盗聴と風俗トラブル

盗聴と風俗トラブル

神戸市兵庫区に住む会社員のAさんは風俗が好きで、特定の女性Vさん目当てに、よく近くの個室ヘルス店に通っていました。
そして、AさんはVさんに対し好意を抱くようになり、Vさんの様子を盗聴したいと考えるようになりました。
そこで、Aさんは、いつもどおり個室ヘルス店へ入り、Vさんを指名し、Vさんが待つ個室へと入りました。
そして、Aさんは、Vさんが目を離した隙に盗聴器をしかけました。
Aさんはサービスを受けた後退店することができましが、後日、兵庫県兵庫警察署から建造物侵入罪で呼び出しを受けることになりました。

それと同時に、Aさんは風俗店側から50万円の罰金を支払うよう求められています。
(フィクションです。)

~ 盗聴自体を罰する法律はない ~

通常、風俗店では、本番行為、盗撮などと併せて盗聴も禁止していることが多いかと思われますが、盗聴自体を罰する法律はありません。
これは、盗聴器に使われる電波は、機材さえあれば誰でも聞くことができるため、たまたま盗聴内容を聞いてしまった人が罪に問われてしまう可能性があるため(冤罪の危険があるため)です。
しかし、「盗聴に至る過程での行為」や「盗聴に伴う(利用した)行為」については法律で罰せられる可能性がありますので注意が必要です。

~ 盗聴に関わる犯罪 ~

まず考えられるのが「建造物侵入罪」です。
建造物侵入罪は刑法130条前段に規定されています。

刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪の「侵入」とは、その建造物の管理者の意思に反して侵入することをいいます。
判例では「管理権者が予め立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合であっても、該建造物の性質、使用目的、管理状況、管理者の態度、立入りの目的などからみて、現に行われた立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、他に犯罪の成立を阻却すべき事情が認められない以上、同条の罪の成立を免れない」(最判昭58・4・8)とされています。

この点、Aさんは盗聴器を所持して風俗店に立ち入ったと考えられますから、風俗店へ立入りは盗聴目的での立入りであると認められます。そして、盗聴目的での立入りは管理者の意思に反するといえます。

したがって、Aさんは建造物侵入罪で処罰される可能性が高いでしょう。

その他、盗聴器を仕掛けるため建物内の物を壊すなどした場合は「器物損壊罪」で処罰される可能性があります。
また、盗聴で得た情報を利用してストーカー行為をした場合はストーカー規制法により処罰される可能性があるの注意しましょう。

~ 本件での弁護活動 ~

本件の直接の被害者は風俗店の管理者(店長)であり、管理者からの被害届によって警察が捜査を開始したものと思われます。
したがって、風俗店の管理者である店長との示談交渉を進めていくことが重要であるかと考えます。

示談を成立させることができれば、風俗店側への賠償が済むと同時に、刑事処分としても不起訴となる可能性は高まります。
しかし、風俗トラブルにおける示談交渉は簡単にはいかないと思います。
当事者同士で交渉を進めていると、どうしても悪いことをしたという負い目があるため、不利な立場に立たされてしまいます。
そして、相手からその弱みに付け込まれて、高額な罰金額の支払を求められたり、場合によっては暴力、脅迫を受けるなどの痛い目、怖い目に遭わされる場合も想定し得ます。
しかし、弁護士であれば依頼者の立場にたって、毅然とした態度で交渉に臨むことができ、事案にもよりますが、最終的に適切な内容・形式で示談を締結してくれます。
お困りの方は弊所の弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,風俗トラブルをはじめとする刑事事件少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
兵庫県兵庫警察署までの初回接見費用:35,100円

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー