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風俗で合意あり性交後に不同意性交等罪の被害届を出されたら
風俗で合意あり性交後に不同意性交等罪の被害届を出されたら
風俗嬢と合意の上で性行為に及んだ後、合意を翻して被害届を出すと言われた、または被害届を出されて刑事事件化した場合の責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
会社員のAは、神奈川県川崎市のデリヘルを利用し、指定した風俗嬢Vと合意の上で性行為に及び、その分の料金を支払いました。
翌日、デリヘル店から電話がかかってきて、Aが無理矢理Vに性行為を迫ったと言われ、神奈川県警川崎警察署に不同意性交等罪で被害届を出すと言われました。
Aはデリヘル店と示談をすれば刑事事件化を防げるのか不安となり、また、どのような刑事責任を負うことになるのか知るため、刑事事件専門の弁護士事務所に相談に行きました。
(フィクションです。)
【不同意性交等罪とは】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる性犯罪の刑事事件の中で、しばしば風俗トラブルによる刑事責任にお悩みの方がいらっしゃいます。
その中でも、相談者(被疑者)の方は女性(被害者)の同意があると思って性的な行動に及んだけれど、女性が後から性犯罪の示談を迫ってくる、または示談の予告なしに警察署に被害届や告訴を提出するパターンを本ブログで紹介いたします。
令和5年7月13日、従来「強制性交等罪」とされていた犯罪が「不同意性交等罪」と改定されました。
不同意性交等罪によれば、次に掲げる行為等により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑が科されることになります。
次に掲げる行為として、8つの類型が規定されており、大まかに言うと、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせる」、「アルコール・薬物の摂取、それらの影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない」、「予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕がくさせること」、「虐待に起因する心理的反応」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」が列挙されています。
刑法改正の趣旨として、従来主たる原因であった「暴行・脅迫」に加え、従来「準強制性交等罪」の処罰対象であった睡眠状態や意識低下状態に乗じた性犯罪を加え、さらに人間関係の立場や心理状態の悪用等も処罰対象に加えるべく、処罰範囲を限定しつつ拡大を図ることが目指されています。
【同意・不同意でもめる風俗トラブル】
このような風俗トラブルによる性犯罪事案の場合、相談者は「本来風俗嬢と合意があった」と主張し、不同意性交等罪の成立を否認したいと考えるケースが非常に多いです。
本来、刑事事件では自分の認識のない被疑事実を認める必要はなく、刑事訴訟法上、被疑者は公開の刑事裁判を経て有罪が確定するまでは推定無罪をされるのが大原則です。
しかし、性行為の同意があったか否かは被疑者と被害者の当事者間の問題ですので、実際に被害者と同意があったかを客観的に証明するのは困難であり、この点が風俗トラブルの刑事手続きの難しい点であると言えます。
あくまで被害者との間に同意があったと主張したい場合、刑事事件としては不同意性交等罪の成立を否認することになります。
つまり、同意があったのだから不同意性交等罪は成立しない(と主張している)のだから、被害者に対して示談交渉をすることができず、長期にわたって捜査機関の取調べに耐えることになるデメリットが生ずることを覚悟しなければなりません。
前述のとおり、不同意性交等罪は、5年以上の有期拘禁刑という非常に重い刑が科される可能性があります。
もし刑事事件化した場合、逮捕や勾留による長期的な身体拘束のリスクと同時に、結果として実刑判決が下され刑務所に行く可能性があることを考えると、被害者の刑事処罰感情を和らげる方向を検討することも十分考慮すべきです。
もちろん、まったく認識のない被疑事実を頭から認める必要はありませんが、風俗トラブルに代表される、被害者との合意のありなし等で主張が対立するケースでは、事前に刑事事件に経験豊富な弁護士に相談し、事実を否認することのメリット・デメリットを正しく認識したうえで、刑事事件化の可能性に備えることが最も望ましいでしょう。
風俗嬢との同意のもとで性行為があったにも関わらず後に不同意性交等罪などの罪で訴えられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
【報道解説】大阪市北区のマンションの一室で違法風俗店摘発事件
【報道解説】大阪市北区のマンションの一室で違法風俗店摘発事件
風俗営業法違反事件で科される刑罰の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
大阪市北区のマンションの一室で違法な性風俗店を営業したとして、エステ店店員ら3人が、風営法違反(禁止地区営業)の疑いで検挙、送検された。
警察によると、容疑者らは今年8月中旬から、営業を禁止された地域にある大阪市北区のマンションの一室で、男性客に性的サービスを提供した疑いがもたれている。
警察は今年9月上旬に、匿名の男性から「違法営業しているエステがある」との情報提供を受け、捜査を開始した。
11月上旬にエステ店を摘発し、店長の中国国籍の女と、性的サービスを提供していた店員を逮捕していた。
(令和5年12月22日に配信された「TVOテレビ大阪」より抜粋)
【営業禁止地域での性風俗店の違法営業とは】
性的サービスを提供するような、性風俗関連特殊営業を行う場合には、届出制とされており、各都道府県の公安委員会に性風俗店営業の届出をする必要があります。
また、都道府県の条例等に定められた営業禁止地域内では、性風俗店を営業することは禁止されています。
営業禁止地域で性風俗店を営業した場合には、風俗営業法に違反するとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
・風俗営業法 28条1項(店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等)
「店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(略)、学校(略)、図書館(略)若しくは児童福祉施設(略)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(略)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。」
【風俗営業法違反事件で科される刑罰の種類】
懲役刑になるか、罰金刑となるのか、あるいは懲役刑に執行猶予が付くかどうかは、まずは検察官が、どの罪名と量刑で起訴するかどうかを判断し、その後に裁判で争われます。
法律や条例に書いてある法定刑の範囲内で刑事処罰の判断がなされますが、起こした犯罪の具体的内容や、容疑者の再犯可能性と反省の度合いや、容疑者の前科前歴の有無によって、刑罰の内容は大きく変わってきます。
「懲役刑」とは、刑務所で身柄拘束される刑をいいます。
留置期間中は刑務作業をしなければなりません。
裁判で判決を言い渡す際に、懲役刑に「執行猶予」を付けることができて、その執行猶予期間中は、再度の刑事犯罪を起こさない限り、刑務所に入ることはありません。
「罰金刑」とは、国に対して金銭を支払う刑をいいます。
もし罰金を支払うことができない場合には、1日以上2年以下の期間、労役留置場で働いて支払うことになります。
多くの場合、罰金刑は略式手続きによって言い渡されるケースが多く、略式罰金刑の場合には、裁判所の法廷での公判が行われることはありません。
【風俗営業方違反の刑事弁護】
まずは、違法風俗店摘発事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
大阪市北区の違法風俗店摘発事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】デリヘル嬢の持ち物を窃盗して逮捕
【報道解説】デリヘル嬢の持ち物を窃盗して逮捕
デリヘル嬢等の派遣型風俗店従業員の金品や所持品などを盗んで窃盗罪の疑いで逮捕された刑事事件に関して、その刑事手続や刑事責任について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「派遣型性風俗店の従業員からマイナンバーカード等を盗んだとして、兵庫県警姫路署は28日、窃盗罪の疑いで、姫路市の医師の男(52)を逮捕した。
逮捕容疑は27日午後9時40分ごろから11時ごろまでの間、同市内のホテルで、デリバリーヘルス(派遣型性風俗店)のアルバイト女性(29)から、マイナンバーカードと健康保険証を盗んだ疑い。
調べに対し『盗んでいません。触っていません』などと容疑を否認している。
同署によると、28日朝、女性の夫から『妻がマイナンバーカードを盗まれた』と110番があり発覚。
男を警察官が発見し調べたところ、男がカードを所持していたという。」
(令和4年8月28日に神戸新聞NEXTより配信された報道より引用)
【他人の身分証を盗むと窃盗罪に問われ得る】
刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」と規定しています。
ここでいう「財物」に当たるというためには、財布や金銭そのものといった財産的な価値を有する物でなければならないと考えられています。
そうすると、今回逮捕された医師が盗んだとされる免許証やマイナンバーカードは、それ自体に財産的な価値があるのかと疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、免許証やマイナンバーカードといった身分証の類はそれが盗まれてしまうと何らかの形で悪用されるおそれがありますので、そのような他人の手に渡った際に悪用の恐れのある物も消極的価値があるとして、「財物」に当たると考えられています。
実際に、東京地方裁判所昭和39年7月31日判決は、失効した免許証について「財物」に当たると判断しています。
【窃盗事件の場合はどのような目的で盗んだのかが重要に】
窃盗罪に問われるかどうかの判断に当たっては、犯人がどのような目的で被害品を盗んだのかということが非常に重要になります。
というのも、刑法235条には明記されていませんが、窃盗罪が成立するためには、犯人に不法領得の意思があることが必要になり、不法領得の意思が認められない場合には窃盗罪が成立しないことになるからです。
不法領得の意思とは、「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用・処分する意思」のことをいいますが、このうち、前半の「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物」として振る舞う意思のことを権利者排除意思、後半の「経済的用法に従い利用・処分する意思」のことを利用処分意思といい、この2つの意思が認められると不法領得の意思があると判断されることになります。
権利者排除意思は、他人の自転車をほんのわずか使用したような軽微な一時使用を窃盗罪として処罰しないようにする機能があり、利用処分意思は、窃盗罪と器物損壊罪などの毀棄・隠匿罪とを区別するための指標になり、裁判実務上、利用処分意思については広く解釈されていて、盗んだ財物から何らかの効用を享受する意思があればよいと考えられています。
今回のようなケースでは利用処分意思が問題になる可能性が考えられます。
そうすると、どのような目的で盗んだ場合に利用処分意思が認められるかということですが、例えば、運転免許証やマイナンバーカードを悪用して偽造するといった目的の場合や、運転免許証やマイナンバーカードからその人の氏名や住所を知るために盗んだという場合は利用処分意思が認められる結果、不法領得の意思が認められることになるでしょう。
そして、このようにして窃盗罪が成立した場合、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
なお、運転免許証やマイナンバーカードを純粋に嫌がらせ目的で持ち去ったという場合には、利用処分意思が認められない結果、不法領得の意思がないと判断されて、窃盗罪ではなく器物損壊罪(刑法261条)が成立する可能性があります。
器物損壊罪は親告罪で、その法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。
【窃盗事件で捜査を受けてお困りの方は】
刑事裁判においては、窃盗事件が起きた日時・場所に近いところで被害品を所持していた人は窃盗犯人であると推定されるという考え方があります。
報道では、被害女性の夫が警察に通報したのが28日の朝で、被害女性が逮捕された医師とホテルでサービスを提供していた時間が27日の午後9時40分ごろから11時頃まであるということが読み取れますが、このような状況で逮捕された医師が被害女性のマイナンバーカード等を所持していたとのことですので、逮捕された医師が窃盗犯人であると一定程度推定されてしまうことになるしょう。
もっとも、被害女性のマイナンバーカード等が何らかの理由で偶然、逮捕された医師のカバンや着衣のポケットに紛れ込んでしまったなどの可能性もありますので、この推定は絶対のものではありません。
実際に、逮捕された医師は容疑を否認しているようですので、やってもいない罪を着せられることを避けるためには弁護士に相談されることをお勧めします。
警察に逮捕された後の取り調べでは、最初から犯人であると決めつけられたり、やってもいないこうをやったかのような誘導をなされる場合があり、こうした困難に耐え切れずにやってもいない罪を自白してしまうおそれがあります。
このような取り調べ対応については、いち早く弁護士からアドバイスを受けることが重要になると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
利用したデリバリーヘルスの従業員から窃盗罪の疑いをかけられ警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】男児へのわいせつ事件で逮捕 児童買春と不同意性交
【報道解説】男児へのわいせつ事件で逮捕 児童買春と不同意性交等
児童買春事件と不同意性交等事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
令和4年6月2日に、大阪府警少年課は、オンラインゲームで知り合った男子中学生に性的暴行を加えたとして、強制性交などの疑いで、住居不定の無職の男性(33歳)を逮捕した。
男性は、オンラインゲームや交流サイト(SNS)で知り合った男子小中学生に現金やプリペイドカードを渡し、見返りとしてわいせつな行為に及んでいたとみられる。
逮捕、送検容疑は、平成30年10月~令和4年1月、当時11歳~14歳の6人に、当時の自宅や車内に連れ込んで、性的暴行を加えたり、陰部を触ったりしたとしている。
男性のスマートフォンやパソコンには、少年の動画や画像が100点以上保存されており、府警は児童買春・ポルノ禁止法違反容疑でも捜査している。
(令和4年6月2日に配信された「産経新聞」より抜粋)
【児童買春事件と不同意等事件の違い】
児童買春罪とは、18歳未満の児童に対して、現金などの報酬を渡して、あるいは報酬の約束をした上で、わいせつ行為をした場合に、成立する犯罪です。
基本的には、わいせつ行為をすることにつき、児童との同意がある事情を、前提とする犯罪となります。
・児童買春、児童ポルノ禁止法 第4条
「児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」
他方で、被害者との同意が無い他、被害者に対する優越的な地位を利用する等の不正な手段を用いて性行為等をする場合、児童買春とは別の犯罪が成立することになります。
上記事例の令和4年時点では「強制性交等罪」でしたが、令和5年7月13日以降は、「不同意性交等罪」として処罰されることになります。
不同意性交等罪は、次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、被害者の同意がない状態や、同意の意思を示すことが困難な状態を利用して、被害者に対して性行為などをした場合に、不同意性交等罪が成立します。
要件となる行為として、簡潔に要約すると、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせること等」、「アルコールや薬物の摂取又はその影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「不同意、又は不同意の意思を示すいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖や驚愕」、「虐待に起因する心理的反応等」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力等」の8要件が列挙されています。
不同意性交等は、加害者と被害者の婚姻関係の有無にかかわらず成立し、五年以上の有期拘禁刑が科されます。
【男児への性犯罪事件で逮捕後の釈放弁護活動】
性犯罪を起こして逮捕された場合には、まずは逮捕されてから2、3日間で「勾留」するかどうかの判断がなされ、勾留決定が出れば、そこから10日間の身柄拘束がなされます。
逮捕直後に弁護士を依頼することで、「勾留の回避」すなわち「逮捕後2、3日での早期釈放」に向けて、弁護士が捜査機関や裁判所に積極的な働きかけを行うことが、まずは重要となります。
勾留決定が出て、身柄拘束が長引くようなケースであっても、警察の取調べに対して、どのように認否の供述をしていくのかを弁護士に相談するとともに、被害者本人や被害者の保護者に対して、謝罪や慰謝料の支払い等の示談交渉を、弁護士を介して進めていくことが、早期釈放や刑事処罰の軽減のために、重要な弁護活動となります。
まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
児童買春や不同意性交等の性犯罪事件でお困りの方は、刑事事件を専門としている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】大阪府の風俗店で性的暴行して不同意性交等罪で逮捕
【報道解説】大阪府の風俗店で性的暴行して不同意性交等罪で逮捕
20歳の警察官が風俗店で指名した女性に性的暴行をしたとして不同意性交等罪で逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「風俗店で指名した女性に性的暴行を加えたとして、大阪府警は3日、交野署地域課の巡査、A容疑者(20)=大阪府寝屋川市幸町=を不同意性交等罪の疑いで逮捕し、発表した。
『性交はできなかった』と容疑を否認しているという。
監察室によると、逮捕容疑は2日午後7時15分ごろ、大阪市都島区のホテルで20代女性が拒否したにもかかわらず、押し倒して性交したというもの。
A容疑者は別の警察官2人と区内の風俗店に行き、指名した女性と近くのホテルを利用しており、店に戻った女性が被害を訴えたという。」
(令和4年11月3日に朝日新聞DEGITALで配信された報道を元に、匿名や事実を一部改変して引用したフィクションです。)
【風俗トラブルが刑事事件へと発展することがある】
今回取り上げた報道では、風俗店で指名した女性に性的暴行を加えた疑いで男性が逮捕されたという事件です。
逮捕された男性は、暴行又は脅迫を用いて性交を行った場合に成立する不同意性交等罪の疑いで逮捕されていますので、風俗店で指名した女性に無理やり本番行為を行った疑いがある可能性が考えられます。
風俗嬢が拒否しているにもかかわらず本番行為を強要したという風俗トラブルの多くは、警察が介入する前に解決することが多いです。
これは、被害にあった風俗嬢が警察に被害を申告する前に、当事者間で示談して事件を警察に届けない約束を取り付けているといった形で解決することが多いためであると考えられます。
無理やり本番行為をしたという風俗トラブルについては、トラブルについて知っている人が当事者しかいない場合が非常に多いでしょうから、トラブルの当事者が警察に申告しなければ警察は風俗トラブルを知るすべがないため、捜査に乗り出すきっかけがそもそもないといえます。
ただ、だからといって、風俗嬢に無理やり本番行為をしたという行為が犯罪にならないということではありません。
被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行または脅迫を加えた上で性交をした場合、刑法177条が規定する不同意性交等罪が成立することになります。
そして、被害にあった風俗嬢の方が、警察に被害を申告すれば、警察が捜査を開始して、刑事事件へと発展する可能性が十分考えられます。
【実際に性交していなくても罪に問われる】
逮捕された男性は「性交はできなかった」と供述しているようです。
仮に性交をしていなくても刑法180条は、不同意性交等罪の未遂を処罰の対象としていますので、性交をするために暴行又は脅迫を加えた時点で、不同意性交等罪の未遂として処罰されることになるでしょう。
不同意性交等罪の未遂については、「その刑を減軽することができる」(刑法43条)と規定されていますが、不同意性交等罪の未遂の法定刑は不同意性交等罪の既遂の場合と同じで、5年以上の有期拘禁刑(刑法177条)となっています。
罰金刑が定められていないことから、不同意性交等罪の未遂の法定刑は比較的重いものといえるでしょう。
【風俗トラブルが刑事事件に発展することを回避したい方は】
現在抱えている風俗トラブルを刑事事件へと発展する前に穏便に解決したいとお考えの方は、弁護士に依頼されることをお勧めします。
刑事事件へと発展する前に風俗トラブルを解決するには、早期に被害にあった風俗嬢の方と示談をすることが非常に重要になります。
もちろん、弁護士を付けずに当事者同士で示談することも不可能ではありません。
しかし、示談の条件や示談の方法によっては、後から締結した示談を蒸し返されるという危険性もあり得ますので、風俗トラブルをしっかりと解決するためには示談交渉の経験が豊富である弁護士に示談交渉を依頼されるのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
風俗トラブルから不同意性交等罪などの刑事事件へ発展することを回避したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】京都市南区の性風俗店不届営業事件で逮捕
【報道解説】京都市南区の性風俗店不届営業事件で逮捕
届出しないで風俗店を営業することによる風俗営業法違反と在留資格に関する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
公安委員会に届出せず性風俗店を営業したなどとして、京都府警は令和5年11月25日に、風営法違反の疑いで、タイ国籍の女性(34歳)を逮捕した。
逮捕容疑は、何者かと共謀し、令和5年11月25日に、京都市南区のマンションの一室で、京都府公安委員会に届出しないまま、男性客に性的サービスを提供したとしている。
捜査関係者によると、容疑者らは外国人女性の売春仲介サイトを通じ、客を集めていたとみられる。
このサイトでは、中国や東南アジア系の女性の売春が斡旋(あっせん)されていたという。
京都府警によると、令和5年6月、サイバーパトロール中の東山警察署員が同サイトを発見した。
民泊など短期滞在用のマンションを転々とし、営業を行っていたとみられる。
(令和5年11月25日に配信された「産経新聞」より抜粋)
【性風俗店の不届営業の刑事処罰とは】
性風俗店(店舗型性風俗特殊営業)を営業する際には、各都道府県の公安委員会に対して、届出をする必要があります。
公安委員会への届出書を提出せずに、性風俗店を営業した場合には、風俗営業法に違反するとして、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けることになります。
・風俗営業法 27条1項本文(営業等の届出)
「店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者は、店舗型性風俗特殊営業の種別(略)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。」
風営法違反で逮捕された場合には、警察取調べ対応や、早期釈放のための弁護活動に向けて、直ちに弁護士に接見(面会)依頼や法律相談をすることが重要となります。
【在留資格に関する弁護活動】
外国国籍の人が、刑事犯罪を起こして起訴され、有罪の判決が出た場合には、退去強制事由に該当してしまう可能性があります。
強制送還されてしまうことを防ぐためにも、早期に弁護士に法律相談し、適切な弁護活動を行うことが必要です。
また、外国国籍の人が、逮捕・勾留といった身柄拘束中に、在留ビザの期限が来てしまうようなケースでは、不法滞在(オーバーステイ)とならないようにするための、在留期間の更新手続きのために、弁護士が代理人として、在留資格の代理申請等をする必要があります。
まずは、性風俗店不届営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
京都市南区の性風俗店不届営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】困惑売春による売春防止法違反で逮捕
【報道解説】困惑売春による売春防止法違反で逮捕
交際していた女性を困惑させて風俗店で売春させたとして売春防止法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「ホストとして交際していた女性を風俗店で売春させたとして、警視庁が東京都世田谷区、元ホストクラブ従業員で無職の男(27)を売春防止法違反(困惑売春)容疑で逮捕したことがわかった。
捜査関係者によると、男は2021年10~12月、勤務先の客で交際相手だった20歳代の女性にホストクラブの未払い金名目で約1000万円の支払いを迫った上、『早く金を作ってこい』などと言って困惑させ、台東区・吉原地区のソープランドで売春させた疑い。逮捕は21日。」
(令和5年1月23日に読売新聞オンラインで配信された報道より一部抜粋して引用)
【「困惑売春」とは?】
今回取り上げた報道では、男性が売春防止法違反(困惑売春)の疑いで逮捕されていますが、「困惑売春」という言葉をはじめて見にした方が多いかと思います。
「困惑売春」について説明する前に、そもそも「売春」の意味について説明します。
「売春」の意味については、売春防止法2条が「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義しています。
「売春」の定義の中に、男性器を女性器に挿入する行為を意味する「性交」が含まれていますので、売春防止法における売春には同性間による成功類似行為は対象になっていないことになります。
そして、売春防止法3条が「売春をし、又はその相手方となつてはならない」という規定を置いていますので、女性が対価を得けるか受ける約束でする性交をする行為(売春)や、男性が売春の相手方となる行為(買春)は、この規定によって禁止されていることになります。
ただ、売春防止法には売春防止法3条に違反して売春をした女性や、買春をした男性に対しては刑罰が定められてはいませんので、売春や買春が何か罪に問われるということはありません。
売春防止法が刑罰の対象にしているのは、売春防止法4条以下に規定するような売春を助長する行為になります。
「困惑売春」も売春防止法によって刑罰の対象になる売春を助長させる行為のひとつで、売春防止法7条1項で「人を…困惑させ…て売春をさせた者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」といった形で規定されています。
「人を困惑させる」とは心理的なプレッシャーを与えて精神的に自由な判断ができないような状態にすることをいうと考えられています。
このように人を困惑させて売春させた場合は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科される可能性があるのですが、売春防止法7条3項には困惑売春の未遂を処罰する規定ですので、人を困惑させて売春をさせようとしただけでも処罰の対象になる場合があります。
【売春防止法違反の疑いで警察に逮捕された方がいる場合は】
ご家族が、困惑売春などの売春防止法違反の疑いで逮捕された方がいる場合は、まずは弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見をきっかけに、弁護士が事件にいち早く介入して刑事弁護活動をとることができれば、早期の身柄開放や早期の事件解決といったことを実現する可能性を高めることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
売春防止法違反の疑いで警察に逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】売春防止法違反で起訴 執行猶予判決
【報道解説】売春防止法違反で起訴 執行猶予判決
仙台市青葉区の売春防止法違反の売春場所提供罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
売春防止法違反などの罪に問われていた仙台市青葉区のソープランドの元経営者らの裁判で、仙台地方裁判所は令和5年1月18日に、執行猶予付きの判決を言い渡した。
判決を言い渡されたのはソープランドを経営していた65歳男性と、元店長の47歳男性。
起訴状などによると2人は、一昨年1月から去年3月にかけて、許可なくソープランドを経営し、女性従業員が売春することを知りながら場所を提供したなどとされている。
判決公判で仙台地方裁判所の裁判長は、性風俗を乱す悪質な犯行とした一方、反省の態度を示しているとして経営者の男性に懲役2年6ヶ月執行猶予4年の判決、元店長の男性には懲役2年執行猶予4年の判決を言い渡した。
(令和5年1月18日に配信された「ミヤギテレビ」より抜粋)
【売春防止法違反による刑事処罰とは】
売春防止法では、「売春勧誘行為」や、「売春周旋行為」「困惑や脅迫により売春をさせる行為」「売春をさせる契約をする行為」「売春場所の提供行為」「人に売春をさせることを業とする行為」「売春業の資金、土地又は建物の提供提供行為」などを、刑事処罰の対象としています。
このうち、売春に利用されると知りながら、場所を提供した者に対する、売春場所提供罪の刑事処罰の法定刑は、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」とされています。
また、売春場所提供を業とした者に対する刑事処罰の法定刑は、「7年以下の懲役及び30万円以下の罰金」と刑が重くなります。
・売春防止法 11条1項
「情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」
【執行猶予判決とは】
違法な風俗店経営が、売春防止法に違反するとして、警察捜査が入った場合には、逮捕されて身柄拘束を受けた上で取調べを受ける流れと、日帰りの取調べに何度か呼ばれて取調べを受ける在宅捜査の流れの、2通りの捜査活動が考えられます。
逮捕された場合にも、在宅捜査の場合にも、警察の取調べ等が終われば、刑事事件の起訴・不起訴をどうするか、という判断がなされます。
起訴判断がなされて、懲役刑判決の求刑がされる場合には、その後は公判廷での正式裁判となります。
正式裁判となった場合には、実刑判決を受けて刑務所に入るのか、あるいは執行猶予付きの判決を受けるのか、あるいは無罪判決となるのか、という刑罰の量刑を弁護士とともに争っていく流れになります。
「執行猶予」とは、執行猶予の期間中に何も犯罪行為を起こさなければ、懲役刑を言い渡された分の期間を刑務所に入らなくて済む、という判決のことをいいます。
刑事弁護活動としては、起訴前の事件は、不起訴処分の獲得による刑事処罰の回避を目指し、他方で、起訴されて正式裁判となった場合には、執行猶予付きの判決を目指して、刑事事件に強い弁護士とともに、事件の主張立証の弁護活動を行うといったケースが多いです。
まずは、売春防止法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
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【報道解説】東京都新宿区の風俗店での偽造保険証行使事件
【報道解説】東京都新宿区の風俗店での偽造保険証行使事件
風俗店での偽造保険証行使による刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
偽造保険証を使って少女(14歳)を、東京都新宿区歌舞伎町のメンズコンセプトカフェに立ち入らせたとして、警視庁少年育成課は、風営法違反の疑いで、東京都練馬区に住むコンカフェ従業員の男性(19歳)を逮捕した。
従業員の男性は、以前に、未成年も入店できる別のコンカフェに勤務し、少女は令和4年10月ごろから来店していた。
男性は令和5年3月に現在の店に移籍し、この店舗は風俗営業の許可を得ているため、18歳未満は入店できなかった。
少年育成課によると、店では身分証明書などで客の年齢を確認していたため、男性は少女に「成人の知り合いから身分証を借りるか、偽造のものを用意してほしい」と連絡し、少女は年齢が18歳以上の他人名義の保険証を使っていたとみられる。
(令和5年10月19日に配信された「読売新聞オンライン」より抜粋)
【保険証の偽造による刑事処罰とは】
保険証は公文書に当たるため、保険証を偽造した者は、刑法の「有印公文書偽造罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
また、自身の身分を偽るため等の目的のために、偽造保険証を見せる等して、行使した場合には、刑法の「偽造有印公文書行使罪」に当たります。
「有印公文書偽造罪」や「偽造有印公文書行使罪」の刑罰の法定刑は、「1年以上10年以下の懲役」とされています。
・刑法 155条1項(公文書偽造等)
「行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。」
上記の事例では、少女の行為は、有印公文書偽造罪や同行使罪に当たる可能性があります。
他方で、従業員の男性による「偽造のものを用意してほしい」という発言が、有印公文書偽造罪や同行使罪の共犯に当たるとして、刑事処罰の対象となる可能性が考えられます。
【風俗店への未成年者立ち入りによる刑事処罰とは】
一部のコンカフェのような接待のある風俗店では、18歳未満の未成年者の立ち入りが禁止されており、これに違反した風俗店の営業者は、風俗営業法に違反するとして、刑事処罰を受ける可能性があります。
ゲームセンターのような種別の風俗店については、18歳未満の未成年者の立ち入りは、午後10時~翌日午前6時までの時間帯で、禁止されています。
・風俗営業法 22条1項(禁止行為等)
「風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。」
5号「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること。)。」
上記の風俗営業法に違反して、未成年者の立ち入りをさせた風俗店の営業者に対する刑罰の法定刑は、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」とされています。
まずは、偽造保険証行使事件や風営法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
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【事例解説】無許可で未成年に接待営業 風営法違反で逮捕
【事例解説】無許可で未成年に接待営業 風営法違反で逮捕
無許可で営業していたことに加えて、未成年の女性をアルバイトとして雇用して客に接待営業をさせていたとして風営法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「Aさんは、人気アニメをテーマにしたコンセプトカフェを経営しています。
Aさんが経営するコンセプトカフェでは、単に飲食物を提供するにとどまらず、コンセプトカフェの従業員にお客さんを接待させていましたが、風営法上の許可は得ていませんでした。
また、Aさんは、お客さんを接待させるカフェの従業員として16歳のⅤさんをアルバイトとして雇っていました。
Ⅴさんのバイトの内容について不安になったⅤさんの両親が、警察に相談したことをきっかけに、Aさんは風営法違反の疑いで逮捕されました。」
(この刑事事件例はフィクションです。)
【風営法上の許可を得ずに客の接待をすると?】
風営法3条1項では、「風俗営業」を営もうとする場合は、管轄する都道府県公安委員会から許可を得なければならないと規定しています。
コンセプトカフェを営業する場合に、その営業形態が単に飲食物を提供するだけといったものであるならば、風営法上の許可は必要にならないと考えられます。
ただ、コンセプトカフェの従業員が客に飲食物を提供する他に、例えば、特定の客と長時間談笑したり、客のくちもとに飲み物を差し出して客に飲ませてあげたり、客と一緒にゲームをしたりといったことをすると、そのような行為は「接待」(風営法2条3項)に該当することになると考えられます。
そのため、そのような客の接待を行うコンセプトカフェは、風営法2条1号の「風俗営業」として、風営法3条1項の許可が必要になるでしょう。
事例のAさんのように、風営法3条1項に違反して風俗営業を無許可で営業してしまうと、風営法49条1号によって、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。
【16歳のアルバイトに客を接待させると?】
また、コンセプトカフェが風俗営業に該当した場合、そのようなコンセプトカフェを営業する者には風営法22条が規定する禁止行為を行わないことが求められ、これに違反して禁止行為を行うと刑事罰の対象になってしまいます。
風営法22条に定める禁止行為のひとつとして、同条3号では18歳未満の者に客を接待させることを禁止しています。
事例のAさんのように、この規定に反して18歳未満の者に客を接待させると、風営法501項4号によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられるか、又は懲役刑と罰金刑の両方が科される可能性があります。
【風営法違反で警察の捜査を受けられている方は】
風営法は内容が複雑な法律ですので、ご自身で調べた結果、風営法に違反するところはないと思っていても、予期せぬところで風営法に違反して刑事罰の対象になってしまうということが十分あり得ます。
そのため、風営法違反について警察の捜査を受けられてお困りの方や、今後内偵捜査が入りそうだという方は、まずは専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、どういった罪に問われる可能性があるのかといった事件の見通しや今後の対応方法についてアドバイスをもらったり、弁護士が行うことができる刑事弁護活動などについて説明を受けたりといったことが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。