【報道解説】売春防止法違反で起訴 執行猶予判決
仙台市青葉区の売春防止法違反の売春場所提供罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
売春防止法違反などの罪に問われていた仙台市青葉区のソープランドの元経営者らの裁判で、仙台地方裁判所は令和5年1月18日に、執行猶予付きの判決を言い渡した。
判決を言い渡されたのはソープランドを経営していた65歳男性と、元店長の47歳男性。
起訴状などによると2人は、一昨年1月から去年3月にかけて、許可なくソープランドを経営し、女性従業員が売春することを知りながら場所を提供したなどとされている。
判決公判で仙台地方裁判所の裁判長は、性風俗を乱す悪質な犯行とした一方、反省の態度を示しているとして経営者の男性に懲役2年6ヶ月執行猶予4年の判決、元店長の男性には懲役2年執行猶予4年の判決を言い渡した。
(令和5年1月18日に配信された「ミヤギテレビ」より抜粋)
【売春防止法違反による刑事処罰とは】
売春防止法では、「売春勧誘行為」や、「売春周旋行為」「困惑や脅迫により売春をさせる行為」「売春をさせる契約をする行為」「売春場所の提供行為」「人に売春をさせることを業とする行為」「売春業の資金、土地又は建物の提供提供行為」などを、刑事処罰の対象としています。
このうち、売春に利用されると知りながら、場所を提供した者に対する、売春場所提供罪の刑事処罰の法定刑は、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」とされています。
また、売春場所提供を業とした者に対する刑事処罰の法定刑は、「7年以下の懲役及び30万円以下の罰金」と刑が重くなります。
・売春防止法 11条1項
「情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」
【執行猶予判決とは】
違法な風俗店経営が、売春防止法に違反するとして、警察捜査が入った場合には、逮捕されて身柄拘束を受けた上で取調べを受ける流れと、日帰りの取調べに何度か呼ばれて取調べを受ける在宅捜査の流れの、2通りの捜査活動が考えられます。
逮捕された場合にも、在宅捜査の場合にも、警察の取調べ等が終われば、刑事事件の起訴・不起訴をどうするか、という判断がなされます。
起訴判断がなされて、懲役刑判決の求刑がされる場合には、その後は公判廷での正式裁判となります。
正式裁判となった場合には、実刑判決を受けて刑務所に入るのか、あるいは執行猶予付きの判決を受けるのか、あるいは無罪判決となるのか、という刑罰の量刑を弁護士とともに争っていく流れになります。
「執行猶予」とは、執行猶予の期間中に何も犯罪行為を起こさなければ、懲役刑を言い渡された分の期間を刑務所に入らなくて済む、という判決のことをいいます。
刑事弁護活動としては、起訴前の事件は、不起訴処分の獲得による刑事処罰の回避を目指し、他方で、起訴されて正式裁判となった場合には、執行猶予付きの判決を目指して、刑事事件に強い弁護士とともに、事件の主張立証の弁護活動を行うといったケースが多いです。
まずは、売春防止法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
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