【報道解説】大阪府羽曳野市の売春場所提供事件で逮捕
大阪府羽曳野市の売春場所提供による逮捕事案を例に、私選弁護人を付けるメリットについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
大阪府羽曳野市のマンションの一室を売春の場として提供したとして、大阪府警は、令和7年3月10日に、売春防止法違反(場所提供)などの疑いで、千葉県市川市在住の男性(41歳、職業不詳)を逮捕したと発表した。
大阪府警によると、売春に従事していたのは主に中国人やタイ人の女性であり、男性も運営に関与していたとみられる。
売り上げの一部が最終的に中国本土に送られていた可能性があり、大阪府警は中国人による売春組織が関与している疑いがあるとみて実態解明を進める。
大阪府警によると、令和6年10月頃に、このマンションの別の棟の同じ部屋番号の住民から「男性がよくまちがえて訪ねてくる」と相談を受け捜査を開始した。
大阪府警は、このマンションで性的サービスに従事していたとみられるタイ国籍の女性(27歳)についても、風営法違反(禁止区域営業)容疑で逮捕した。
組織は出会い系サイトなどで客を募集しており、国内でこうした拠点を約400カ所運営していたとみて調べている。
(令和7年3月10日に配信された「産経新聞」より抜粋)
【売春場所提供罪の刑事処罰とは】
売春防止法では、「売春を周旋すること」や、「売春をさせることを内容とする契約をすること」、「売春を行う場所を提供すること」、「売春をさせることを業とすること」等を禁止して、刑事処罰の対象としています。
売春防止法違反による売春場所提供罪の法定刑は、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」とされています。
・売春防止法 第11条1項(場所の提供)
「情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」
【私選弁護人と国選弁護人】
売春防止法違反事件を起こして逮捕された場合に、早期釈放や刑事処罰の軽減のためには、逮捕初期の段階から、弁護士を付けることが重要になります。
私選弁護人という形で、自ら弁護士を依頼すれば、逮捕初期の段階から、早期釈放の働きかけを裁判所や検察庁に働きかけたり、事件の早期解決のために被害者や関係者と交渉するなど、私選弁護人が積極的な弁護活動を行うことができます。
他方で、条件を満たせば、国が選ぶ国選弁護人を付けることができるケースもあります。
国選弁護人を付けるためには、逮捕されて勾留決定(原則として10日間の身柄拘束)が出ていることかや、資力要件を満たしていること(50万円未満の資力要件)などが、必要となります。
(2018年6月以前には、被疑者国選の選任要件として、「死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件について被疑者に対して勾留状が発せられている場合」という要件があり、例えば暴行罪の場合には、起訴前の被疑者段階で国選弁護人を選任できませんでしたが、2018年6月の刑事訴訟法改正で、この要件は撤廃されています)
【売春防止法違反で私選弁護人を付けるメリット】
国選弁護人は、弁護士費用を負担せずに弁護人を選任できる反面で、登録弁護士の中からランダムに弁護人が選ばれる制度であるため、刑事事件にあまり詳しくない弁護士や、刑事弁護に熱心で無い弁護士が選ばれてしまうリスクがあります。
また、国選弁護人を選任できるのは勾留決定が出た後のタイミングになるため、逮捕されてから勾留決定が出るまでの逮捕初期のタイミングでは、私選弁護人でなければ早期釈放等に向けた弁護活動を行うことは出来ません。
売春防止法違反事件で刑事弁護の依頼を受けた私選弁護人は、まずは逮捕直後の段階から、勾留決定(10日間の身柄拘束)が出る前までに、早期釈放のための裁判所や検察庁への働きかけを行います。
まずは、売春場所提供事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
大阪府羽曳野市の売春場所提供事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。