未成年者との援助交際
未成年者を相手に援助交際をした場合の罪と、その場合の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
神奈川県座間市在住のAは、座間市内の会社に勤める女性会社員です。
Aは休日、複数回に亘り、相手にお金を渡して性行為などを行ういわゆる援助交際をしていました。
その際、Aは基本的にお金を渡していましたが、中にはお金を渡さずに性行為だけをしたことや、実際には会わなかったこともありました。
ある日、自宅に座間市を管轄する座間警察署の警察官が自宅に来て、Aが援助交際をしていた嫌疑で家宅捜索を行いました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【援助交際での刑事罰】
SNS等を中心に援助交際を行うという事例は少なくないようです。
一般的に「援助交際」と呼ばれる行為は、「買春(かいしゅん)」「売春(ばいしゅん)」に当たる可能性が高いです。
売春は売春防止法という法律で「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定められています。
買春は俗語で、一般的に売春の相手方になった(つまり、誘われるなどしてお金を貰って性行為をした)ことを意味します。
後述の児童買春を除き、成人同士の買春行為については、売春防止法で禁止されている行為ではあるものの処罰規定がありません。
次に、18歳未満の児童(性別を問いません。)を相手に買春する行為を「児童買春」と呼びます。
児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童買春、児童ポルノ処罰法)にて下記のように定義され、それを禁止されています。
なお、児童買春は被疑者が男性、児童が女性の場合が多いですが、ケースのように女性が児童買春をした場合にも当然に被疑者となります。
児童買春、児童ポルノ処罰法2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等…をすることをいう。
1号 児童
同法4条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
ケースのAはいわゆる買春行為を繰返し行っています。
もし、相手が18歳未満だと知っていて買春行為をしていた場合、児童買春の罪にあたります。
同様に、Aはお金を渡さずに性行為をしたこともありますが、これについてもお金を払うという約束をしていたのであれば「対償の供与の約束をして…性行為等…をする」行為に当たるので児童買春の罪が成立します。
予めお金のやり取りについて取り決めがなく、行為後もお金のやり取りをしていない場合は、各都道府県が定める青少年育成条例(ケースの場合は神奈川県座間市を想定しているため神奈川県青少年保護育成条例)に違反します。
なお、Aが相手の年齢を確認しておらず、相手が(例えばSNSのプロフィール欄等で)年齢を公表しておらず、容姿も未成年に見えず制服を着ていた等の事情もない場合、年齢の不知を理由に無罪を主張していく弁護活動も考えられます。
【援助交際の発覚について】
援助交際は、SNSで行われていることが多いことから、捜査機関のサイバーパトロールにより発覚する、あるいは別の援助交際事件で児童が保護され、その際にスマートフォンのデータを解析することで発覚する、といったデジタル面での発覚の可能性があります。
その他に、ラブホテルと呼ばれる場所の付近で私服警察官に声掛けされて発覚する場合や、ラブホテルの店員などが通報して発覚する場合も考えられます。
とりわけ前者については、事件発生から発覚に至るまでに数ヶ月、あるいは数年後に発覚するという事例もございます。
ケースの場合は家宅捜索のみですが、捜査機関の判断によっては逮捕状を請求し、逮捕をする場合も考えられます。
神奈川県座間市にて、援助交際が原因で児童買春や青少年育成条例違反などの嫌疑をかけられている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。