘルで働かせて風営法違反と児童福祉法違反で逮捕

【報道解説】女子高校生をデリヘルで働かせて風営法違反と児童福祉法違反で逮捕

18歳未満の未成年と知りながら女子高校生をデリヘルで働かせたとして、風俗店経営者の男性らが風営法違反児童福祉法違反の疑いで再逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「18歳未満と知りながら女子高校生をデリバリーヘルス(派遣型風俗店)で働かせたとして、県警少年捜査課と所沢署の合同捜査班は30日、風営法違反児童福祉法違反の疑いで、風俗店の経営者で狭山市柏原、自称塗装業の男(32)と東京都杉並区和泉2丁目、自称会社員の男(31)を再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀して3月26日~4月6日までの間、県内居住の10代の女子高校生を4回にわたり、所沢と入間市内のホテルに派遣し、いずれも30代の男性客2人に性的なサービスを行わせた疑い。」

(令和4年12月1日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【未成年者の風俗労働と風営法違反】

デリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業を営む者が、18歳未満の未成年である女子高校生を客に接する業務に従事させると、風営法31条の3第3項1号に違反することになります。
この規定に違反して女子高生をデリヘルで働かせると、1年以下の懲役刑若しくは100万円以下の罰金刑が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併わせて科される可能性があります(風営法50条1項6号)。

なお、この罰則は、デリヘルの経営者が雇った女の子が18歳未満であることを知らなかったとしても、原則としてそのことを理由に罰則を回避できるものではありません(風営法50条2項本文)。
ただし、雇った女の子が18歳未満であることを知らなかったことについて過失がない場合は罰則を回避することができます(風営法50条2項但書)。

どのような場合に過失がないと言えるかですが、例えば女の子に公的機関が発行した身分証の提示を求めるなど、女の子が18歳未満であるについてしっかりとした調査を行ったにもかかわらず、女の子が18歳未満でることを知らなかった場合には過失がないと言えると考えられるでしょう。

【未成年者の風俗労働と児童福祉法違反】

児童福祉法34条1項6号では、18歳未満の児童に「淫行」をさせることを禁止しています。
淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為」のことをいいます。
性交だけでなく、手淫口淫といった性交類似行為も含まれていますので、デリヘルで客の性欲の発散のために性的なサービスを提供させることは「淫行」にあたるものが多いといえます。

そのため、女子高生をデリヘル嬢として客に性的なサービスを提供させる行為は、児童福祉法34条1項6号に違反するものと言えるでしょう。

児童福祉法34条1項6号の規定に違反して児童淫行をさせると、10年以下の懲役刑若しくは300万円以下の罰金刑が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります(児童福祉法60条1項)。

なお、デリヘルの経営者が女子高生を雇ってデリヘル嬢として派遣していた場合は、この児童福祉法34条1項6号違反の罪についても、原則として女の子が18歳未満であることを知らなかったことを理由に罰則を免れることができませんが、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がない場合は例外として罰則を免れることができます(児童福祉法60条4項)。

【未成年者の風俗労働と刑事事件化したら】

このようにデリヘル等の風俗店で18歳未満である女子高生を従業員にして、客に性的なサービスを提供させていた場合は、風営法違反児童福祉法違反として刑事罰が科される可能性があります。
そのため、現在警察の捜査を受けられている方や、警察の内偵捜査を受けていることを知った方は、いち早く弁護士に今度の対応についてご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反児童福祉法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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