【報道解説】京都市右京区で個室マッサージ店の無届営業事件で逮捕
京都市右京区で個室マッサージ店の無届営業事件による風営法違反事件を例に、情状主張による弁護活動によって起訴猶予を目指す方針について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
京都府警察本部生活保安課と京都府右京警察署は、令和7年4月14日に、風営法違反(無届け、禁止区域内営業)の疑いで、個室マッサージ店経営の京都市南区在住の女性(47歳、中国籍)と、従業員の女性2人を逮捕した。
逮捕容疑は、共謀して、京都府公安委員会に届け出ず、京都市右京区の性風俗営業禁止区域のビルで、2月21日と4月3日に、男性客2人に性的サービスを行った疑い。
経営者の女性と従業員の1人は容疑を認め、別の従業員は「私は客に性的サービスをしたことは一度もない」と否認しているという。
(令和7年4月14日に配信された「京都新聞」より抜粋)
【性風俗店の無届営業と禁止区域営業による刑事処罰とは】
性風俗特殊営業を営む店舗を設置する際には、都道府県の公安委員会に届出をすることが必要になるとともに、その性風俗店の設置場所が、「都道府県の条例で、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止されている区域」でないことが必要になります。
都道府県の公安委員会に届出をせずに、無届けで性風俗店を営業した場合には、風営法に違反するとして、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
条例で定められた営業禁止区域において、店舗型性風俗特殊営業を営んだ場合には、風営法に違反するとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
【風営法違反事件の起訴・不起訴の判断】
風営法違反などの刑事事件を起こして、警察での取調べを終えて書類送検された場合、検察官による起訴・不起訴の判断として、次のいずれかの処分がとられることになります。
・起訴
・訴訟条件を欠くことによる不起訴 (被疑者の死亡など)
・責任能力を欠くことによる不起訴 (少年犯罪、精神疾患など)
・犯罪の嫌疑が無く不起訴
・犯罪の証拠が不十分で不起訴
・被疑者の情状考慮により起訴猶予の不起訴
【情状による起訴猶予の不起訴処分とは】
刑事訴訟法第248条には、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」との規定があります。
実務上、事件を起訴するかどうかの判断は、検察官が担っています。
犯罪の嫌疑が十分にあって、立証に必要な証拠もそろっており、事件を起訴することが可能な場合でも、検察官が「訴追の必要がない」と判断すれば、「起訴猶予による不起訴処分」との判断が出て、刑事処罰を受けることはありません。
検察官による起訴・不起訴の判断や、あるいは、起訴された際の刑罰の求刑判断に対しては、被疑者本人と弁護士とで綿密な打ち合わせを行い、弁護士から検察官に対して刑事処罰軽減すべき事情を主張していくなど、被疑者の有利となるように弁護士の側から働きかけを行うことが、重要な弁護活動となります。
まずは、個室マッサージ店無届営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
京都市右京区の個室マッサージ店無届営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。