Archive for the ‘報道解説’ Category

【事例解説】無許可で未成年に接待営業 風営法違反で逮捕

2024-12-10

【事例解説】無許可で未成年に接待営業 風営法違反で逮捕

無許可営業していたことに加えて、未成年の女性をアルバイトとして雇用して客に接待営業をさせていたとして風営法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、人気アニメをテーマにしたコンセプトカフェを経営しています。
Aさんが経営するコンセプトカフェでは、単に飲食物を提供するにとどまらず、コンセプトカフェの従業員にお客さんを接待させていましたが、風営法上の許可は得ていませんでした。
また、Aさんは、お客さんを接待させるカフェの従業員として16歳のⅤさんをアルバイトとして雇っていました。
Ⅴさんのバイトの内容について不安になったⅤさんの両親が、警察に相談したことをきっかけに、Aさんは風営法違反の疑いで逮捕されました。」
(この刑事事件例はフィクションです。)

【風営法上の許可を得ずに客の接待をすると?】

風営法3条1項では、「風俗営業」を営もうとする場合は、管轄する都道府県公安委員会から許可を得なければならないと規定しています。
コンセプトカフェを営業する場合に、その営業形態が単に飲食物を提供するだけといったものであるならば、風営法上の許可は必要にならないと考えられます。
ただ、コンセプトカフェの従業員が客に飲食物を提供する他に、例えば、特定の客と長時間談笑したり、客のくちもとに飲み物を差し出して客に飲ませてあげたり、客と一緒にゲームをしたりといったことをすると、そのような行為は「接待」(風営法2条3項)に該当することになると考えられます。

そのため、そのような客の接待を行うコンセプトカフェは、風営法2条1号の「風俗営業」として、風営法3条1項の許可が必要になるでしょう。
事例のAさんのように、風営法3条1項に違反して風俗営業無許可営業してしまうと、風営法49条1号によって、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。

【16歳のアルバイトに客を接待させると?】

また、コンセプトカフェが風俗営業に該当した場合、そのようなコンセプトカフェを営業する者には風営法22条が規定する禁止行為を行わないことが求められ、これに違反して禁止行為を行うと刑事罰の対象になってしまいます。
風営法22条に定める禁止行為のひとつとして、同条3号では18歳未満の者に客を接待させることを禁止しています。
事例のAさんのように、この規定に反して18歳未満の者に客を接待させると、風営法501項4号によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられるか、又は懲役刑と罰金刑の両方が科される可能性があります。

【風営法違反で警察の捜査を受けられている方は】

風営法は内容が複雑な法律ですので、ご自身で調べた結果、風営法に違反するところはないと思っていても、予期せぬところで風営法に違反して刑事罰の対象になってしまうということが十分あり得ます。
そのため、風営法違反について警察の捜査を受けられてお困りの方や、今後内偵捜査が入りそうだという方は、まずは専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、どういった罪に問われる可能性があるのかといった事件の見通しや今後の対応方法についてアドバイスをもらったり、弁護士が行うことができる刑事弁護活動などについて説明を受けたりといったことが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】兵庫県姫路市の違法な客引き事件で現行犯逮捕

2024-12-02

【報道解説】兵庫県姫路市の違法な客引き事件で現行犯逮捕

違法な客引き行為の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

兵庫県姫路市の繁華街で違法な客引きをしたとして、居酒屋従業員の男性(20歳、兵庫県相生市在住)が、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された。
男性は、今年6月20日午後7時20分頃に、姫路市駅前町の路上で女性2人に対して、「お姉さん、どこか飲み屋お探しですか?うち居酒屋5軒くらいやってて、焼肉屋もお好み焼き屋とかもやってるんですよ」などと声をかけながら、約25メートルにわたって、しつこく客引きをした疑いが持たれている。
男性が声をかけた女性2人は実は、繁華街を警戒していた私服警察官で、男性が勤務する居酒屋があるビルの前まできたところで「警察です」と警察手帳を提示され、現行犯逮捕されたとのこと。
警察の取調べに対して、男性は「私が働いている店のお客さんになってもらうために女性2名にしつこくついて客引きしたことにまちがいありません」と容疑を認めている。
(令和6年6月20日に配信された「ABCニュース」より抜粋)

【違法な客引き行為の刑事処罰とは】

違法な客引き行為は、各都道府県の制定する「迷惑防止条例」や「風俗営業法」によって禁止されています。
違法な客引き行為をした者は、その行為態様に応じて、「迷惑防止条例違反」または「風俗営業法違反」のいずれかにより刑事処罰を受けることが考えられます。

兵庫県迷惑防止条例では、「公共の場所」において、「人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業」や「歓楽的雰囲気を醸し出す方法で異性の客をもてなして飲食をさせる営業」などのために客引きをする行為が禁止されています。
また、上記のような営業のための客引き行為で無い場合でも、「人の身体又は衣服を捕らえ、所持品を取り上げ、進路に立ちふさがり、身辺に付きまとう等の執ような方法」で、客引きをする行為を禁止しています。

違法な客引き行為をした者は、兵庫県迷惑防止条例違反に当たるとして、「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
また、従業員に違法な客引き行為をさせた使用者は、「100万円以下の罰金」という刑事処罰を受ける可能性があります。

他方で、風俗営業法では、「風俗営業を営む者」が、風俗営業のために客引きをしたり、客引きのために「道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとう」行為をした場合に、風俗営業法違反に当たるとして、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」という刑事処罰が規定されています。

【違法な客引きの刑事弁護】

違法な客引き事件で警察取調べの呼び出しを受けたり、逮捕されたりした場合には、まずは刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要となります。
弁護士が今後の刑事捜査がどうなるかの見通しを立てた上で、刑事処罰を軽くしたり不起訴処分を得るためには、被疑者がどのように警察取調べに対応していけばよいか等の、弁護士からの法的アドバイスを受けることができます。

まずは、違法な客引き事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

兵庫県姫路市違法な客引き事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】女子高校生をデリヘルで働かせて風営法違反と児童福祉法違反で逮捕

2024-11-24

【報道解説】女子高校生をデリヘルで働かせて風営法違反と児童福祉法違反で逮捕

18歳未満未成年と知りながら女子高校生デリヘルで働かせたとして、風俗店経営者の男性らが風営法違反児童福祉法違反の疑いで再逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

18歳未満と知りながら女子高校生デリバリーヘルス(派遣型風俗店)で働かせたとして、県警少年捜査課と所沢署の合同捜査班は30日、風営法違反児童福祉法違反の疑いで、風俗店の経営者で狭山市柏原、自称塗装業の男(32)と東京都杉並区和泉2丁目、自称会社員の男(31)を再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀して3月26日~4月6日までの間、県内居住の10代の女子高校生を4回にわたり、所沢と入間市内のホテルに派遣し、いずれも30代の男性客2人に性的なサービスを行わせた疑い。」

(令和4年12月1日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【未成年者の風俗労働と風営法違反】

デリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業を営む者が、18歳未満未成年である女子高校生を客に接する業務に従事させると、風営法31条の3第3項1号に違反することになります。
この規定に違反して女子高生デリヘルで働かせると、1年以下の懲役刑若しくは100万円以下の罰金刑が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併わせて科される可能性があります(風営法50条1項6号)。

なお、この罰則は、デリヘルの経営者が雇った女の子が18歳未満であることを知らなかったとしても、原則としてそのことを理由に罰則を回避できるものではありません(風営法50条2項本文)。
ただし、雇った女の子が18歳未満であることを知らなかったことについて過失がない場合は罰則を回避することができます(風営法50条2項但書)。

どのような場合に過失がないと言えるかですが、例えば女の子に公的機関が発行した身分証の提示を求めるなど、女の子が18歳未満であるについてしっかりとした調査を行ったにもかかわらず、女の子が18歳未満でることを知らなかった場合には過失がないと言えると考えられるでしょう。

【未成年者の風俗労働と児童福祉法違反】

児童福祉法34条1項6号では、18歳未満児童に「淫行」をさせることを禁止しています。
淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為」のことをいいます。
性交だけでなく、手淫や口淫といった性交類似行為も含まれていますので、デリヘルで客の性欲の発散のために性的なサービスを提供させることは「淫行」にあたるものが多いといえます。

そのため、女子高生デリヘル嬢として客に性的なサービスを提供させる行為は、児童福祉法34条1項6号に違反するものと言えるでしょう。

児童福祉法34条1項6号の規定に違反して児童淫行をさせると、10年以下の懲役刑若しくは300万円以下の罰金刑が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります(児童福祉法60条1項)。

なお、デリヘルの経営者が女子高生を雇ってデリヘル嬢として派遣していた場合は、この児童福祉法34条1項6号違反の罪についても、原則として女の子が18歳未満であることを知らなかったことを理由に罰則を免れることができませんが、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がない場合は例外として罰則を免れることができます(児童福祉法60条4項)。

【未成年者の風俗労働と刑事事件化したら】

このようにデリヘル等風俗店18歳未満である女子高生を従業員にして、客に性的なサービスを提供させていた場合は、風営法違反児童福祉法違反として刑事罰が科される可能性があります。
そのため、現在警察の捜査を受けられている方や、警察の内偵捜査を受けていることを知った方は、いち早く弁護士に今度の対応についてご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反児童福祉法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】滋賀県彦根市で深夜酒類提供飲食店の無届営業事件

2024-11-08

【報道解説】滋賀県彦根市で深夜酒類提供飲食店の無届営業事件

深夜酒類提供飲食店無届営業罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

16歳の少年をバーで働かせて、また、届出をせずに深夜酒類提供した容疑で、滋賀県彦根市在住の飲食店店長の男性(31歳)が、風営法違反の疑いで、滋賀県彦根警察署逮捕された。
男性は、少年が18歳未満であると知りながら従業員として雇い、午後10時から午前6時まで不特定多数の客に酒類提供させるなどした疑いがもたれている。
彦根警察署の取調べに対して、男性は「境遇がかわいそうやから雇用した」と少年を働かせたことは認めているが、無許可酒類提供したことについては「私の意志ではない」と一部容疑を否認している。
(令和6年9月24日に配信された「ABCニュース」より抜粋)

【深夜酒類提供飲食店の無届営業罪とは】

風俗営業法では、「風俗営業」の許可制度や、「性風俗関連特殊営業」や「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出制度が規定されています。
これらの営業行為を、許可届出すること無しに営業した場合には、懲役刑や罰金刑などの刑事処罰が科されるとともに、営業停止などの行政処分を受けるおそれがあります。

このうち、「深夜における酒類提供飲食店」とは、深夜(午前0時から午前6時まで)の時間帯も営業する、酒類をメインとして出す店舗形態を言います。
深夜酒類提供飲食店」は届出制となっており、無届出営業した場合には「50万円以下の罰金」という刑事処罰を受けることとなります。

風俗営業法 第33条1項柱書
酒類提供飲食店営業深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。」

【接待行為による風俗店の無許可営業罪とは】

深夜酒類提供飲食店」においては、「接待行為」をすることは認められていません。
接待行為」をする場合の営業形態は「風俗営業」に当たり、風俗営業の許可を受ける必要があります。

風俗営業許可無しに「接待行為」を含む営業を行った場合には、「風俗店無許可営業」に当たるとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という刑事処罰を受ける可能性があります。
無許可営業事件無届出営業事件で、警察の立ち入り捜査を受けたなどの際には、できるだけ早く、風俗営業法に詳しい弁護士に今後の事件対応をご相談ください。

まずは、深夜酒類提供飲食店無届営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

滋賀県彦根市深夜酒類提供飲食店無届営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】東京都中央区のメンズエステ不動産仲介詐欺事件で逮捕

2024-10-23

【報道解説】東京都中央区のメンズエステ不動産仲介詐欺事件で逮捕

メンズエステ不動産仲介詐欺事件に関する累犯加重による刑罰の増加について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

マンションの一室で「メンズエステ」と称した性風俗店営業するため、女性従業員を住人と偽り賃貸借契約を結んだとして、警視庁保安課は令和6年9月18日に、東京都新宿区にある不動産仲介業者の代表取締役の男性(36歳)を詐欺容疑で逮捕した。
逮捕容疑は今年3月、禁止区域内の東京都中央区のワンルームマンションで性的サービスをするマッサージ店営業することを隠し、女性従業員(30歳)を住人とする賃貸借契約を不動産管理会社と結んだとしている。
性風俗店として利用することが発覚しないよう、女性が一般の会社で働き、住居を探していると偽装して書類を作成していたとみられる。
性風俗店の男性経営者(38歳)とは、コンサルティング業者の紹介で知り合い、手数料などとして約12万円を受け取っていたという。
性風俗店の男性経営者は今年7月、今回の事件とは別のマンションで経営していたマッサージ店で女性に売春させたとして、売春防止法違反の疑いで逮捕され、その後起訴された。
(令和6年9月18日に配信された「毎日新聞」より抜粋)

【不動産仲介詐欺事件の刑事処罰とは】

他人を騙すことにより、財物を交付させたり、不法な利益を得た場合には、詐欺罪に当たるとして、刑事処罰を受けます。
詐欺罪の刑罰の法定刑は、「10年以下の懲役」とされています。

・刑法 246条(詐欺
1項「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」
2項「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」

上記事例のような不動産仲介詐欺事件の場合には、不動産管理会社側が「性風俗店として利用されると分かっていたら、賃貸借契約を結ばなかった」といえる状況であれば、その不動産管理会社を騙したとして詐欺罪が成立する可能性があります。

【累犯加重により刑罰が重くなるケースとは】

刑法第56条、第57条に規定される「累犯加重」とは、懲役判決を受けた者が、刑期を終えてから5年以内に再度の罪を犯したときに、罪が重くなる規定のことをいいます。
累犯加重」に当たる場合には、その罪について定めた懲役刑の長期の上限が2倍になります。

他方で、過去に刑事犯罪を起こして、何らかの刑事処罰を受けたことのある者が、再度、同じような犯罪行為(再犯)をした場合には、同じ法定刑の範囲内でも、刑罰は重く処罰される傾向にあります。
例えば、法定刑で「罰金刑懲役刑」が規定されている犯罪行為において、最初の事件は「不処罰」だったけれども、2回目の再犯は「罰金刑」となり、その次の再犯は「執行猶予付きの懲役刑判決」や「懲役実刑判決」へと刑罰が重くなっていくケースが考えられます。

再犯事件において刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、今回起こした事件の被害者側との示談交渉を行ったり、警察取調べの供述対応を詳細に検討するなど、刑事処罰の軽減を目指した弁護活動に尽力いたします。

まずは、不動産仲介詐欺事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

東京都中央区不動産仲介詐欺事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】名古屋市中区のホストクラブ無許可営業事件で逮捕

2024-10-15

【報道解説】名古屋市中区のホストクラブ無許可営業事件で逮捕

前刑の執行猶予中再犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

名古屋市中区の繁華街で、無許可ホストクラブ営業したとして、経営者の男性ら6人が逮捕された。
警察によると、男性らは今年7月に、風俗営業許可なくボックス席などで男性従業員に客の接待をさせ、ホストクラブ営業した疑いが持たれている。
支払いを先送りする「売掛金」を巡り、客の女性が店とトラブルになったことで、警察に情報が入ったとのこと。
警察は6人の認否を明らかにしていないが、女性客およそ60人の売掛金はあわせて2400万円ほどにのぼるとみられ、他にトラブルがないか調べている。
(令和6年9月10日に配信された「東海テレビ」の記事を参考にしたフィクションです。)

【ホストクラブ無許可営業による刑事処罰とは】

従業員が客の接待をする店舗は、風俗店に当たるとされており、風俗店営業するに当たっては、各都道府県の公安委員会の許可を受ける必要があります。
公安委員会の許可を受けずに、風俗営業を行った場合には、風俗営業法違反に当たるとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。

風俗営業法 第3条1項(営業の許可
風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(略)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(略)の許可を受けなければならない。」

【執行猶予中に再び犯罪を起こした場合】

以前に執行猶予付きの判決を受けた者が、再度の犯罪行為をした場合には、執行猶予が取り消される可能性があります。
執行猶予が取り消されると、以前の判決の懲役刑が効力を発して刑務所に入ることになるとともに、さらに合わせて、再犯の犯罪行為に対する刑罰を受けることとなります。

再犯の犯罪行為が「懲役刑判決禁固刑判決」となった場合には、必ず以前の執行猶予は取り消されます。
他方で、再犯の犯罪行為が「罰金刑判決」となった場合には、検察官が裁判所に執行猶予取消請求をすることで、裁判官により以前の執行猶予が取り消される可能性があります。
この場合、「以前の犯罪行為」と「再犯の犯罪行為」が同種の犯罪であるかどうかは、執行猶予取消とは関係がなく、全く別種の犯罪であっても執行猶予の取消しがなされます。

執行猶予中に起こした刑事事件弁護依頼を受けた弁護士は、執行猶予取消しを回避するために、警察取調べの供述対応のアドバイスを行うこと等により、不起訴処分の獲得を目指します。
仮に罰金刑判決が出てしまった場合であっても、検察官に対して執行猶予取消請求を行わないように求めるなど、積極的に弁護士側から働きかけていく弁護活動が考えられます。

まずは、ホストクラブ無許可営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

名古屋市中区ホストクラブ無許可営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】名古屋市中区のホストクラブ客引き事件で不起訴処分

2024-10-07

【報道解説】名古屋市中区のホストクラブ客引き事件で不起訴処分

ホストクラブ客引きによる逮捕事件罰金刑が科された場合などにおいて、被告人が罰金刑を支払えない場合に科される労役等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

昨年12月に、名古屋市中区の路上で、客引きから紹介を受けて、私服の女性警察官2人を客として店に立ち入らせた容疑で、ホストクラブ経営の男性(29歳)が逮捕されていた。
名古屋地方検察庁は、この男性について、令和6年8月22日付で不起訴処分とした。
逮捕当時、警察は男性の認否を明らかにしていなかった。
(令和6年8月23日に配信された「中京テレビNEWS」より抜粋)

【客引き事件の刑事処罰とは】

風俗営業法の規定によると、客引き行為とは「公共の場所で、人の身辺に立ちふさがったり、つきまとったりして、お店に来るように誘う行為」をいいます。
風俗営業法や、各都道府県の迷惑防止条例では、客引き行為を禁止しており、刑事処罰の対象となります。

風俗営業法 22条1項(禁止行為等)
風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。」

他方で、不特定多数の人に対する呼び込み行為は、風俗営業法迷惑防止条例で禁止されておらず、違法ではありません。

【罰金刑を支払えない場合の労役】

刑事事件を起こして罰金刑の判決を受けて、かつ罰金を支払えない場合には、労役場に留置され労役を科されることになります。
罰金刑の支払いは、原則としては「一括払い」とされています。
事例によっては、担当検察官の裁量により、分割納付が認められることもあります。

・刑法 18条
1項「罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。」
4項「罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。」

労役は、実務上では「1日あたり5000円換算」とされ、罰金額によって労役期間が決まります。
労役期間の上限は、罰金刑を併科した場合でも「3年を超えることができない」とされています。

ホストクラブ客引き事件刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、弁護士接見面会)を通じて、警察取調べに対する供述対応のアドバイスを行うなど、不起訴処分の獲得による罰金刑の回避に向けて、弁護活動に尽力いたします。

まずは、ホストクラブ客引き事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

名古屋市中区ホストクラブ客引き事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】兵庫県明石市のスナック無許可営業事件で逮捕

2024-09-29

【報道解説】兵庫県明石市のスナック無許可営業事件で逮捕

スナック無許可営業による風営法違反逮捕事件において、面会者が留置場差入れをする場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

兵庫県明石市の中心部でスナック無許可営業したとして、兵庫県警保安課と兵庫県明石警察署などは、令和6年8月21日に、風営法違反無許可営業)の疑いで、神戸市西区在住の経営者の男性(28歳)と、住所不定の店員の男性(25歳)を逮捕した。
2人の逮捕容疑は、7月26日午後9時半~11時頃までの間、兵庫県公安委員会の許可を受けずに、明石市内の商業ビル内にある店舗で、女性店員に男性客の隣に座らせるなどの接待行為をさせた疑い。
兵庫県警によると、外部から情報提供があり、捜査を進めていた。
明石警察署の取調べに対して、経営者の男性は「風俗営業の許可が必要な接待行為はしていない」と容疑を否認している。
店員の男性は「横に座ったり、ゲームをしたりするなど接待行為をしており、許可は取っていると思った」と一部否認している。
(令和6年8月22日に配信された「神戸新聞NEXT」より抜粋)

【風俗店の無許可営業罪の刑事処罰】

風俗営業法によると、従業員に客の接待をさせる営業風俗営業に当たるとされており、風俗店営業する際には、各都道府県の公安委員会の許可を得る必要があります。
営業許可を得ずに、風俗店営業した場合には、風俗営業法違反に当たるとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受ける可能性があります。

【留置場への差入れできるもの、できないもの】

風営法違反事件を起こして逮捕された場合に、留置場逮捕されている人のもとに、生活用品などを外部から差入れすることができます。
ご家族が留置場の窓口で差入れをすることもできますし、弁護士接見面会)のために留置場に行く際に、ご家族から渡された生活用品などを差入れすることもできます。
一般的な差入れ品として、衣服・本・現金などが挙げられます。

ただし、危険行為の防止のために、衣服等に付いている「紐」や、ペン・定規などの「尖ったもの」は、差入れることが認められていません。
衣服を差入れる際には、紐無しのものを選ぶ必要があります。

飲食物なども、基本的には差入れることができません。
ただし、現金を差入れることで、逮捕されている人が指定業者に飲食物を注文したり、拘置所内の売店で飲食物を購入できるところもあります。

【留置場への弁護士接見(面会)】

風営法違反事件刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、逮捕後すみやかに弁護士接見面会)に向かい、逮捕された被疑者から事件状況を詳しく聞いた上で、警察の取調べ対応などの法的アドバイスをすることで、その後の釈放活動や刑罰軽減にとって有利に働くように尽力いたします。

まずは、スナック無許可営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

兵庫県明石市スナック無許可営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】大阪市北区で個室マッサージ店の禁止区域営業事件で現行犯逮捕

2024-09-21

【報道解説】大阪市北区で個室マッサージ店の禁止区域営業事件で現行犯逮捕

個室マッサージ店禁止区域営業による風営法違反逮捕後の弁護士接見弁護士面会)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

大阪市北区の天満駅近くにあるマッサージ店で、違法な性的サービスを提供した現行犯で、中国籍の店長の女性ら2人が風営法違反の疑いで逮捕された。
今年8月20日深夜に、大阪府警の警察官が、大阪市北区の個室マッサージ店の摘発に入った。
この店は扇町公園のすぐ近くにあるが、このエリアで風俗店営業することは禁止されている。
店のHPには「風俗店ではない」と記載があるが、実際は個室で客に性的サービスを提供していたとみられ、警察は、中国籍の店長の女性(54歳)と従業員の女性(53歳)の2人を、風営法違反の疑いで現行犯逮捕した。
警察の取調べに対して、店長の女性は「お店でこれまでサービスをしたことに間違いありませんが、私は店長ではなく従業員です」と容疑を一部否認していて、従業員の女性は「お店に遊びに来ていただけ」と容疑を否認している。
(令和6年8月21日に配信された「関西テレビニュース」より抜粋)

【禁止区域営業による風営法違反の刑事処罰とは】

風俗店において性的サービスを提供するなどの、性風俗関連特殊営業を営む場合には、各都道府県の公安委員会に対して、届出をする必要があります。

ただし、性風俗関連特殊営業については、都道府県の条例により厳しい営業地域制限が課せられており、新しく性風俗営業を開業することは実質的に困難となっています。
性風俗関連特殊営業禁止区域において営業した場合には、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けることになります。

風俗営業法 28条2項(店舗型性風俗特殊営業禁止区域等)
「前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。」

【警察署に逮捕勾留中の弁護士接見】

風営法違反事件を起こして、警察に逮捕された場合には、逮捕されてから2、3日の間に、「さらに10日間の身柄拘束(勾留)がされるか、あるいは釈放されるか」が、判断されることになります。

逮捕勾留といった身柄拘束がされるための要件としては、一般的には、「証拠隠滅のおそれがある場合」「逃亡のおそれがある場合」「共犯事件の場合」等に、身柄確保の必要性があるとされます。
ただし、実際には、被疑者が容疑をやっていないと否認している事件において、身柄拘束がなされる傾向にあり、警察署での厳しい取調べは、被疑者に容疑の事実を認めさせようと強要するものになりがちです。

逮捕中の被疑者が、厳しい取調べの中で「事実と異なる自白」をしてしまわないためにも、逮捕された直後に、弁護士が被疑者との接見面会)に向かい、弁護士と事件の経緯や弁護方針等の相談をして、警察の取調べ供述対応のアドバイスを受けることが重要となります。

まずは、風俗店禁止区域営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

大阪市北区の風俗店禁止区域営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】東京都千代田区のメンズコンセプトカフェの売春報酬受領事件で逮捕

2024-09-13

【報道解説】東京都千代田区のメンズコンセプトカフェの売春報酬受領事件で逮捕

買収報酬の受領による組織犯罪処罰法違反逮捕事件における留置場での一般面会について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

メンズコンセプトカフェの女性客(23歳)に売春をさせ、売春で得た犯罪収益と知りながら、その報酬からシャンパン代として現金23万円を受け取ったとして、警視庁保安課は令和6年8月16日までに、組織犯罪処罰法違反犯罪収益収受)の疑いで、東京都千代田区にある店の店長の男性(26歳)を再逮捕した。
警視庁保安課によると、売春した女性が支払った代金を犯罪収益として摘発するのは全国初という。
悪質ホストなどが客に売春させる売掛金(ツケ払い)の回収手法も問題視されており、警視庁は警戒を強めている。
男性は、店でこの女性客にシャンパンの注文を促し、「本番行為があるから稼げる」などと東京都墨田区の風俗店を紹介していた。
男性は7月に、女性を風俗店にあっせんした職業安定法違反容疑で逮捕されていた。 
(令和6年8月16日に配信された「時事通信」より抜粋)

【組織犯罪処罰法違反の犯罪収益収受による刑事処罰とは】

犯罪収益であることを知った上で、その犯罪収益を受け取った場合には、組織犯罪処罰法違反に当たるとして、「7年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。

組織犯罪処罰法 11条(犯罪収益等収受
「情を知って、犯罪収益等収受した者は、七年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約(略)の時に当該契約に係る債務の履行が犯罪収益等によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した者は、この限りでない。」

【留置場での一般面会ができるタイミングとは】

刑事事件を起こして逮捕された場合に、ご家族の人など(弁護士以外の人)は、「逮捕されてから勾留決定されるまでの2、3日間」は、警察の留置場での一般面会をすることはできません。
勾留決定が出た後の、勾留10日間(または勾留延長20日間)は、ご家族の人など(弁護士以外の人)の一般面会が可能になります。

ご家族の人などの一般面会では、15分程度の面会時間の制限があり、警察官の面会立会いがあり、面会は1日1組限定となり、事件の詳細を話すことができない等、厳しい制約を受けます。

他方で、弁護士接見面会)であれば、逮捕当日でも接見面会)することが認められています。
面会時間の制限もなく、警察官の立会いもなく、今後の事件対応を弁護士とじっくり話し合うことができます。

「警察署の留置場」での一般面会においては、接見禁止処分などが付かない限り、一般面会できる人の制限は特にありません。
懲役刑を受けて服役中の「刑務所」での面会においては、関係者である親族や内縁の夫や妻、会社関係者などであれば、面会の必要があると判断されて、面会が許されます。
少年事件逮捕された場合の「少年鑑別所」においては、原則として、3親等以内の親族や学校関係者の一般面会だけが、認められます。

刑事事件を起こして逮捕された場合には、逮捕当日に弁護士接見面会)に向かうことで、逮捕直後の厳しい取調べを受ける中で、どのように事件の供述をしていくかを、被疑者と弁護士とで綿密に話し合って、今後の弁護方針を検討していくことが重要です。
留置場での接見面会)後に、刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、釈放活動や被害者との示談交渉活動などの弁護活動に尽力いたします。

まずは、売春報酬受領事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

東京都千代田区売春報酬受領事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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