児童ポルノ製造
児童ポルノを製造した場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
千葉県市川市在住のAは、市川市内の会社に勤める会社員です。
Aの近所には15歳の児童Vがいて、何度か挨拶をしていくうちに話をするようになりました。
次第にVが芸能人になりたいという夢があることを知るようになったAは、自分には芸能プロダクションの知り合いがいるのでプロモーションビデオを撮って送ろうと言いました。
そしてAは休日にVを家に呼び、Vの動画を撮影したのですが、Vには洋服を着替えるように伝えて別室で着替えさせたところ、その部屋に隠しカメラを設置していて、撮影していました。
そしてその動画を、知人数人に無償でデータ送信していました。
ある日、Aは別の事件で市川市を管轄する行徳警察署の警察官からスマートフォンを押収されました。
そのデータを解析したところ、Vの盗撮動画が出てきたことから、児童ポルノの製造・所持でも捜査を受けることになりました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【①児童ポルノ製造について】
「児童ポルノ」について、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童買春、児童ポルノ処罰法)で「写真、電磁的記録…に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。」とし、「⑴児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態、⑵他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの、⑶衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位…が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」と定められています。
そしてこの児童ポルノについては、所持・提供・陳列・製造・運搬・輸出入などが禁止されています。
ケースの場合、「製造」と「所持」、「提供」とが問題になると考えられます。
児童ポルノ「製造」というと、非常に大掛かりな事件に思えるかもしれません。
例えば、児童ポルノに当たる動画や画像を撮影し、それをDVDやブルーレイディスクなどに焼き増しして、販売する等の事件であれば、「製造」と言われて納得されるかもしれません。
しかし、製造という罪は、映像や画像を撮影する行為だけで成立するのです。
【②児童ポルノの所持】
また、児童ポルノの動画や画像をスマートフォンやパソコンなどのデータとして保管している場合、児童ポルノの所持罪に当たります。
【③児童ポルノの提供】
児童ポルノにあたる動画や画像を提供する行為も罪にあたります。
DVDやブルーレイディスクなどの具体的な媒体のみならず、Aのようにデータで提供した場合にも成立します。
なお、児童ポルノの提供は、提供そのものが処罰対象であり、有償・無償を問いません。
【児童ポルノの罰則は?】
児童ポルノについての刑罰は、自分の性的好奇心を満たす目的なのか、あるいは提供する目的があるのかにより罪が異なる場合があります。
①児童ポルノの製造について、これは自分の性的好奇心を満たす目的であれば同法7条4項が、提供の目的であれば同法7条3項が、それぞれ成立することになります。
いずれの場合も罰条は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
②児童ポルノの所持について、自分の性的好奇心を満たす目的であれば同法7条1項が適用されます。
罰条は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
提供の目的がある場合には、同法7条3項が適用されます。
罰条は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
③提供については、同法7条2項が適用されます。
罰条は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、児童ポルノの製造・所持に携わった場合の罪についても取り扱っております。
千葉県市川市にて、御家族が児童ポルノの製造・所持などの罪で逮捕された場合、あるいは御自身がそのような罪での在宅捜査を行っていた場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
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