風俗店で強制わいせつ罪?強要罪?

風俗店で強制わいせつ罪?強要罪?

風俗店で強制わいせつ罪や強要罪が成立しうるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
Aさんは兵庫県神戸市で営業する風俗店を利用した後、風俗店からの店長からの電話を受け、
「うちの風俗嬢Vが、あなたからサービス外の行為を強要されたとして被害を訴えてきた。」
「事実であれば、長田警察署被害届を出すことも検討している。」
「また、店の規約違反なので違約金を支払って欲しい。」
などと言われました。
困ったAさんは風俗トラブルに詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~事実であれば・・・・~

風俗店の利用客がサービス範囲を超えた行為であることを認識しつつ、それを強要し風俗トラブルに発展するというケースがあります。
こうした場合は店ではなく実際に被害にあった被害者から警察に被害届を提出され、強制わいせつ罪強要罪に問われる可能性があります。
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪は暴行脅迫を手段とする犯罪です。
つまり、相手方の意思に反してわいせつ行為を行った場合は強制わいせつ罪に問われる可能性があるのです。
したがって、あなたがいくら「同意のもとだった」と主張しても、被害者が「同意はなかった」と主張すれば強制わいせつ罪で処罰される可能性があります。

風俗トラブルで強制わいせつに発展するケースでは、利用客がもともと風俗嬢に対して過剰なサービスを要求するつもりで風俗店を利用することは少なく、むしろ、もともとはそうしたつもりはなかったものの、サービスを受けている最中に気持ちが高ぶり、風俗嬢に過剰なサービスを要求するというケースも多いです。

次に、強要罪は刑法223条に規定されています。

刑法第223条
1 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。

暴行・脅迫を手段とする点では強制わいせつ罪と同様ですが、わいせつな行為をすることが成立条件とされていない点で異なります。
したがって、わいせつな行為をしていなくても、風俗嬢が嫌がるような行為を強要した場合は強要罪に問われる可能性があるのです。

たとえば、利用客の趣味嗜好の一環として、風俗嬢に対し特定の言葉やポーズを無理に要求したりするなどの行為です。
この場合も、強制わいせつ罪と同様、利用客と風俗嬢との意識の間にずれが生じ、利用客としては強要したつもりはなくても風俗嬢から「強要された」と主張されて強要罪で処罰される可能性もないとはいえません。

~被害届を出すと言われたら・・・~

風俗嬢や、その話を聞いた風俗店から強制わいせつ罪や強要罪で被害届を出すと言われたら、風俗嬢や店側と交渉する前に、一度弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、当事者だけで話を進めることにはリスクがあるからです。
なんとなく怖くなって相手の要求通りに応じると、その要求がいつまでも繰り返されたり、一度済んだと思った話が後になって蒸し返されたりということが往々にして起こります。
こうした中、弁護士が当事者の間に入ることで、円滑・適切に交渉を進めることができます

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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