【報道解説】男児へのわいせつ事件で逮捕 児童買春と不同意性交等
児童買春事件と不同意性交等事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
令和4年6月2日に、大阪府警少年課は、オンラインゲームで知り合った男子中学生に性的暴行を加えたとして、強制性交などの疑いで、住居不定の無職の男性(33歳)を逮捕した。
男性は、オンラインゲームや交流サイト(SNS)で知り合った男子小中学生に現金やプリペイドカードを渡し、見返りとしてわいせつな行為に及んでいたとみられる。
逮捕、送検容疑は、平成30年10月~令和4年1月、当時11歳~14歳の6人に、当時の自宅や車内に連れ込んで、性的暴行を加えたり、陰部を触ったりしたとしている。
男性のスマートフォンやパソコンには、少年の動画や画像が100点以上保存されており、府警は児童買春・ポルノ禁止法違反容疑でも捜査している。
(令和4年6月2日に配信された「産経新聞」より抜粋)
【児童買春事件と不同意等事件の違い】
児童買春罪とは、18歳未満の児童に対して、現金などの報酬を渡して、あるいは報酬の約束をした上で、わいせつ行為をした場合に、成立する犯罪です。
基本的には、わいせつ行為をすることにつき、児童との同意がある事情を、前提とする犯罪となります。
・児童買春、児童ポルノ禁止法 第4条
「児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」
他方で、被害者との同意が無い他、被害者に対する優越的な地位を利用する等の不正な手段を用いて性行為等をする場合、児童買春とは別の犯罪が成立することになります。
上記事例の令和4年時点では「強制性交等罪」でしたが、令和5年7月13日以降は、「不同意性交等罪」として処罰されることになります。
不同意性交等罪は、次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、被害者の同意がない状態や、同意の意思を示すことが困難な状態を利用して、被害者に対して性行為などをした場合に、不同意性交等罪が成立します。
要件となる行為として、簡潔に要約すると、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせること等」、「アルコールや薬物の摂取又はその影響」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態」、「不同意、又は不同意の意思を示すいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖や驚愕」、「虐待に起因する心理的反応等」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力等」の8要件が列挙されています。
不同意性交等は、加害者と被害者の婚姻関係の有無にかかわらず成立し、五年以上の有期拘禁刑が科されます。
【男児への性犯罪事件で逮捕後の釈放弁護活動】
性犯罪を起こして逮捕された場合には、まずは逮捕されてから2、3日間で「勾留」するかどうかの判断がなされ、勾留決定が出れば、そこから10日間の身柄拘束がなされます。
逮捕直後に弁護士を依頼することで、「勾留の回避」すなわち「逮捕後2、3日での早期釈放」に向けて、弁護士が捜査機関や裁判所に積極的な働きかけを行うことが、まずは重要となります。
勾留決定が出て、身柄拘束が長引くようなケースであっても、警察の取調べに対して、どのように認否の供述をしていくのかを弁護士に相談するとともに、被害者本人や被害者の保護者に対して、謝罪や慰謝料の支払い等の示談交渉を、弁護士を介して進めていくことが、早期釈放や刑事処罰の軽減のために、重要な弁護活動となります。
まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
児童買春や不同意性交等の性犯罪事件でお困りの方は、刑事事件を専門としている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。