風俗トラブルで準強制性交等罪(旧準強姦罪)
Aは、本番行為はなしという前提で、大阪泉大津市のホテルにデリヘル店の従業員女性Vを呼んだ。
しかし、到着したVはすでに酔っており、これに乗じてAはVと性行為を行った。
すると後日、Vは「無理やり性行為をされた」として、大阪府泉大津警察署に被害届を提出するとAに伝えてきた。
Aは、このまま刑事事件となったらどのような犯罪に問われるのかと不安になり、風俗トラブルに強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~風俗トラブルと準強制性交等罪(旧準強姦罪)~
本件では、Vとの風俗トラブルにおいて、Aは準強制性交等罪の嫌疑をかけられる可能性があります。
準強制性交等罪とは、耳慣れない方も多いかもしれませんが、かつて準強姦罪として規定されていた犯罪のことです。
2017年の改正刑法によって、処罰対象となる行為が「姦淫」から「性交等」に拡大され、法定刑も「3年以上の懲役」(旧準強姦罪)から「5年以上の懲役」(準強制性交等罪)へと引き上げられました。
上記改正後の刑法178条2項は、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者」を、準強制性交等罪(旧準強姦罪)とすると定めています。
イメージの持ちやすい強制性交等罪(旧強姦罪)と異なり、やや分かりにくい規定であるため、以下上記条文(178条2項)をもとに、準強制性交等罪がどういった犯罪なのかを説明いたします。
本条項にいう「心神喪失」若しくは「抗拒不能」とは、睡眠・泥酔等により自身が性交等を行われているか認識できない状態若しくは物理的・心理的に抵抗することが著しく困難である状態をいうと解されています。
この「心神喪失」「抗拒不能」の状態は、第三者により作出された場合や、被害者自身による場合も含まれると考えられています。
したがって、本件のようにA自身ではない第三者によってVの「心神喪失若しくは抗拒不能」の状態が作出されていたとしても、これに「乗じ」てAがVと「性交等」(本件では通常の性行為)をしたのであれば、準強制性交等罪(旧準強姦罪)の成否が問題となることになります。
なお、上述した刑法改正に伴い、本罪も非親告罪化されていることから、被害者等による告訴がなくとも起訴することは可能となっていることに注意が必要です。
~準強制性交等罪(旧準強姦罪)における合意の有無~
仮に派遣された風俗店において、本番行為が禁止されていたとしても、相手女性との間で合意があれば、少なくとも準強制性交等罪(旧準強姦罪)等の刑法上の性犯罪には該当することはないと考えられます。
そこで、本当に強制的な契機があったのかどうかという点で、合意の有無が争点となることも少なくありません。
特に性行為などは、本件のようにホテル等の密室で行われることが大半であり、他の人間の目に入る状況ではないため、被害者の供述が重要な証拠として扱われることになります。
したがって、弁護士としては、被疑者の言い分も十分に聞き取り、双方の言い分をまずは十分に把握する必要があります。
そして、被害者の供述に矛盾点などがないか、あるいは被疑者に有利な客観的証拠の存在はないかなどを調査することが必要になってくるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、風俗トラブルを含む刑事事件専門の法律事務所です。
準強制性交等罪(旧準強姦罪)では近年でも無罪判決が出る等、合意の有無を含め弁護士による刑事弁護活動が極めて重要な部類の犯罪です。
弁護士が、逮捕等の可能性を含め刑事手続におけるリスクなど、相談者様が疑問や不安を感じる点に関しても専門知識をもとに分かりやすくご説明差し上げます。
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(大阪府泉大津警察署までの初回接見費用:38,100円)