1 風俗店から「罰金」を要求されるケース
風俗店を利用した後に、風俗嬢や風俗店から「罰金」と称して金銭の要求をされるケースとしては、次のようなものが見られます。
(1)利用客側に落ち度がある場合
- プレイ中に風俗嬢に怪我をさせてしまった場合
- プレイ中に本番行為をしてしまった場合
- プレイ中に盗撮・録音行為をしてしまった場合
- その他、プレイ中に本来のサービスの範囲を超えて過剰な行為を行ったような場合
- 風俗嬢と個人的に連絡先を交換した場合・個人契約をした場合
(2)利用客側に落ち度がない場合
- 単なる風俗店側からのふっかけ行為の場合
- 美人局的な行為の場合
2 風俗店から金銭の要求をされたら…
風俗店から金銭要求を受けた場合、ご自身に後ろめたいところが無い場合はもちろん、たとえそれがある場合でも、迅速・冷静な対応が大切です。
ご自身に後ろめたいところ・落ち度がある場合には、風俗店や風俗嬢の方としても、民事上の損害賠償請求権を持っている可能性があります。
民法第709条
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
なんとなく無視をしていると、正式な法的手続きをとられ、どんどんと大事になっていってしまうおそれがあります。
さらに、風俗嬢に怪我をさせてしまった場合には傷害罪や過失傷害罪、本番行為に及んでしまった場合には強制性交等罪、盗撮・録音行為をしてしまった場合には条例違反・軽犯罪法違反や建造物侵入罪、正当な性的サービスの範囲を超えてしまった場合には強要罪や強制わいせつ罪といったように、ケースによっては刑事責任を問われる可能性もあります。
いずれも決して軽い罪ではありません。当事者間での話し合いで解決されない場合、警察に被害を届け出られ、警察の捜査が開始され、最終的には裁判の場で刑罰を科されてしまうかもしれません。
しかし、早期に当事者同士で話し合いの場を設け、冷静に協議することで、民事上の問題も刑事上の問題も一気に解決される可能性があります。問題がこじれる前の早急な対応が重要です。
一方、ご自身の側に何の落ち度も後ろめたいところも無い場合には、風俗嬢や風俗店側の金銭要求は、不当な要求であり、恐喝罪等に当たる可能性があります。
刑法第249条第1項
「人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」
こうした場合は、毅然とした姿勢で臨む必要があります。
風俗店利用にともなうトラブルであることから、利用客の方でも恥ずかしさのようなものがあり、事を荒立てないために不当な要求にもとりあえず応じてしまうというケースが珍しくありません。
しかし、こうした不当な要求をするような風俗嬢・風俗店は、まさにそうした姿勢に付け込んできます。一度金銭を支払ってしまうと、それで終わりではなく、何度も何度も要求が続き、泥沼化していく恐れがあります。最初の時点で毅然とした態度が求められるのです。
3 風俗店からの金銭要求トラブルに巻き込まれたら弁護士に相談を
風俗嬢や風俗店から金銭要求を受けた場合には、ご自身の側に落ち度がある場合も無い場合も、まずは弁護士に相談するのが安心です。相談を受けた弁護士は、事情を聴いたうえで、法的に一定の金銭支払義務があるのかないのか、あるとしてその金額はどれほどなのか、しっかりとした法的回答をすることができるでしょう。
それによって、早期に風俗嬢や風俗店の側と示談・和解交渉に入るべきなのか、それとも毅然とした態度で相手の要求を突っぱねるべきなのか、はたまた、こちら側こそが恐喝の被害者として被害申告をするべきなのか、など、ご自身がとるべき対応がはっきりとします。
そして、いざ相手側への対応をとるとしても、一人で立ち向かうのは、恐怖心もあるでしょうし、何より、相手のペースに飲まれて不利な取り決めをさせられたり、なんどもなんども事を蒸し返されたりと、根本的な解決に至らない可能性も大きいものです。
その際も、弁護士を間に入れることで、法的知識に裏付けされた的確な対処が可能となり、真の最終解決に導くことができます。まず何をしたら良いのかという段階から、最終的解決に向けた相手方対応まで、全ての段階において、弁護士の助けを受けることが有効です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に特化して弁護活動を行っています。そのため、日々多くの刑事事件のご相談・ご依頼を受けており、弊所に所属する弁護士は、刑事事件の経験を豊富に有しています。風俗店の利用に伴うトラブル事案も、弊所が多くお受けする種類の案件です。
風俗店からの金銭要求にあった場合、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。