【報道解説】風俗店で性的暴行して強制性交罪で逮捕
20歳の警察官が風俗店で指名した女性に性的暴行をして強制性交罪で逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「風俗店で指名した女性に性的暴行を加えたとして、大阪府警は3日、交野署地域課の巡査、A容疑者(20)=大阪府寝屋川市幸町=を強制性交容疑で逮捕し、発表した。
『性交はできなかった』と容疑を否認しているという。
監察室によると、逮捕容疑は2日午後7時15分ごろ、大阪市都島区のホテルで20代女性が拒否したにもかかわらず、押し倒して性交したというもの。
A容疑者は別の警察官2人と区内の風俗店に行き、指名した女性と近くのホテルを利用していた。」
(令和4年11月3日に朝日新聞DEGITALで配信された報道より匿名にして一部抜粋して引用)
【風俗トラブルが刑事事件へと発展することがある】
今回取り上げた報道では、風俗店で指名した女性に性的暴行を加えた疑いで男性が逮捕されたという事件です。
逮捕された男性は、暴行又は脅迫を用いて性交を行った場合に成立する強制性交罪の疑いで逮捕されていますので、風俗店で指名した女性に無理やり本番行為を行った疑いがある可能性が考えられます。
風俗嬢が拒否しているにもかかわらず本番行為を強要したという風俗トラブルの多くは、警察が介入する前に解決することが多いです。
これは、被害にあった風俗嬢が警察に被害を申告する前に、当事者間で示談して事件を警察に届けない約束を取り付けているといった形で解決することが多いためであると考えられます。
無理やり本番行為をしたという風俗トラブルについては、トラブルについて知っている人が当事者しかいない場合が非常に多いでしょうから、トラブルの当事者が警察に申告しなければ警察は風俗トラブルを知るすべがないため、捜査に乗り出すきっかけがそもそもないといえます。
ただ、だからといって、風俗嬢に無理やり本番行為をしたという行為が犯罪にならないということではありません。
被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行または脅迫を加えた上で性交をした場合、刑法177条が規定する強制性交罪が成立することになりますので、被害にあった風俗嬢の方が、警察に被害を申告すれば、警察が捜査を開始して、刑事事件へと発展する可能性が十分考えられます。
【実際に性交していなくても罪に問われる】
逮捕された男性は「性交はできなかった」と供述しているようです。
仮に性交をしていなくても刑法180条は、強制性交罪の未遂を処罰の対象としていますので、性交をするために暴行又は脅迫を加えた時点で、強制性交罪の未遂として処罰されることになるでしょう。
強制性交罪の未遂については、「その刑を減軽することができる」(刑法43条)と規定されていますが、強制性交罪の未遂の法定刑は強制性交罪の既遂の場合と同じで、5年以上の有期懲役(刑法177条)となっています。
罰金刑が定められていないことから、強制性交罪の未遂の法定刑は比較的重いものといえるでしょう。
【風俗トラブルが刑事事件に発展することを回避したい方は】
現在抱えている風俗トラブルを刑事事件へと発展する前に穏便に解決したいとお考えの方は、弁護士に依頼されることをお勧めします。
刑事事件へと発展する前に風俗トラブルを解決するには、早期に被害にあった風俗嬢の方と示談をすることが非常に重要になります。
もちろん、弁護士を付けずに当事者同士で示談することも不可能ではないのですが、示談の条件や示談の方法によっては、後から締結した示談を蒸し返されるという危険性もあり得ますので、風俗トラブルをしっかりと解決するためには示談交渉の経験が豊富である弁護士に示談交渉を依頼されるのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
風俗トラブルが刑事事件へ発展することを回避したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。