ケース別(利用客側)~SMプレイで傷害罪に!?~

1 SMプレイは犯罪なのか…

性的な行為を行う際に、敢えて相手に暴言や暴行を加えたり、相手からそういったことを求めたりといった、いわゆるSMプレイの嗜好を持つ方は少なからずいます。風俗店においても、サービスの一環としてSMプレイを提供するところが多く見られます。

風俗店を利用する際にSMプレイを行うことは、

  1. その風俗店がSMプレイをサービスの一環として提供していて、
  2. 相手をする風俗嬢もSMプレイを行うことを了解しており、
  3. 実際のプレイが、風俗店や風俗嬢が想定していた内容にとどまるもの

であれば、法的にも問題はないでしょう。相手に暴言や暴行を働くことは、そこだけ切り取って傍から見れば、脅迫罪・恐喝罪・侮辱罪・暴行罪・傷害罪等、様々な犯罪が成立し得ます。暴言や暴行を用いて無理矢理性的な事を行おうとするという点では、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)・不同意性交等罪(旧強制性交等罪)・不同意わいせつ致傷罪(旧強制わいせつ致傷罪)・不同意性交等罪(旧強制性交等致傷罪等)の犯罪の成立もあり得ます。

しかし、相手方が真に同意した上で、プレイの一環として行うものであれば、そうした暴言や暴行は犯罪を構成するものとはなりません。双方了解の上でのSMプレイ自体は、とくに法律が禁止するものではありません。

 

2 SMプレイが犯罪になる場合

そもそも風俗店や風俗嬢側がSMプレイを了解していない場合、客の方が無理矢理SMプレイを要求すれば、それは犯罪になり得ます。了解していない風俗嬢に対して暴力を振るえば、それは当然に暴行罪に、さらに風俗嬢が怪我を負った場合には傷害罪になり得ます。

暴力を用いてわいせつ行為をさせたということになれば、不同意わいせつ罪や不同意わいせつ致傷罪といった非常に重い犯罪の成立もあり得ます。

通常風俗店は、SMプレイをサービスとして提供する場合には、HPや料金表上に明記しています。SMプレイの有無によって料金体系も異なっていることが通常です。利用申し込みの際にSMプレイの要望を伝えてその了承を得ている場合以外は、基本的にはSMプレイについての風俗店・風俗嬢側の了承は無いものと考えるのが無難でしょう。

風俗店への申し込みの時点でSMプレイの話は出ていなかったが、相手をした風俗嬢がSMプレイをOKするような場合も、基本的にはSMプレイに及ぶのは控えた方が良いでしょう。後に揉め事になった際、SMプレイの申込み履歴等が無いと、むりやりSMプレイを強要されたなどと言われかねません。無用なトラブルを避けるためにも、SMプレイを望む場合には、SMプレイサービスを明記した風俗店でSMプレイプランを申し込んだ上で行うべきでしょう。

次に、SMプレイをめぐる風俗トラブルでとくに注意が必要なのは、SMプレイを行うこと自体に合意はあったものの、実際のプレイが度を過ぎてしまい、風俗店や風俗嬢側が想定していたレベルを超えてしまったような場合です。

SMプレイについて犯罪が成立しないと言えるためには、単に「SMプレイをすること」についての基本合意があるだけではなく、実際のプレイが、両者の合意の範囲に収まっている必要があります。

合意の範囲を超える暴言や暴力は、相手方が了承していないものとして、犯罪を構成することになってしまいます。実際、何をどこまでやって良いのか、全てを事細かに事前に決めておくということはあまり無いでしょう。

最終的には、常識の範囲・社会的に相当な範囲といった基準で違法かどうか判断することになるかもしれません。ただ、風俗店を利用する際には、少しでも不安がある場合は、自身がやろうとしていることについて相手の同意があるか、逐一確認するのが安全でしょう。

事前に風俗店に対して、プレイの内容としてどのようなものまでOKなのか細かく確認しておくのも有効でしょう。途中で相手が少しでも拒絶の態度を示した場合には、すぐに行動を控えるべきでしょう。密室内の出来事になるので、両者の間で何かトラブルが起これば、風俗嬢側の証言によって客側が不利な立場に追い込まれる可能性が大いにあります。

 

3 SMプレイを行って風俗店や風俗嬢から被害を訴えられそうになったら

SMプレイを行って風俗店や風俗嬢から、無理矢理やらされた、怪我をさせられた、等と被害を訴えられそうになった場合には、当事者同士でむやみにやりとりせず、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。

性的事件の場合には、当事者同士で直接やり取りをすると、互いに感情的になったり、過度の要求をされたり、様々な問題が生じます。

さらに、風俗店利用にともなうトラブルの場合は、風俗嬢本人だけではなくお店も介入することで、より混乱のもととなることが少なくありません。客側に非がある場合には、弁護士を介して、誠意ある謝罪や賠償を行い、どうにか話を収めて貰って捜査機関の介入等を回避するといった対応を迅速に進めるべきでしょう。

客側に非が無くて、風俗店や風俗嬢が不当な要求をしてきているような場合には、弁護士が前面に出て毅然とした態度で対応するべきでしょう。不当な要求の場合には、弁護士が出ていくことで一気に相手の要求が止まることが少なくありません。

いずれにせよ、トラブルの種が見られたらなるべく早く弁護士にした方が良いでしょう。事が大きくなって捜査機関が介入するようなことになれば、事態の収拾にもとても時間がかかることになります。一度捜査機関が介入すれば、逮捕・勾留や起訴・有罪判決といった様々なリスクが発生してきます。初期対応が極めて重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件を専門に取り扱い、日々多くの風俗店利用にともなうトラブルについての相談対応・事件受任・事件対応を行っています。

風俗店でSMプレイを行い、何らかのトラブルに巻きこまれた・巻き込まれそうという方は、ぜひ早めに一度弁護法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

 

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