売春場所の提供で逮捕
売春する場所を提供して風俗店経営者が逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
東京都新宿区で風俗店を経営するAさん。
風俗嬢が本番行為をすることを容認していました。
ある日、警視庁新宿警察署がAさんの店に摘発に入り、Aさんは売春する場所を提供したとして逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~売春防止法違反~
Aさんは売春防止法違反の容疑で逮捕されたことになります。
そもそも売春防止法では、法律の名前から予測できる通り、売春が禁止されています。
第3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
しかし、売春をしたこと自体に罰則はありません。
努力規定ということです。
ところが、売春を誘発するような行為の一部については罰則が設けられています。
たとえば今回問題になった売春場所の提供についてはこのような規定があります。
第11条1項
情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第2項
売春を行う場所を提供することを業とした者は、七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
このように場所の提供には重い罰則が定められています。
特に今回、逮捕されたのは風俗店経営者ですから、場所の提供を継続して行っていたでしょう。
したがって11条2項の「業とした者」に当たり、7年以下の懲役と30万円以下の罰金の両方が科される可能性があります。
なお、一般的にソープランドの経営者についてもこの条文に当たる可能性があります。
一応、性交については女性従業員と客の自由恋愛の上でしており、店は関わっていないという建前はありますが、未来永劫、摘発されないという保証はありません。
~他にも摘発される行為が~
売春場所の提供の他に、罰則が定められている行為についても見ておきましょう。
まず、売春をするために路上で客引きをする行為は、売春する女性本人が行った場合も風俗店のスタッフが行った場合も処罰される可能性があります。
第5条
売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
1号 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
(以下略)
第6条
1項 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2項 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
1号 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
(以下略)
また、最近では少なくなったと思いますが、人の借金に付け込んで、売春をさせるような行為も罰則の対象となります。
第7条1項
人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2項
人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
(以下略)
~弁護士にご相談を~
売春防止法に限らず、風俗営業に絡み逮捕された、捜査を受けたといった場合、取調べにはどう対応したらよいのか、被害者との示談をどう進めたらよいのかなど、わからない点が多いと思います。
関係者の方々にとって一番良い解決となるよう弁護士がサポートいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
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