営業禁止地域での風俗サービス
営業禁止地域での風俗サービスについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~今回のケース~
京都市東山区在住のAさんは(50歳)は同区内で個室マッサージ店を経営しています。
ある日Aさんは、従業員Bさん(25歳)に、男性客への性的サービスを行わせました。
Aさんの経営する個室マッサージ店は性的サービスを禁止する地域内にあったため、Aさんは京都府東山警察署の警察官に、風営法違反の疑いで取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~問題となる条文~
Aさんのように禁止区域での風俗営業は、風営法に違反することになってしまいます。
条文を見てみましょう。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第28条(店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等)
1 店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に傷害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定める者の敷地の周囲200メートルの区域においては、これを営んではならない。
2 前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。
少し長い条文ですので、以下、解説をしていきます。
〇店舗型性風俗特殊営業とは
上記28条1項に出てきた「店舗型性風俗特殊営業」は、「無店舗型性風俗特殊営業」や「店舗型電話異性紹介営業」や「無店舗型電話異性紹介営業」と区別するために、2条6項でどのようなものが該当するかの規定がなされています。
具体例としては、ソープやアダルトショップ、ラブホテルなど、店舗を有する店が該当します。
〇営業禁止地域
風営法28条では、店舗型性風俗特殊営業の営業を行うことのできる地域に制限をかけています。
官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設の敷地の周囲200メートル以内では、その営業を行うことができません。
また、各都道府県で条例により、営業禁止地域を加えることができるので、各都道府県の条例で追加で制限されている地域がないか確認する必要があります。
例えば京都府では「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」の第11条において追加の規制がなされています。
具体的な禁止地域の確認は、都市計画法なども参照しなければならず、今回は長くなるので省略しますが、このように様々な法律や条例を確認する必要があります。
〇罰則
風営法28条1項・2項に違反した場合の規定は同法第49条にあります。
もし、風営法28条1項・2項違反の罪で起訴されて有罪判決が確定してしまうと、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はその両方」が刑罰として科されてしまいます。
~風営法違反に対する弁護士の対応~
一般の方では、自分の営業が風営法においてどの営業に該当するのかについて判断するのは難しいと思います。
また、風営法だけでなく各都道府県の条例等も調べなければならず、一個人だけでそれを行うのはとても大変でしょう。
そこで一度、風営法に詳しい弁護士の元へ相談に行くことをおすすめします。
弁護士は、風営法違反にあたるかどうかについて豊富な知識と経験を持っています。
一度状況を整理してもらうことで自分の納得のいく解決に繋がる可能性がかなり高まるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、京都での風営法違反事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。