風俗嬢にケガをさせたら
風俗嬢にケガをさせてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
京都市に住む男性Aさん。
ある日、自宅にデリヘル嬢を呼び、サービスを受けていました。
Aさんは女性を叩く癖があり、この日も平手でデリヘル嬢の臀部などを何度も叩いていました。
ところが強く叩きすぎてしまい、デリヘル嬢の肌が赤くなり、少し腫れ、アザが出来た状態になってしまいました。
デリヘル嬢が帰った後、デリヘル店のスタッフから電話があり、
「女の子がケガをした。賠償金を払ってほしい。払わない場合には、中京警察署に被害届を出す」
と言われました。
Aさんは、今後どうなってしまうのか大きな不安を感じています。
(事実をもとにしたフィクションです)
~成立しうる犯罪は?~
デリヘル嬢に対し手荒な行為をしてしまった場合、成立する可能性がある犯罪としては、暴行罪や傷害罪が考えられます。
まずは暴行罪の条文を見てみましょう。
刑法
第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「傷害するに至らなかったとき」とありますが、つまり、暴行をしたがケガまではさせなかった場合に、暴行罪が成立する可能性があるわけです。
ただし、今回のような事例では、女性側が叩くこと自体は了承していれば、暴行罪は成立しないでしょう。
続いて、傷害罪の条文を見てみます。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
相手にケガをさせると、この傷害罪が問題となってきます。
暴行罪と比べて、重い刑罰が定められています。
女性側が、多少のケガをすることも想定して叩くことを承諾していれば、やはり傷害罪が成立しない可能性もゼロではありません。
しかし、ケガをするほど強く叩かれることまでは承諾していない可能性も高いため、傷害罪の成立は避けられないというケースが多いでしょう。
今回のAさんのような場合、傷害罪が成立する可能性が高いといえます。
~被害届の提出を防ぎたい~
警察に被害届を出され、受理された場合、警察が捜査を開始することになります。
今回のような事例は、犯罪の中では比較的軽い方でもあり、逮捕まではされず、自宅から警察署などに出向いて取調べを受ける「在宅事件」として扱われることも十分考えられます。
とはいえ、できれば警察の取調べを受けたくはないでしょう。
また最終的に、懲役まではいかないまでも、罰金を納めることになり、前科も付いてしまうという可能性もあります。
そこで、店側の主張が事実無根と言った場合でない限り、被害届を提出される前に示談を結び、問題を解決することが得策と言えるでしょう。
被害届を出されなければ、警察は事件が起きたことを知ることができず、Aさんが取調べや処罰を受けるという可能性もないということになります。
とはいえ、相手は風俗店。
どんな相手が交渉の場に出て来るのか、法外な賠償金を要求されるのではないか、示談書は作った方がいいのか、作るとしてどのような内容で作った方がいいのかなど、ご不安だらけでしょう。
ご自身で示談交渉をすることにご不安を感じる場合には、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門としており、示談交渉の経験も豊富な弁護士がそろっています。
まずは無料法律相談のご利用をお待ちしております。
事件内容を詳しくお伺いした上で、今後の見通しのご説明をさせて頂きます。
また、逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。