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【報道解説】埼玉県大宮市で執拗に風俗店の客引きをして風営法違反で逮捕

2024-02-17

【報道解説】埼玉県大宮市で執拗に風俗店の客引きをして風営法違反で逮捕

執拗に風俗店客引きをしたことにより、風営法違反迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店などへの客引き行為を行ったとして、埼玉県警国際捜査課、組織犯罪対策課、保安課、大宮署は13日、風営法違反埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで、中国籍の女5人を逮捕した。
逮捕容疑は、いずれもさいたま市大宮区内の路上で警戒中の捜査員に対して、風俗店に勧誘する目的で客引き行為をしたり、腕をつかむなどの執拗(しつよう)な方法で客引きをした疑い。
国際捜査課によると、逮捕されたのは、いずれも同市大宮区仲町1丁目のX1とX2の従業員ら。
両店舗を含むJR大宮駅周辺の歓楽街の複数店舗で料金トラブルの相談や110番があり、その捜査過程で今回の逮捕につながったという。

(令和4年6月14日に埼玉新聞より配信された報道より一部匿名表記にして引用)

【風適法違反になる客引き行為とは?】

報道に記載されている「風営法」とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と言います。

風営法22条1項1号では風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをしてはならないとしており、同項2号では、風俗営業を営む者は、風俗営業に関して客引きをするめ、道路などの公共の場所で、人の身辺に立ちふさがったり、つきまとうことをしてはならないと規定しています。

この、客引き行為や、客引きのために道路などで人の身辺に立ちふさがったり、つきまとう行為が禁止される「風俗営業」とは、風営法2条1項各号に掲げる業種のうち、いずれかに該当する業種のことを言います。

①キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(風適法2条1項1号)
②喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)(同項2号)
③喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの(同項3号)
④まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業(同項4号)
⑤スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)(同項5号)

そして、風営法22条1項1号、同項2号に違反すると、6ヶ月以下の懲役刑か、100万円以下の罰金刑、又はこの懲役刑と罰金刑が併科されることになります(風営法52条1号)。

【迷惑行為防止条例違反になる客引き行為とは】

埼玉県迷惑行為防止条例7条1項1号では、公共の場所における客引き行為を禁止しています。

客引き行為が禁止されるものとしては、
①人の性的好奇心をそそる見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供(同条例7条1項1号イ)
②歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる行為又はこれを仮装したものの提供(同号ロ)
③人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる営業に関する情報の提供(同号ハ)
④売春類似行為(同条例7条1項3号)
といったものがあります。

このような規制に加えて、埼玉県迷惑行為防止条例では、客引きの業種を問わずに、「人の身体、衣服若しくは所持品をとらえ、立ちふさがり、つきまとう等執ような方法」で行う客引きについても禁止しています(同条例7条1項6号)。

報道では、腕をつかむなどの執ような方法で客引きをした疑いがあるとのことですので、この埼玉県迷惑行為防止条例7条1項6号に当たるとして逮捕された可能性があります。

なお、こうした埼玉県迷惑行為防止条例7条1項の規定に違反して客引きをした場合の法定刑は、50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています(同条例13条2項3号)。

【客引きで逮捕されてお困りの方】

身近な方が、客引きをしたことにより警察に逮捕されてしまい、どうすればよいのか分からず不安に思っていらっしゃる方は、弁護士に初回接見に向かってもらうように依頼されることをお勧めします。
この初回接見によって、弁護士逮捕されたご本人から直接事件についてお話を伺うことで、事件の見通しや今後どのような流れで捜査が進んでいくのかということについて知ることができるでしょう。
また、今回取り上げた報道のように逮捕された方が外国籍の方であって、仮に日本語に不慣れな方であるという場合には、必要に応じて初回接見の段階から通訳人を付けて接見を行うことも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
身近に風俗店客引きをした疑いで逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】映像送信型性風俗特殊営業による児童ポルノ事件

2024-02-09

【報道解説】映像送信型性風俗特殊営業による児童ポルノ事件

岐阜県で発生した映像送信型性風俗特殊営業無届営業事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

無料動画・画像検索エンジンサイトで児童ポルノ動画を掲載したなどとして、岐阜県警と愛知県警の合同捜査本部は、令和6年1月30日に、サイトを管理運営している男女4人を逮捕し、31日に岐阜地方検察庁へ送検した。
警察によると、4人は令和3年9月から令和6年1月17日まで、公安委員会に無届けで映像送信型性風俗特殊営業を行い、運営するサイトでわいせつな映像を配信、児童ポルノ動画データを掲載した疑いが持たれている。
関連のサイトも含め、1億円にのぼる広告収入を得ていたとみられている。
警察は捜査に支障があるとして4人の認否を明らかにしていない。
(令和6年1月31日に配信された「ぎふチャンDIGITAL」より抜粋)

【映像送信型性風俗特殊営業の無届営業による刑事処罰とは】

風俗営業法によると、「映像送信型性風俗特殊営業」とは、「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達することにより営むもの」をいいます。

性風俗特殊営業を行う場合には、各都道府県の公安委員会への届出をする必要があります。
無届けで性風俗特殊営業を行った場合には、風俗営業法違反に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。

性風俗特殊営業の無届営業による刑罰の法定刑は、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」とされています。

【警察から出頭呼び出しがあった場合の対応】

捜査機関での取調べとは、事件の被疑者や目撃者などから、犯罪に関する事情を聴いたり説明を求めたりする目的で行われます。
被疑者が逮捕勾留されていない在宅事件の場合には、被疑者の取調べは、警察署等への任意出頭任意同行によって行われます。

警察への任意出頭任意同行を求められた場合には、必ずしも逮捕されるとは限りません。
警察が任意同行任意出頭を求めるのは、犯人と疑われる人や重要参考人から、事件についての事情を聞くことが主な目的だからです。

しかし、任意同行任意出頭に向かったところ、そのまま逮捕に至るケースもあることを考慮しておく必要があります。
例えば、すでに逮捕を予定しており、逮捕状を準備した上で任意同行任意出頭を求める場合や、出頭後の取調べで犯罪の嫌疑が高まったとして逮捕に至る場合などが考えられます。

他方で、何ら正当な理由なく、連絡もしないまま出頭を拒んでいると、警察から逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると疑われて逮捕される場合があります。
何も連絡しないまま警察からの出頭要請を拒み続けることは、避けるべきでしょう。

まずは、映像送信型性風俗特殊営業無届営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

岐阜県映像送信型性風俗特殊営業無届営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】東京都池袋のホテルで風俗店の女性従業員をスマホ盗撮事件

2024-01-24

【報道解説】東京都池袋のホテルで風俗店の女性従業員をスマホ盗撮事件

風俗店トラブル盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

島根県は令和4年11月28日に、東京出張中の公務時間中に派遣型風俗店を利用し、女性の裸を盗撮したとして、島根県東部の地方機関の男性職員(27歳)を、停職4カ月の懲戒処分とした。
人事課によると、男性は10月26日午前11時頃に、東京・池袋のホテルで風俗店の女性従業員をスマートフォンで動画撮影(盗撮)した。
被害者女性に見つかり、警視庁池袋警察署性的姿態撮影処罰法違反撮影)の疑いで現行犯逮捕された。
被害者女性と示談が成立し、11月15日付で不起訴処分となった。
(令和4年11月28日に配信された「中国新聞デジタル」より抜粋)

【盗撮による性的姿態等撮影罪の刑事処罰とは】

相手方の許可なく「性的な部位や、下着部分」「わいせつ行為や、性交等」を盗撮した場合には、性的姿態撮影処罰法違反の「性的姿態等撮影罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
性的姿態撮影処罰法は、令和4年7月13日に新しく施行されて、盗撮行為を処罰する規定が置かれています。

性的姿態撮影処罰法 2条1項(性的姿態等撮影
「次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(略)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(略)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(略)又は人が身に着けている下着(略)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(略)がされている間における人の姿態」

風俗店トラブルとしては、風俗店でのサービスを無断で盗撮した場合に、「わいせつな行為又は性交等」を盗撮したとして、警察に通報されて、性的姿態等撮影罪の容疑をかけられる可能性が考えられます。

【盗撮による風俗店トラブルの示談解決】

風俗店トラブル盗撮事件を起こした場合に、刑事事件となることを防ぐためには、被害者が警察に被害届を出す前の段階で、示談交渉をして謝罪や慰謝料支払いの意思を伝えて、被害者から許してもらうことが重要となります。

示談解決の経験が豊富な弁護士に、被害者側との示談交渉を依頼することで、きっちりと事件を終結させて、家族や勤め先等に迷惑をかけない解決を目指すことができます。

まずは、スマホ盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

東京都池袋スマホ盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】デリヘルでの性的暴行で不同意性交等罪で逮捕

2024-01-16

【報道解説】デリヘルでの性的暴行で不同意性交等罪で逮捕

デリバリーヘルス(デリヘル)で従業員に性的暴行を加えたとして不同意性交等罪の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「神戸市内のホテルで風俗店従業員の女性に性的暴行を加えたとして、兵庫県警葺合署は、不同意性交等罪の疑いで、鳥取県倉吉市上井の精肉加工販売会社社長、A容疑者を逮捕した。
逮捕容疑は2日午前1時55分~同2時35分ごろまでの間、神戸市中央区のビジネスホテルで、デリヘル従業員の女性(24)の両手首を押さえつけ、性的暴行を加えたとしている。
同署によると、容疑を大筋で認めているが、『(女性の)両手首を押さえたのでなく手をつないでいたという認識』とも話しているという。
女性が風俗店に電話し、『助けてください』と訴えたため、風俗店の男性経営者が110番して発覚した。」

(令和4年12月2日に産経新聞で配信された報道より、一部匿名に変更し、事実を一日改変して引用したフィクションです。)

【デリヘルで本番行為のリスク】

今回取り上げた報道では、デリヘルの従業員に対して性的暴行を加えたとして不同意性交等罪の疑いで逮捕されたケースです。

上記実際の事例が発生したのは令和4年のことで、当時は刑法177条「強制性交罪」として立件されていました。
強制性交等罪は、被害者が13歳以上である場合、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫を用いて性交したときに成立します。

ホテルの一室で男性が風俗嬢の方が動いで拒否しないように両手首を掴んだり手をつないだりした上で性交をした場合には、男女の体格の違いや場所がホテルの一室で二人きりであったなどの状況も相まって、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行を用いて性交をしたとして強制性交等罪が成立する可能性があります。

なお、強制性交「等」罪という犯罪名ですから、性交をした場合以外にも、肛門性交口腔性交をした場合にも強制性交等罪が成立することになります。

強制性交等罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっています。

令和5年7月13日、強制性交等罪は「不同意性交等罪」へと改定されました。

【不同意性交等罪】

現在の第177条(不同意性交等罪)は、次に掲げる行為・事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交等をした場合に成立します。

次の行為・事由とは、簡潔に要約すると、「暴行脅迫」、「心身の障害、その恐れ」、「アルコール・薬物等の影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと」、「予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させること」、「虐待に起因する心理的反応、そのおそれ」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8要件が列挙されています。

改定以前の「暴行脅迫」による被害者の望まぬ性交も、引き続き不同意性交等罪で処罰されることになります。

不同意性交等罪は、婚姻関係の有無にかかわらず成立する可能性があり、法定刑は五年以上の有期拘禁刑となっています。

【風俗トラブルで警察沙汰にしたくないとお考えの方は】

今回取り上げた報道では、性的暴行を受けたデリヘル従業員の女性が店に連絡したことをきっかけに現場に駆け付けた警察官が署まで任意同行をした上で逮捕されたケースです。
このようなケースとは違って、無理やり本番行為をした日からしばらく経ってから、警察に逮捕されるという場合も考えられます。

そのため、風俗嬢の方が本番行為について嫌がる様子を見せていたがその場では直接何も言われなかった場合や、最初は風俗嬢の方から慰謝料などを求められて連絡を取っていたが次第に連絡がつかなくなった場合に、「事件にならなかった」「これで事件が終わった」などど安易に判断することなく、まずは弁護士にご相談されることをお勧めします。

ある日突然、自宅に警察が来て逮捕されるということを避けるためには、弁護士を付けてお相手の風俗嬢の方と示談をすることが重要になります。
不同意性交等罪は数ある性犯罪の中でも非常に刑が重い犯罪ではありますが、被害者の風俗嬢の方が警察に被害について申告する前に示談を結ぶことができれば、警察が介入して刑事事件へと発展する前に風俗トラブルを解決することも不可能ではないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風俗トラブルで警察沙汰になることを避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談下さい。

風俗で合意あり性交後に不同意性交等罪の被害届を出されたら

2024-01-08

風俗で合意あり性交後に不同意性交等罪の被害届を出されたら

風俗嬢合意の上で性行為に及んだ後、合意を翻して被害届を出すと言われた、または被害届を出されて刑事事件化した場合の責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

会社員のAは、神奈川県川崎市のデリヘルを利用し、指定した風俗嬢Vと合意の上で性行為に及び、その分の料金を支払いました。
翌日、デリヘル店から電話がかかってきて、Aが無理矢理Vに性行為を迫ったと言われ、神奈川県警川崎警察署不同意性交等罪被害届を出すと言われました。
Aはデリヘル店と示談をすれば刑事事件化を防げるのか不安となり、また、どのような刑事責任を負うことになるのか知るため、刑事事件専門の弁護士事務所に相談に行きました。
(フィクションです。)

【不同意性交等罪とは】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる性犯罪刑事事件の中で、しばしば風俗トラブルによる刑事責任にお悩みの方がいらっしゃいます。
その中でも、相談者(被疑者)の方は女性(被害者)の同意があると思って性的な行動に及んだけれど、女性が後から性犯罪示談を迫ってくる、または示談の予告なしに警察署に被害届告訴を提出するパターンを本ブログで紹介いたします。

令和5年7月13日、従来「強制性交等罪」とされていた犯罪が「不同意性交等罪」と改定されました。

不同意性交等罪によれば、次に掲げる行為等により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑が科されることになります。

次に掲げる行為として、8つの類型が規定されており、大まかに言うと、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせる」、「アルコール・薬物の摂取、それらの影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない」、「予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕がくさせること」、「虐待に起因する心理的反応」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」が列挙されています。

刑法改正の趣旨として、従来主たる原因であった「暴行脅迫」に加え、従来「準強制性交等罪」の処罰対象であった睡眠状態や意識低下状態に乗じた性犯罪を加え、さらに人間関係の立場や心理状態の悪用等も処罰対象に加えるべく、処罰範囲を限定しつつ拡大を図ることが目指されています。

【同意・不同意でもめる風俗トラブル】

このような風俗トラブルによる性犯罪事案の場合、相談者は「本来風俗嬢と合意があった」と主張し、不同意性交等罪の成立を否認したいと考えるケースが非常に多いです。
本来、刑事事件では自分の認識のない被疑事実を認める必要はなく、刑事訴訟法上、被疑者は公開の刑事裁判を経て有罪が確定するまでは推定無罪をされるのが大原則です。

しかし、性行為同意があったか否かは被疑者と被害者の当事者間の問題ですので、実際に被害者と同意があったかを客観的に証明するのは困難であり、この点が風俗トラブルの刑事手続きの難しい点であると言えます。

あくまで被害者との間に同意があったと主張したい場合、刑事事件としては不同意性交等罪の成立を否認することになります。
つまり、同意があったのだから不同意性交等罪は成立しない(と主張している)のだから、被害者に対して示談交渉をすることができず、長期にわたって捜査機関の取調べに耐えることになるデメリットが生ずることを覚悟しなければなりません。

前述のとおり、不同意性交等罪は、5年以上の有期拘禁刑という非常に重い刑が科される可能性があります。
もし刑事事件化した場合、逮捕勾留による長期的な身体拘束のリスクと同時に、結果として実刑判決が下され刑務所に行く可能性があることを考えると、被害者の刑事処罰感情を和らげる方向を検討することも十分考慮すべきです。

もちろん、まったく認識のない被疑事実を頭から認める必要はありませんが、風俗トラブルに代表される、被害者との合意のありなし等で主張が対立するケースでは、事前に刑事事件に経験豊富な弁護士に相談し、事実を否認することのメリット・デメリットを正しく認識したうえで、刑事事件化の可能性に備えることが最も望ましいでしょう。

風俗嬢との同意のもとで性行為があったにも関わらず後に不同意性交等罪などの罪で訴えられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

【報道解説】大阪市北区のマンションの一室で違法風俗店摘発事件

2023-12-31

【報道解説】大阪市北区のマンションの一室で違法風俗店摘発事件

風俗営業法違反事件で科される刑罰の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

大阪市北区のマンションの一室で違法な性風俗店営業したとして、エステ店店員ら3人が、風営法違反禁止地区営業)の疑いで検挙、送検された。
警察によると、容疑者らは今年8月中旬から、営業を禁止された地域にある大阪市北区のマンションの一室で、男性客に性的サービスを提供した疑いがもたれている。
警察は今年9月上旬に、匿名の男性から「違法営業しているエステがある」との情報提供を受け、捜査を開始した。
11月上旬にエステ店を摘発し、店長の中国国籍の女と、性的サービスを提供していた店員を逮捕していた。
(令和5年12月22日に配信された「TVOテレビ大阪」より抜粋)

【営業禁止地域での性風俗店の違法営業とは】

性的サービスを提供するような、性風俗関連特殊営業を行う場合には、届出制とされており、各都道府県の公安委員会に性風俗店営業の届出をする必要があります。
また、都道府県の条例等に定められた営業禁止地域内では、性風俗店営業することは禁止されています。

営業禁止地域性風俗店営業した場合には、風俗営業法に違反するとして、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。

風俗営業法 28条1項(店舗型性風俗特殊営業禁止区域等)
店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(略)、学校(略)、図書館(略)若しくは児童福祉施設(略)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(略)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。」

【風俗営業法違反事件で科される刑罰の種類】

懲役刑になるか、罰金刑となるのか、あるいは懲役刑執行猶予が付くかどうかは、まずは検察官が、どの罪名と量刑で起訴するかどうかを判断し、その後に裁判で争われます。
法律や条例に書いてある法定刑の範囲内で刑事処罰の判断がなされますが、起こした犯罪の具体的内容や、容疑者の再犯可能性と反省の度合いや、容疑者の前科前歴の有無によって、刑罰の内容は大きく変わってきます。

懲役刑」とは、刑務所で身柄拘束される刑をいいます。
留置期間中は刑務作業をしなければなりません。
裁判で判決を言い渡す際に、懲役刑に「執行猶予」を付けることができて、その執行猶予期間中は、再度の刑事犯罪を起こさない限り、刑務所に入ることはありません。

罰金刑」とは、国に対して金銭を支払う刑をいいます。
もし罰金を支払うことができない場合には、1日以上2年以下の期間、労役留置場で働いて支払うことになります。
多くの場合、罰金刑は略式手続きによって言い渡されるケースが多く、略式罰金刑の場合には、裁判所の法廷での公判が行われることはありません。

【風俗営業方違反の刑事弁護】

まずは、違法風俗店摘発事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

大阪市北区違法風俗店摘発事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】デリヘル嬢の持ち物を窃盗して逮捕

2023-12-23

【報道解説】デリヘル嬢の持ち物を窃盗して逮捕

デリヘル嬢等の派遣型風俗店従業員の金品や所持品などを盗んで窃盗罪の疑いで逮捕された刑事事件に関して、その刑事手続や刑事責任について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

派遣型性風俗店の従業員からマイナンバーカード等を盗んだとして、兵庫県警姫路署は28日、窃盗罪の疑いで、姫路市の医師の男(52)を逮捕した。
逮捕容疑は27日午後9時40分ごろから11時ごろまでの間、同市内のホテルで、デリバリーヘルス派遣型性風俗店)のアルバイト女性(29)から、マイナンバーカードと健康保険証を盗んだ疑い。
調べに対し『盗んでいません。触っていません』などと容疑を否認している。
同署によると、28日朝、女性の夫から『妻がマイナンバーカードを盗まれた』と110番があり発覚。
男を警察官が発見し調べたところ、男がカードを所持していたという。」

(令和4年8月28日に神戸新聞NEXTより配信された報道より引用)

【他人の身分証を盗むと窃盗罪に問われ得る】

刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」と規定しています。

ここでいう「財物」に当たるというためには、財布や金銭そのものといった財産的な価値を有する物でなければならないと考えられています。

そうすると、今回逮捕された医師が盗んだとされる免許証やマイナンバーカードは、それ自体に財産的な価値があるのかと疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、免許証やマイナンバーカードといった身分証の類はそれが盗まれてしまうと何らかの形で悪用されるおそれがありますので、そのような他人の手に渡った際に悪用の恐れのある物も消極的価値があるとして、「財物」に当たると考えられています。

実際に、東京地方裁判所昭和39年7月31日判決は、失効した免許証について「財物」に当たると判断しています。

【窃盗事件の場合はどのような目的で盗んだのかが重要に】

窃盗罪に問われるかどうかの判断に当たっては、犯人がどのような目的で被害品を盗んだのかということが非常に重要になります。
というのも、刑法235条には明記されていませんが、窃盗罪が成立するためには、犯人に不法領得の意思があることが必要になり、不法領得の意思が認められない場合には窃盗罪が成立しないことになるからです。

不法領得の意思とは、「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用・処分する意思」のことをいいますが、このうち、前半の「権利者を排除して他人の財物を自己の所有物」として振る舞う意思のことを権利者排除意思、後半の「経済的用法に従い利用・処分する意思」のことを利用処分意思といい、この2つの意思が認められると不法領得の意思があると判断されることになります。

権利者排除意思は、他人の自転車をほんのわずか使用したような軽微な一時使用を窃盗罪として処罰しないようにする機能があり、利用処分意思は、窃盗罪器物損壊罪などの毀棄・隠匿罪とを区別するための指標になり、裁判実務上、利用処分意思については広く解釈されていて、盗んだ財物から何らかの効用を享受する意思があればよいと考えられています。

今回のようなケースでは利用処分意思が問題になる可能性が考えられます。

そうすると、どのような目的で盗んだ場合に利用処分意思が認められるかということですが、例えば、運転免許証やマイナンバーカードを悪用して偽造するといった目的の場合や、運転免許証やマイナンバーカードからその人の氏名や住所を知るために盗んだという場合は利用処分意思が認められる結果、不法領得の意思が認められることになるでしょう。

そして、このようにして窃盗罪が成立した場合、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なお、運転免許証やマイナンバーカードを純粋に嫌がらせ目的で持ち去ったという場合には、利用処分意思が認められない結果、不法領得の意思がないと判断されて、窃盗罪ではなく器物損壊罪(刑法261条)が成立する可能性があります。
器物損壊罪親告罪で、その法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。

【窃盗事件で捜査を受けてお困りの方は】

刑事裁判においては、窃盗事件が起きた日時・場所に近いところで被害品を所持していた人は窃盗犯人であると推定されるという考え方があります。
報道では、被害女性の夫が警察に通報したのが28日の朝で、被害女性が逮捕された医師とホテルでサービスを提供していた時間が27日の午後9時40分ごろから11時頃まであるということが読み取れますが、このような状況で逮捕された医師が被害女性のマイナンバーカード等を所持していたとのことですので、逮捕された医師が窃盗犯人であると一定程度推定されてしまうことになるしょう。

もっとも、被害女性のマイナンバーカード等が何らかの理由で偶然、逮捕された医師のカバンや着衣のポケットに紛れ込んでしまったなどの可能性もありますので、この推定は絶対のものではありません。
実際に、逮捕された医師は容疑を否認しているようですので、やってもいない罪を着せられることを避けるためには弁護士に相談されることをお勧めします。

警察に逮捕された後の取り調べでは、最初から犯人であると決めつけられたり、やってもいないこうをやったかのような誘導をなされる場合があり、こうした困難に耐え切れずにやってもいない罪を自白してしまうおそれがあります。
このような取り調べ対応については、いち早く弁護士からアドバイスを受けることが重要になると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
利用したデリバリーヘルスの従業員から窃盗罪の疑いをかけられ警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】男児へのわいせつ事件で逮捕 児童買春と不同意性交

2023-12-18

【報道解説】男児へのわいせつ事件で逮捕 児童買春と不同意性交等

児童買春事件不同意性交等事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

令和4年6月2日に、大阪府警少年課は、オンラインゲームで知り合った男子中学生に性的暴行を加えたとして、強制性交などの疑いで、住居不定の無職の男性(33歳)を逮捕した。
男性は、オンラインゲームや交流サイト(SNS)で知り合った男子小中学生に現金やプリペイドカードを渡し、見返りとしてわいせつな行為に及んでいたとみられる。
逮捕、送検容疑は、平成30年10月~令和4年1月、当時11歳~14歳の6人に、当時の自宅や車内に連れ込んで、性的暴行を加えたり、陰部を触ったりしたとしている。
男性のスマートフォンやパソコンには、少年の動画や画像が100点以上保存されており、府警は児童買春・ポルノ禁止法違反容疑でも捜査している。
(令和4年6月2日に配信された「産経新聞」より抜粋)

【児童買春事件と不同意等事件の違い】

児童買春罪とは、18歳未満の児童に対して、現金などの報酬を渡して、あるいは報酬の約束をした上で、わいせつ行為をした場合に、成立する犯罪です。
基本的には、わいせつ行為をすることにつき、児童との同意がある事情を、前提とする犯罪となります。

・児童買春、児童ポルノ禁止法 第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」

他方で、被害者との同意が無い他、被害者に対する優越的な地位を利用する等の不正な手段を用いて性行為等をする場合、児童買春とは別の犯罪が成立することになります。
上記事例の令和4年時点では「強制性交等罪」でしたが、令和5年7月13日以降は、「不同意性交等罪」として処罰されることになります。

不同意性交等罪は、次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、被害者の同意がない状態や、同意の意思を示すことが困難な状態を利用して、被害者に対して性行為などをした場合に、不同意性交等罪が成立します。

要件となる行為として、簡潔に要約すると、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせること等」、「アルコールや薬物の摂取又はその影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「不同意、又は不同意の意思を示すいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖や驚愕」、「虐待に起因する心理的反応等」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力等」の8要件が列挙されています。

不同意性交等は、加害者と被害者の婚姻関係の有無にかかわらず成立し、五年以上の有期拘禁刑が科されます。

【男児への性犯罪事件で逮捕後の釈放弁護活動】

性犯罪を起こして逮捕された場合には、まずは逮捕されてから2、3日間で「勾留」するかどうかの判断がなされ、勾留決定が出れば、そこから10日間の身柄拘束がなされます。
逮捕直後に弁護士を依頼することで、「勾留の回避」すなわち「逮捕後2、3日での早期釈放」に向けて、弁護士が捜査機関や裁判所に積極的な働きかけを行うことが、まずは重要となります。

勾留決定が出て、身柄拘束が長引くようなケースであっても、警察の取調べに対して、どのように認否の供述をしていくのかを弁護士に相談するとともに、被害者本人や被害者の保護者に対して、謝罪や慰謝料の支払い等の示談交渉を、弁護士を介して進めていくことが、早期釈放や刑事処罰の軽減のために、重要な弁護活動となります。

まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

児童買春不同意性交等性犯罪事件でお困りの方は、刑事事件を専門としている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】大阪府の風俗店で性的暴行して不同意性交等罪で逮捕

2023-12-07

【報道解説】大阪府の風俗店で性的暴行して不同意性交等罪で逮捕

20歳の警察官が風俗店で指名した女性に性的暴行をしたとして不同意性交等罪逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

風俗店で指名した女性に性的暴行を加えたとして、大阪府警は3日、交野署地域課の巡査、A容疑者(20)=大阪府寝屋川市幸町=を不同意性交等罪の疑いで逮捕し、発表した。
性交はできなかった』と容疑を否認しているという。
監察室によると、逮捕容疑は2日午後7時15分ごろ、大阪市都島区のホテルで20代女性が拒否したにもかかわらず、押し倒して性交したというもの。
A容疑者は別の警察官2人と区内の風俗店に行き、指名した女性と近くのホテルを利用しており、店に戻った女性が被害を訴えたという。」

(令和4年11月3日に朝日新聞DEGITALで配信された報道を元に、匿名や事実を一部改変して引用したフィクションです。)

【風俗トラブルが刑事事件へと発展することがある】

今回取り上げた報道では、風俗店で指名した女性に性的暴行を加えた疑いで男性が逮捕されたという事件です。
逮捕された男性は、暴行又は脅迫を用いて性交を行った場合に成立する不同意性交等罪の疑いで逮捕されていますので、風俗店で指名した女性に無理やり本番行為を行った疑いがある可能性が考えられます。

風俗嬢が拒否しているにもかかわらず本番行為を強要したという風俗トラブルの多くは、警察が介入する前に解決することが多いです。
これは、被害にあった風俗嬢が警察に被害を申告する前に、当事者間で示談して事件を警察に届けない約束を取り付けているといった形で解決することが多いためであると考えられます。

無理やり本番行為をしたという風俗トラブルについては、トラブルについて知っている人が当事者しかいない場合が非常に多いでしょうから、トラブルの当事者が警察に申告しなければ警察は風俗トラブルを知るすべがないため、捜査に乗り出すきっかけがそもそもないといえます。

ただ、だからといって、風俗嬢に無理やり本番行為をしたという行為が犯罪にならないということではありません。
被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行または脅迫を加えた上で性交をした場合、刑法177条が規定する不同意性交等罪が成立することになります。
そして、被害にあった風俗嬢の方が、警察に被害を申告すれば、警察が捜査を開始して、刑事事件へと発展する可能性が十分考えられます。

【実際に性交していなくても罪に問われる】

逮捕された男性は「性交はできなかった」と供述しているようです。
仮に性交をしていなくても刑法180条は、不同意性交等罪の未遂を処罰の対象としていますので、性交をするために暴行又は脅迫を加えた時点で、不同意性交等罪未遂として処罰されることになるでしょう。

不同意性交等罪未遂については、「その刑を減軽することができる」(刑法43条)と規定されていますが、不同意性交等罪未遂の法定刑は不同意性交等罪の既遂の場合と同じで、5年以上の有期拘禁刑(刑法177条)となっています。
罰金刑が定められていないことから、不同意性交等罪未遂の法定刑は比較的重いものといえるでしょう。

【風俗トラブルが刑事事件に発展することを回避したい方は】

現在抱えている風俗トラブル刑事事件へと発展する前に穏便に解決したいとお考えの方は、弁護士に依頼されることをお勧めします。
刑事事件へと発展する前に風俗トラブルを解決するには、早期に被害にあった風俗嬢の方と示談をすることが非常に重要になります。

もちろん、弁護士を付けずに当事者同士で示談することも不可能ではありません。
しかし、示談の条件や示談の方法によっては、後から締結した示談を蒸し返されるという危険性もあり得ますので、風俗トラブルをしっかりと解決するためには示談交渉の経験が豊富である弁護士示談交渉を依頼されるのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
風俗トラブルから不同意性交等罪などの刑事事件へ発展することを回避したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】京都市南区の性風俗店不届営業事件で逮捕

2023-11-29

【報道解説】京都市南区の性風俗店不届営業事件で逮捕

届出しないで風俗店営業することによる風俗営業法違反と在留資格に関する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

公安委員会に届出せず性風俗店営業したなどとして、京都府警は令和5年11月25日に、風営法違反の疑いで、タイ国籍の女性(34歳)を逮捕した。
逮捕容疑は、何者かと共謀し、令和5年11月25日に、京都市南区のマンションの一室で、京都府公安委員会に届出しないまま、男性客に性的サービスを提供したとしている。
捜査関係者によると、容疑者らは外国人女性の売春仲介サイトを通じ、客を集めていたとみられる。
このサイトでは、中国や東南アジア系の女性の売春が斡旋(あっせん)されていたという。
京都府警によると、令和5年6月、サイバーパトロール中の東山警察署員が同サイトを発見した。
民泊など短期滞在用のマンションを転々とし、営業を行っていたとみられる。
(令和5年11月25日に配信された「産経新聞」より抜粋)

【性風俗店の不届営業の刑事処罰とは】

性風俗店(店舗型性風俗特殊営業)を営業する際には、各都道府県の公安委員会に対して、届出をする必要があります。
公安委員会への届出書を提出せずに、性風俗店営業した場合には、風俗営業法に違反するとして、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けることになります。

風俗営業法 27条1項本文(営業等の届出)
「店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者は、店舗型性風俗特殊営業の種別(略)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。」

風営法違反逮捕された場合には、警察取調べ対応や、早期釈放のための弁護活動に向けて、直ちに弁護士接見(面会)依頼や法律相談をすることが重要となります。

【在留資格に関する弁護活動】

外国国籍の人が、刑事犯罪を起こして起訴され、有罪の判決が出た場合には、退去強制事由に該当してしまう可能性があります。
強制送還されてしまうことを防ぐためにも、早期に弁護士に法律相談し、適切な弁護活動を行うことが必要です。

また、外国国籍の人が、逮捕勾留といった身柄拘束中に、在留ビザの期限が来てしまうようなケースでは、不法滞在オーバーステイ)とならないようにするための、在留期間の更新手続きのために、弁護士が代理人として、在留資格の代理申請等をする必要があります。

まずは、性風俗店不届営業事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

京都市南区性風俗店不届営業事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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