【マッサージ店でのトラブル】準強制わいせつ事件で取調べ・ 刑事弁護士による示談活動

事例:A(44歳:男性)は、マッサージ店にて金銭を支払いV(25歳:女性)から施術を受けていた。
同店においては際どいマッサージ等も行われていたが、あくまで客の方からVの身体に触ることは禁止事項となっていた。
にもかかわらず、Aは施術中のVの胸などを触る行為を繰り返した。
Vが警察署に被害届を提出したところ、警察官は、Aを準強制わいせつの疑いで取り調べることにした。
Aは、風俗トラブルに強いと評判の弁護士に相談しようと考えている(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~準強制わいせつと強制わいせつ~

 刑法は、第176条以下において、性的自由に関する罪を定めています。これらの罪は、その名のとおり、個人の性的自由に関する自己決定権等を保護するための規定です。したがって、まず確認すべきこととして、このような自己決定権の侵害がなければ当該犯罪は成立しないということです。すなわち、原則として、たとえば成人同士が合意のもとにわいせつな行為を行うというような場合は(少なくとも上記刑法犯としては)犯罪とはなりません。合意・同意がある場合には、そもそも上記の自己決定権を害することがないため、犯罪は成立しないのです。これに対し、合意・同意が認められない場合には、第176条以下の罪が成立するかどうかを検討する必要があります。
 本件であれば、AによるVに対する「わいせつな行為」があったのは明らかといえますから、問題となるのはAの行為に、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪(刑法176条前段、178条1項)のどちらが成立するのか(あるいはそもそも成立しないのか)です。

・(強制わいせつ)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

・(準強制わいせつ…(略))
第178条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2(以下略)

 上記条文のとおり、178条1項と176条の法定刑は同じですが、178条1項が「準」強制わいせつとしていることからも、あくまで176条の罪の方が基本的な犯罪類型として考えられています。そこで、強制わいせつ罪の成否を検討してみると、176条の罪が成立するためには、(被害者が13歳未満の場合を除いて)「暴行又は脅迫」を用いてわいせつな行為をする必要があります。
 本件のような場合、わいせつ行為それ自体を「暴行」と捉え、176条前段の罪を問うことも考えられます。もっとも実務上は、暴行・脅迫以外の方法で抵抗困難な「抗拒不能」状態を作出・利用したわいせつ行為として178条1項の罪が問われることが多いと思われます。

~風俗トラブル等における弁護活動~

 性犯罪に対する弁護活動においては、被害者との示談が最重要事項となります。近年の刑法改正によって、刑法上の性犯罪は非親告罪(被害者の告訴がなくても起訴が可能な犯罪)となりました。しかし、上述のようにあくまで刑法に定める性犯罪は被害者の自己決定権の侵害の有無が問題となる類型の犯罪であり、被害者の処罰意思の有無も検察官の訴追裁量(刑事訴訟法248条参照)に大きく影響すると考えられています。したがって、依然として性犯罪における被害者との示談の重要性は、弁護活動において大きなウェイトを占めるものといえるでしょう。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、風俗トラブル事件などにおける示談活動を多数取り扱っている刑事事件専門の法律事務所です。(準)強制わいせつ罪などによって警察の取調べを受けている方等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお問い合わせください。刑事弁護士による示談活動等についてくわしくご案内差し上げます。

 

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