取調べへの対応の仕方を教えてほしい

取調べ対応

捜査機関に犯罪をしたとの疑いをかけられた人は、警察署に呼出されたり、あるいは逮捕されて取調べを受けることとなります。

取調べ中に話したことは、調書という形で書面化され、刑事事件の証拠となります。

取調べは密室の取調室で行われ、時には長時間にわたって厳しく追及されることもあります。

歴史的に、捜査機関において、被疑者・被告人の自白を取ることが重要視されてきたということもあり、被疑者・被告人に自白をさせるため以下のような方法での取調べが行われることがあります。

  1. 朝から夜まで長時間、連日に及ぶ取調べ
  2. 弁護士を呼んでほしいと言っても無視される
  3. 暴力的、威圧的な態度での取調べ
  4. 取調官が嘘の事実(他の関係者は「お前がやった」と言っている、など)を述べ自白を誘導してくる
  5. 自白すれば逮捕しない、早く外に出られる、不起訴になる、執行猶予になるなどと述べ自白を誘導してくる

以上のような取調べは違法である可能性がありますが、密室で行われている取調べの違法性を証明することは容易ではありません。一旦自白すると、仮にそれが取調べに屈した結果の嘘の自白や自己に不利益な供述であったとしても、おおよそ被告人の有罪・量刑を決める重要な証拠として採用されてしまいます。

逮捕直後は特に、動揺や不安が強い上に、取調べが連日にわたることが多く、厳しい取調べに屈してしまい、嘘の自白や自己に不利益な供述をさせられたり、自分が言いたかったことと異なる、捜査機関に都合の良い調書を作成されたりすることがあります。

以下では、このような事態に陥らないため、法的に認められている取調べを受ける人の権利を紹介した上で、取調べの適切な受け方について説明します。

 

1 プロの味方をつける―弁護人選任権

取調べを行うのは、警察官や検察官といったプロです。

もし弁護人を選任することなく取調べに臨めば、素人がプロに対して何の対策もなく戦いを挑むことになります。

そこで被疑者や被告人には、いつでも法律のプロである弁護人を選任することができる権利が保障されています。

この権利を弁護人選任権といいます。

弁護人の選任を行い、取調べ前に弁護人に相談することで、法律的な観点からどのように取調べ対応をすればいいかという具体的なアドバイスを受けることができます。

あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱ってきた実績があり、警察官や検察官がどのように取調べを進めるのか、どのような点を重点的に聞いてくるかなどについて熟知しています。

それを踏まえた上で、個別の事件・事情に応じて、どのように対応するのがベストであるかというアドバイスをすることができます。

 

2 外部と連絡を取りたい―接見交通権

逮捕・勾留された方は、外部との連絡や接触を制限されます。

しかし、弁護士は、平日・休日を問わずどのような時間帯であっても、時間の長さの制限なく、逮捕・勾留された方と面会できます。このような弁護士との面会が保障されている権利のことを、接見交通権といいます。

逮捕・勾留されると、外部との連絡や接触を制限された状態で取調べを受けることとなり、孤独と不安を強く感じる方が多いでしょう。

接見交通権を行使すれば、弁護士から、取調べにどう対応すればよいかについてのアドバイスを受けたり、今後の手続きや最終的な刑事処分についての見通しの説明を受けたりできます。

 

3 取調官の質問に答えなくてよい―黙秘権

取調官の質問に対して答えなくてもよい権利のことを黙秘権といいます。

自白したり、不利なことをしゃべってしまいそれが調書として証拠に残ってしまうと、それを後の裁判等で覆すことは容易ではありません。そのような調書をとられないためにも、黙秘するということが極めて有効な場合があります。

取調べに対して、完全に黙秘すべきか、一部黙秘すべきか、黙秘せずに話すべきかどうかは、事案によってさまざまです。

弁護士がついていれば、そのような黙秘権行使に関する適切なアドバイスを受けることができます。

 

4 調書に署名・押印しなくてよい―署名押印拒否権

取調べで話した内容は「供述調書」に記録されます。

調書に署名押印することで、調書に記載されている内容は「供述者本人が発言したことに間違いのないもの」として後の裁判で取り扱われます。

この署名押印は、義務ではありません。

調書が正しい内容であっても、署名押印を拒めます。署名押印するか少しでも迷った場合には、いったん保留して弁護士に相談しましょう。

 

5 調書の内容を修正できる―増減変更申立権

調書の記載内容に誤りがあった場合、調書を修正するように申し立てができます。調書は後の裁判において重要な証拠になるため、自分が納得できる内容に訂正されるまで署名押印をする必要はありません。

遠慮せずに修正を申立て、自分が納得できる調書を作成してもらいましょう。

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