【報道解説】16歳少女をガールズバーで雇用して風営法違反で逮捕

【報道解説】16歳少女をガールズバーで雇用して風営法違反で逮捕

16歳の少女ガールズバーで雇って接客させたとして、風営法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「岐阜市のガールズバーで16歳の少女を雇用し、接客させたとして、岐阜県警組織犯罪対策課と岐阜北署は16日、風営法違反年少者使用)の疑いで岐阜市八ツ梅町、風俗店経営の男(37)と、岐阜市柳津町宮東、自称とび職の男(34)を逮捕した。
逮捕容疑は10月25日、共謀し、岐阜市栄枝町のガールズバーで18歳未満の岐阜市の少女(16)を雇用し、来店客を接待させた疑い。内偵捜査で容疑が浮上した。」

(令和4年11月16日に岐阜新聞Webで配信された報道より引用)

【風営法違反(年少者使用)とは】

風営法22条1項には、風俗営業を営む者がしてはならない禁止事項が定められています。
そのうち、同項3号では「営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること」と規定し、同項4号では「営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させること」と規定しています。

今回取り上げた報道では、逮捕された男性らは、16歳の少女ガールズバーで雇って客の「接待」をさせていた疑いがあるとのことですので、風営法22条1項3号の禁止事項に違反した可能性があります。
こうした風営法22条1項3号や4号の禁止行為に違反すると、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられるか、又は懲役刑と罰金刑の両方が科される可能性があります(風営法50条1項4号)。

【「客の接待」と「客に接する業務」の違いは?】

先ほど記載した風営法22条1項3号の「客の接待をさせること」と4号の「客に接する業務に従事させること」を読んでみると同じ意味のように見えて、違いがよく分からないのではないかと思います。
また、「接待」に該当する具体的な行為や「客に接する業務」に該当する具体的な行為についても良く分からないかと思いますので、以下で簡単に説明します。

風営法2条3項によれば、「接待」とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす」こととしていますが、これだけ読んでもどのような行為が「接待」に当たるかは分かりにくいです。
そこで、全国各地の警察で風営法を統一的に適用するために警視庁が通達という形で発表している風営法の解釈適用基準というものを参考にすると、特定の客に対して単なる飲食行為に通常であれば伴うサービスの提供を超える程度に会話の相手をしたりお酌をしたりする行為が「接待」に当たるとされています。

その解釈適用基準によると、会話やお酌といった行為以外にも、特定の客の近くでその客が歌う曲に会わせて手拍子をしたり、歌が上手いとほめたり、客と一緒に歌を歌ったりなどの行為は「接待」に当たることになるとされていますし、また、特定の客と一緒にゲームをしたり、客の手を握ったりなどの行為も「接待」に当たるとされています(これらは「接待」に当たる行為の一例です)。

これに対して、「客に接する業務」とは「接待」よりも幅の広い意味を持っています。
解釈適用基準によりますと、「客に接する業務」とは、客に接し、客にサービスを提供するなどの業務をいい、「接待」に該当する行為を含むとされています。
具体的に「客に接する業務」に該当する行為としては、「接待」に当たらない程度の客との会話やお酌、水割りの調整等といった行為や、「接待」に当たらない程度にショーを客に見せたり、歌を聞かせたり、客とダンスをするといったものが挙げられています。
この他にも、客を客席等に案内したり、客席に飲食物を運んだり、飲食代金を客から徴収したり、客の手荷物を預かることなども「客に接する業務」に当たるとされています(これらは「客に接する業務」に当たる行為の一例です)。

【ガールズバーは「風俗営業」にあたる?】

ところで、こうした風営法22条1項に定める禁止事項は「風俗営業」を営む者に対して定められています。
風俗営業」の定義は、風営法2条1項によって定められていますが、いわゆるガールズバーは、女性従業員がカウンター越しにお酒を客に提供するだけの営業形態であることが多いかと思いますが、そのような業務形態であれば基本的に「風俗営業」に当たりません。

ただ、ガールズバーにおいて「接待」を行っている場合には、風営法2条1項1号に該当して「風俗営業」に当たることになります。
取り上げた報道では、ガールズバーの中にカラオケも設置されていたとのことですので、先ほども説明したように、ガールズバーの従業員の女の子が特定の客の近くで客に歌ってもらうよう勧めたり、客が歌う曲に会わせて手拍子や拍手をしたり、客の歌を上手いとほめたり、客と一緒に歌を歌ったりなどの「接待」を行った場合には、ガールズバーという形態でも「風俗営業」に当たることになります。

【風営法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は】

風営法違反について警察の内偵捜査を受けてお困りの方は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談することで、どういった罪に問われる可能性があるのかといった事件の見通しや、今後の対応方法についてアドバイスを貰うことが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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