民家を盗撮

民家を盗撮

他人の民家盗撮した場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
福岡県宗像市在住のAは、宗像市内の会社に勤める会社員です。
Aは宗像市内の一軒家で生活しているところ、最近になって隣に一軒家が立ちました。
ある日、Aがふとカーテンを開けたところ、隣の一軒家の2階の窓から部屋の中が見えることが分かりました。
そして、そこは20歳女性Vが生活している部屋で、着替えなどもしていることが分かりました。
そこでAは小型カメラを購入し、自宅の窓枠にその小型カメラを設置することで、Vの私生活を盗撮していました。
後日、盗撮に気が付いたVは、家族にも相談した上で宗像市を管轄する宗像警察署の警察官に相談をし、被害届を提出しました。
宗像警察署の警察官は、捜査を行った上でAの家に予告なしで行き、家宅捜索を行いました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【盗撮について】

相手の了解を得ずに写真や動画を撮影することを、盗撮ということは御案内のとおりです。
盗撮は倫理上の問題があることは勿論ですが、全ての盗撮行為が刑事事件に発展するわけではありません。
例えば、他人の建物そのものを許可を得ずに盗撮したり、路上などで歩いている人を盗撮したりする場合には、基本的に刑事事件には発展しません。
問題となるのは、人が服を脱いだり着替えをしたりする場所を盗撮したり、衣服の下に着ている下着を盗撮したり(スカートの中などを撮影する場合等)する場合です。

着替えを盗撮する事件の多くは他人の家や部屋の敷地に侵入して行う場合が多いです。
とはいえ、ケースのように、たとえ着替えが見える場所に居る(部屋がある)からと言って、それをのぞき見たり盗撮したりして良いという道理はありません。
このようなかたちでの盗撮は、各都道府県の条例又は軽犯罪法に違反する恐れがあります。

ケースは福岡県宗像市での刑事事件を想定していることから、福岡県迷惑行為防止条例に違反を検討する必要があります。
福岡県迷惑行為防止条例で盗撮が問題となる罪は6条に規定されています。
同条例6条2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をし
てはならない。
1号 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
同3項 何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

まず、2項については、スカートの中に手を入れる場合などを想定してる条文ですので、適用されません。
次に3項について見ると、公衆便所・公衆浴場・公衆の更衣室・公衆が衣服を着けない等の場所での盗撮行為を規定しています。
ケースのAについて見ると、Vの部屋を盗撮したことが問題となっているところ、「講習」という要件を満たさないため、これも適用されません。

条例は各自治体で定められているルールですので、福岡県のように公衆の場所での盗撮と限定している自治体もございます。
では、福岡県内でこのような盗撮をしても罪に当たらないのかというと、そうではありません。
国会が定める法律の一種で軽犯罪法という法律があり、その軽犯罪法の第1条23号では「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」に対して「拘留又は科料」に処すると定めています。
よって、福岡県のように条例での定めがない場合でも、軽犯罪法により処罰されることになります。

福岡県宗像市にて、近所の民家をのぞき見たり盗撮したりしたことで警察官から取調べを受けた、あるいは家宅捜索を受けた方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

 

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