深夜に未成年を働かせた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
福岡県飯塚市に在住のAさん(30歳)は、同市内でバーを経営しています。
Aさんの経営するバーでは、女子高校生のBさん(17歳)をアルバイトとして働かせていました。
あるとき、お客さんが多く訪れる日があり、深夜の人手が足りなくなってしまいました。
そこでAさんは、Bさんにお願いして、午前10時から朝の3時までBさんに客の接待をさせていました。
そのことが発覚し、Aさんは風営法違反の疑いで、福岡県飯塚署の警察官から取調べに来るように電話がきました。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
〇風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)
今回Aさんが疑われているのは、風営法違反です。
風営法では、18歳未満の者を働かせるにあたっては以下のように規定しています。
第22条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
3 営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること。
4 営業所で午後10時~翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業に従事させること。
条文上に出てくる「風俗営業」については、風営法の第2条に定義されています。
風営法第2条第1号では、「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業」が「風俗営業」に含まれる、と規定されています。
他にも、建物の立地や建物内の照度によって「風俗営業」に該当するかが判断されます。
今回のケースの「バー」は、「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業」にあたるでしょう。
・罰則
風営法22条1項第3号・第4号に違反した場合の罰則規定は同法第50条にあります。
もし、風営法22条1項第3号・第4号違反の罪で起訴されて有罪判決が確定してしまうと、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(又はその併科)」が刑罰として科されてしまいます。
〇労働基準法
今回のAさんのように、18歳未満の者を深夜帯に勤務させることについては、労働基準法にも規定があります。
第61条
1 使用者は、満18歳に満たない者を午後10時~午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
・罰則
労働基準法61条に違反した場合の罰則規定は同法109条にあります。
もし、労働基準法61条1項違反の罪で起訴されて有罪判決が確定してしまうと、「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」が刑罰として科されてしまいます。
~弁護士の対応~
今回のケースのように未成年を深夜に接客させた場合は、風営法や労働基準法といった複数の法律が関係してきます。
このように複数の法律が絡んでくると、一般人の方では理解が極めて難しいです。
そこで、法律や各都道府県の条例への知識が豊富で、今回のケースのような事案の経験が多い弁護士へ一度相談にいくことをおすすめします。
法律の専門家である弁護士は、現在の状況を分かりやすく整理し、どの法令が適用されていくのかをしっかりと見極めたうえで、今後の見通しをお伝えすることが可能です。
そのため、Aさんのような場合は、警察に取調べに行く前に、取調べのときの対応の仕方等を含め、一度弁護士に相談しておくことが最善です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、風営法違反など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。